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紅葉はじめ2009.11.25

秋風が彩りを運んでくる頃、虫たちを探しに近場のフィールドへ出掛けた。
木の葉を揺らす風も少し肌寒いためか、
虫たちの姿もめっきり少なくなった公園をプラリプラリと探索していると、
赤く色づきはじめたイロハモミジが目に留まった。
控えめな紅葉はじめをしばし眺め、
明日はあのカメラで挑んでみるのもいいかな・・・、と、
思案しながら再び虫たちを探しに歩きはじめた。 

この時の撮影技法
「秋のはじめ」の味わいを出すために一番気を遣ったのは背景の佇まいです。
主役を際だたせるための背景はとても重要で、
なかでも光の強弱がキーポイントだと思っています。
苔の生えた幹のしっとりとした質感、
そして画の左端に遠景を少しだけ取り入れて、
明るい光のアクセントで「秋のはじまり」感を表現してみました。
隠し味として低速シャッター(1/4秒)で葉っぱをぶらし、
心地よい空間を表現してみましたが如何でしょうか?
有名な紅葉名所だけではなく、
身近な場所でじっくりと時間をかけて独り占め出来る空間を見つけ出すことこそ、
写真撮影の醍醐味のひとつではないでしょうか。

解像度の話
このデジタルバック(CCD解像度3900万画素、有効画素数7216×5412ピクセル)は
高細密な画像データが得られ大伸ばし時にその威力を発揮します。
デジタル一眼レフタイプ(2000万画素クラス)より撮像素子が一回り大きいので、
その圧倒的な情報量がもたらす質感描写はさらに一段高いレベルにあろといえます。
今回の写真もモニターで拡大して見ると「オッ!」と声を発するほど葉っぱの一枚一枚見事に再現され、
その豊かな階調の美しさに感動すら覚えてしまいます。
ただし、ご存じのとおりモニターの解像度は72dpiで表示されるため、
この写真の大きさ(72dpi,20cm×15cm)まで縮小してしまうと、
その良さをモニターでは確認出来ないのは残念ですが。

カメラ設定
露出設定マニュアル、シャッタースピード1/4秒,絞りF22、ISO100。

使用機材
Mamiya RZ67 PROⅡD、M140mmレンズ,デジタルバックPHASE ONE P45+,Gitzo大型三脚、レリーズ。

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

山水(称名滝と紅葉)2009.11.13

この場所に着いたのは午後4時を少し回っていて、
称名滝が雨でボンヤリと浮かびあがっていた。
暫くすると薄暮の柔らかな光が紅葉をよりいっそう艶かに色づけして浮かびあがってきた。
私はこの時間帯の妖艶な光がたまらなく好きで、
この一瞬のためにひたすら待ち受けるのである。
狙いは神宿る山水。

称名滝
富山県中新川群立山町にあり、
立山連峰を源流とする滝で日本最大落差(350m)を誇り「日本の滝百選」に入る。

この時の撮影技法
霧雨と瀑布の水しぶきでカメラはずぶ濡れ状態になるので、
カメラを守るビニール袋、タオルなどが必須です。
薄暮の時間帯は光の陰影や色温度などが複雑に絡み合い刻々と表情が変化します。
その一瞬一瞬で閃いたイメージを如何に具現化するかがポイントです。
この時はスローシャッターで滝の流れを表現したかったので三脚を使用。
ビニール越しで構図を決めたらレリーズの直前にレンズの覆いをはずします。
露光中は水しぶきが架かるので何度もレンズをせっせと拭かなければならないので、
水を良く吸い取るタオルなどが必須です。風景写真の極意は「待ちの忍耐」と「イマジネーション」、
そして僅かな変化を見逃さない集中力ではないでしょうか。

機材故障の話
先日、松島に取材で出掛けた折、
カメラマン人生で初めて2台同時にカメラのトラブルが発生しました。
まずCanon 5DMarkⅡにErr30がモニターに表示され撮影不能。
Canon40DはAFが故障。同行の編集者達の顔が一瞬蒼くなりましたが、
幸い予備機のNikonは何の問題もなく最後まで順調に働いてくれました。
プロとして何年かに一度の故障に備えたえず予備機材を携帯するのですが、
それにしてもデジタルカメラに移行してから故障の頻度が多くなり、
肩にかかるカメラバックが重たいことよ。

カメラ設定
露出設定マニュアル、シャッタースピード1/4秒,絞りF16、ISO400。

使用機材
Canon 1Ds MarkⅡ、24~105ミリISレンズ(55ミリで使用)。

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家