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about

TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

アブラゼミ 無防備のはずが2017.09.24

そのうちアブラゼミの交尾シーンには出会えるだろと、たかをくくって真剣に探さなかった。そのせいなのかはたまた運がなかったのか随分と歳月を要した。白露、東京都東久留米市の南沢湧水群へ、樹液の出ているクヌギを確認に行く。スズメバチ、カナブン、ルリタテハ・・・。特に変わったこともなく、ゆっくりと歩を進めていると仄暗い道の真ん中にアブラゼミが何頭か落ちていた。だが大抵はスズメバチなどに食われて頭なしの胴体空っぽである。それにしても、今日はずいぶん沢山の死骸が転がっているなと思いつつ近づき眺めてみた。  えっ、動いている・・・?!

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
「思いがけない出来事に保険をかける」
全く予期していなかったアブラゼミの交尾シーンに出会えたのです。でも、繋がったまま歩いているアブラゼミの場所は仄暗く、ファインダーを覗くと、1/25sのスローシャッターです。長年思い続けたシーンにやっと出会えたのだから、そりゃ〜冷静では要られません! そう、虫好きの方ならわかると思うけれど、大抵の虫たちは交尾中はとても無防備。多少触ろうが突こうがまず大丈夫なのですが・・・。
でも、経験から下駄を履くまで何が起きるか分かりません。そこで、取り敢えず3枚連射の保険をかけるのです。これで、高鳴る鼓動を押さえ込んだので急ぎ広角レンズに付け替え、ISO感度などをいじっていたら、その時アブラゼミは進行方向の落ち葉に触れ、枯葉がひっくり返った拍子で、ぶったまげ離れてしまったのです。  ジィ〜! ああぁ〜!

撮影地:東久留米市 南沢湧水群

カメラ設定
OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, 絞り値:F5.6、シャッタースピード:1/25秒,ISO感度設定:400、レンズ焦点距離120mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:ピクチャースタイル:Natural,Raw
使用ソフト
PhotoshopCC2017.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材
OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家