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風を送る暇なヒメスズメバチ2010.09.17

9月5日、熱風がピタリと止んだ昼下がり、私は社会性に富んだスズメバチのある行動に見入っていた。
それは、薄暗い樹洞の入り口で懸命に翅を振るわせ、巣の中に新鮮な空気を送りこんでいるヒメスズメバチの行動であった。
規則正しく、3分ほど新鮮な風を巣の中に送り込むと一旦巣の中に消え、それから5分ほどで再び先ほどの定位置に戻り「では、始めますか!」と送風を繰り返すのであった。
「巣の中が暑いから外に出て扇ぐ」この行動の疑問を調べてみた。
狩りなどに参加しない暇な働きバチが現れると、その暇な働きバチは餌集めの変わりに巣の警護や送風係を担当するらしい。

ヒメスズメバチ(ハチ目 細腰亜目 スズメバチ科 スズメバチ亜科)
腹部は黄色と黒の縞模様、腹端が黒い(他は黄色)のは本種のみなので見分けは簡単。
性格はスズメバチの中で最もおとなしく毒性も弱い。
体長25~36㎜、オオスズメバチ(スズメバチの中では世界最大)の次に大きい。
現れる時期は4~10月、本州~南西諸島。営巣場所は屋根裏、地中、樹洞などの閉鎖的な空間。
成虫は糖質を含んだ樹液や花蜜。
繁殖期にはアシナガバチの幼虫や蛹のみを襲い、その場で獲物をかみ砕き体液を吸いとり、巣に持ち帰り幼虫の餌として与える。

シタバガ(ヤガ科シタバガ亜科)
画面上に一緒に写りこんでいるのは地衣類に似た白斑を散りばめた前翅を持つ大型のシタバガです。
このようにスズメバチの入り口に張り付いているのを他の場所でも目撃しているのだが、何故一緒にいるかは謎である。

この時の撮影技法(ブレで躍動感を表現する)
繁殖の真っ最中にスズメバチの巣に近づくのはとても危険だが、ヒメスズメバチの性格はは上記の通りとてもおとなしく、手出しさえしなけば全然怖くありません。
さて、今回のキーポイントは「翅の動き」を如何に表現するか。

① ストロボのベストポジションを探し出す。
「ブ~ン、ブ~ン」と迫力満点の羽音と共に鼻先をかすめるよう出入りするなか、巣の入り口(約30㎝)にて、どの角度からストロボを当てたら翅の透明感とテカリが出せるのか、そのベストの角度をLEDライトで探し出します。
望みの角度が見つかったらその位置にカメラ(内蔵ストロボ)をセットします。

② 翅の躍動感をLEDライトの光をプラスしてスローシャッターで写す。
撮影環境が明るければLEDライトは不要ですが、ここは暗いのでLEDライトを使いました。
ご存じのように、小型ストロボの高速閃光では動きを止めるには好都合ですが、翅の動きをぶらして表現するには不向きです。
そこでLEDライトの光量をプラスして翅のブレが効果的に写るシャッタースピードを設定します。
最後に思い描くシーンでシャツターを押すだけです。

カメラ設定
露出設定マニュアル、シャッタースピード1/50秒,絞りF13、ISO400、内蔵ストロボ発光(-補正0.5)

使用機材Nikon D300、VR 85 mmマクロレンズ、LEDライト、エツミポップアップストロボディフューザー(ナチュラル) E-6218、赤外線リモコン(ベルボンTwin1 R4N)、三脚使用。

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

ハリウッドスター顔負けのアジアイトトンボ2010.09.03

熱風のなか、アジアイトトンボのお嬢さまがスイーツならぬご馳走が目の前を横切るのを辛抱強く待ち構えていた。
ときおり婚活の若者が言い寄るも、よっぽどお腹がすいているのか適当にあしらっていた。
それではとパパラッチよろしく、ちょっくらお写真をとカメラを差し出すと「ハ~イ!」とお得意のポーズで決めてくれたのである。
激写の後「サンキュー!」と声をかけるまもなく目の前を横切ったスィーツをガブリと頬張っていらしたが、「食べるシーンの公開はノーよ」と、まるでハリウッドスター顔負けでやんわりと断られてしまった。

アジアイトトンボ 均翅亜目(きんしあもく)イトトンボ科 アオモンイトトンボ属
大きさは28㎜前後。
5月~10月ごろ北海道南部から南西諸島に発生する。平地の池や沼などに生息。
羽化したての♀は少し赤っぽい色をしていますが成熟するにしたがい緑色に変わる。
名の由来はアジアに広く分布するのでアジアイトトンボ。

この時の撮影技法(ユーモラスな瞬間を捉える)
お顔をよく見ると、複眼が左右に離れているのでとてもユーモラスでフォトジエニックだ。
観察を続けるとときおり目の掃除をする姿がユーモラスでそこを狙うことにした。
そこで、今回のキーポイントは、三脚不使用時のカメラ安定法です。
小さくて絶えず動き回るので今回は三脚が不向きでした。
そこで手ぶれを起こさぬ様に立て膝の上にカメラを置き安定させます。
こうすることで暫くの間、安定した状態で待ち受ける事が可能になります。
あとはじっと待機してその瞬間を待ち構えるだけです。

カメラ設定
露出設定マニュアル、シャッタースピード1/160秒,絞りF9、ISO400

使用機材
Nikon D300 、VR85mm マクロレンズ

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家