YOUCHOOSE

about

TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

赤いホッペ(ソメイヨシノの蕾)2011.03.28

三寒四温に揺さぶられ、一片の花びらが目覚めたようだ。
ソメイヨシノの蕾の大きさは約1センチ、ちょっぴり覗いた花びらは北国の子供のホッペのように赤い。
サクラは散り際が美しいともいわれるが・・・。
春の目覚めのホッペもまたすてがたい趣がある。
さて、ここから季節は一気に蕾を開かせ、赤いホッペから薄紅色、そして白色に近づき桜吹雪へと駆け抜けて行く。
以前、公開した福島の「三春の滝桜」目立った被害もなく、元気とのこと。
こんな時だからこそ今年も出かけてみようかとも思っている。

ソメイヨシノ「染井吉野」
エゾヒガン系とオオヤマザクラとの交配で生まれたサクラの園芸品種。
「吉野桜」と表記することもある。
花弁は5枚。
エゾヒガン系と同様に、葉より早く花が咲く性質と、オオシマザクラの大きな花びらを併せ持った品種で、満開時には大きな花で樹全体を彩る。
名の由来は、江戸末期から明治初期、江戸の染井村「現在の東京都豊島区駒込」の植木屋が品種改良した園芸品種。
当初、奈良県の桜の名所「吉野山」にちなんで「吉野桜(ヤマザクラの意)」として売り出していたが、「吉野桜」では誤解を招くとして、明治33年、東京帝室博物館天産部の職員であった藤野寄命博士が上野公園のサクラを調査し「染井吉野(ソメイヨシノ)」として『日本園芸雑誌』において命名。
ちなみに、全国のソメイヨシノは一本のマザー木から接ぎ木されたクローンであり同じ遺伝子をもつ。

この時の撮影技法(手持ち撮影にてマクロ接写するコツ)
被写体がここまで小さいと、手持ち撮影時には「カメラブレ」や「被写体ブレ」でフォーカスがとても難しくなります。
そこで、チョットしたコツをご覧の写真で説明します。
方法は実にカンタン。
まず、蕾の下5センチ程を左指でつまみ、レンズの先端部分と一緒にホールドします。
すると、揺れていた蕾がレンズの揺れと同調し、ピタリと揺れが収まるという塩梅です。
あとは、ゆっくりとカメラ本体を前後してフォーカスします。
その時、シャッターは霜が降りるように優しく押します。
決して勢い余って強くシャッターを押すのはブレの量産に繋がりますから御法度です。
さて、今回の道具立ては、1センチ程の蕾から覗く花びらを撮影するために、キヤノンの倍率5倍まで撮影できる「65ミリマクロレンズ」をチョイスしました。
このレンズは少し特殊です。
なんとフォーカスは、カメラを前後して行います。最初はまごつきますが、慣れてしまえば小さな被写体には重宝この上なしです。
撮影地:いこいの森公園、西東京市(田無市)「以前は原子核研究所址。東京大学原子核研究所、通称核研(INS)、1955年7月から1997年3月までの43年間にわたり原子核、素粒子、宇宙線の研究所として創設された。
ここで育った研究者は現在、世界各地で活躍している」と刻まれている(要約)。

カメラ設定
絞り値:F/11、シャッタースピード:1/200秒,露出モード:マニュアル、露出補正:−1/2段、ホワイトバランス:オート、測光モード:部分測光、ISO感度設定:200、ピクチャースタイル:ポートレート、焦点距離65mm, マクロリングライトMR-14EXストロボ調光補正:-1, スピードライト580EX調光補正:0

使用機材
Canon 5D MarkⅡ、CANON MP65mmF2.8 !-5x マクロフォト、マクロリングライトMR-14EX(黒色のテープで発行部を覆い縮小して使用),  スピードライト580EX, エツミストロボディフューザーG6、三脚ベンロカーボンネオフレックスC-298m8(580EXのスタンドとして使用)

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家