早朝から、雪の降りがピークになって来た・・・。
私は、かねてよりホワイトクリスマスの花名にふさわしい画を具現化できないものかとトライを重ねていたので、この初雪に躊躇なく東京都神代植物公園へ向かった。11月に東京で初雪が観測されたのは1962年以来54年ぶりの事になるとカーラジオから流れている。
誰もいない、バラ園で作業員とひとことふたこと言葉を交わす。
私「今日は、贅沢にも雪のバラ園を独り占め状態です!」
作業員「こんな日にはプロしか来ませんよ」
私がプロとは知らないはずの作業員の方から、意外な言葉がかえってきた。
この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
「やわらかい光とアクセントでバラを撮る」
ホワイトクリスマスをじっと眺めると、雪空のソフトな光が優しく包み込むように回り込んでいます。毎年のように撮影しているホワイトクリスマスですが、簡単そうに見えてこれがとても手強い被写体なのです。なぜだか、他のバラに比べて綺麗な花弁が少ないのです。原因は、雨などの些細な刺激ですぐに汚れたように痛んでしまうのがほとんど。それに、淡いオフホワイトの花色も単調な画になりがちです。このような事から、何かしら変化をもたらすアクセントがないかと模索していました。幸いな事に、初雪に見舞われながらも、この一輪だけがかろうじて理想に近い美しさを保っていた。
—–ふわっと積もり始めた初雪のアクセントが加わり、写真の物語性はガラリと一変。
撮影地:東京都神代植物園
カメラ設定
Nikon D810, 絞り値:F8.0、シャッタースピード:1/640秒,ISO感度設定:800、レンズ焦点距離105mm、露出モード:マニュアル、露出補正:−0.67、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw
使用ソフト
PhotoshopCC2017.0.0使用(Rawデータ現像)
使用機材
Nikon D810, AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
POSTED BY:
TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家
萩の花が咲き終わる頃、キチョウの羽化を毎年のように確かめに行く。この日も長い時間観察を楽しみ、さて帰ろうかと思ったのだが、あそこもついでに見ておこうとマメ科のギンヨウアカシアへも足を運んだ。
青空に映えるギンヨウアカシアの下に近づくと、樹上には沢山のキチョウが舞っていた。それは♀が羽化したてであろう事を物語っていて、これから起きる光景をなんとなく予測できるのである。想像する、—–この風に、羽化したての♀のフェロモンが漂っているだろうから・・・、などとなんとなく目を凝らして眺めていると、交尾中のペアに他の♂たちが吸い寄せらるるよう集まってきた。あぁ、またいつもの光景が繰り広げられるのか・・・・・とその時。
「あっ!」と息を飲む!
その背後には眼光鋭いハラビロカマキリが潜んでいたのだ!
—–抗えぬ恋—–、ゆえ背後の危うさには全く気づいていない。
この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆)」
「ストロボで逆光の空を暗く落とす」
高い位置の枝に羽化した♀を撮影するために移動した先は逆光の位置にあった。まずい事に、そのままシャッターを切ると、空が白飛びしてキチョウとハラビロカマキリがアンダーに、これでは肝心な主題を強調出来ません。そこで、問題解消にストロボを焚くことにした。ストロボはいつも虫用のカメラバックに収まっているNikon SB-700。こいつをマニュアルでハイスピードシンクロ=(FP)設定にする。今回の撮影技法の肝は、一番明るい空をアンダーにすることにある。まず空の露出を計り、導き出されたシャッタースピード1/800s、絞りF9.0に設定した。これで、意図した肝を押さえた事になったので、あとは必然的にキチョウに当てるストロボの適正露出を絞りF9.0にしなければならない事になる。さらにシャッタースピードが1/800sになったので、ハイスピードシンクロ設定が必要という事です。言うまでもありませんが、シャッタースピード1/250s(ほとんどの機種)以上でストロボを同調させるには、ハイスピードシンクロ設定が行える機種が必須なのです。ただし、バッテリーの消耗が激しいので注意。
撮影地:練馬区:石神井公園
カメラ設定
Nikon D810, 絞り値:F9.0、シャッタースピード:1/800秒,ISO感度設定:200、レンズ焦点距離200mm、露出モード:マニュアル、露出補正:+0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw。
使用ソフト
PhotoshopCC2017使用(Rawデータ現像)
使用機材
Nikon D810, AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR、Nikon SB-700
POSTED BY:
TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家