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about

TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

思案顔のオンブバッタ2010.10.13

秋口、ごく普通に見られる雌のオンブバッタに出会った。
なんだか、他の個体よりも警戒心が少ないようだ。
彼女との距離は2メートル程。
早速、私は総ての動作をスローモーションに切り替え、抜き足差し足で慎重に間合いを詰めた。
そろ~り、と後ろ姿、横顔、そして「面構えは如何に」と正面に回り込み対峙する。
すると、彼女はおもむろに頬杖をつき、「ふ~っ」と深いため息をひとつと吐いた。

オンブバッタ(負飛蝗)バッタ目、オンブバッタ科、オンブバッタ亜科
日本全国に生息。
日当たりの良い平地の草原や半日陰の林縁などでごく普通に見られるバッタの仲間。
成虫は8月から12月頃に見られ、大きさは♂25㎜前後、♀42㎜前後。食草はキク科、シソ科、ダテ科、クズ、など。
ちなみに名前の由来は、和名の通りで小さな♂をオンブしている姿からオンブバッタ。

この時の撮影技法(虫に近づくコツABC)
写真を撮られる事が嫌いな方がいらっしゃるように、昆虫にも写真嫌いがいるようだ。
運悪く警戒心の強い個体を選んでしまったら、近寄ることすら難しく、カメラを向けただけで逃げられてしまいます。
そこで、今回は虫に近づくコツABCです。

1,モデルを選ぶ
同種の虫がたくさんいたら、出来るだけ警戒心の強くない個体を探す。

2,虫に近づく時にはスローモーション。
急な動きは虫を驚かせるので、極力動作はスローモーション。

3,カメラストラップに気を付けよう。
お目当ての虫を見つけて喜び勇んで接近。
でも、だらりと垂れ下がったカメラストラップが、枝葉などに当たって逃げられた、とならないために、だらりと垂れ下がった余分なカメラストラップは手に巻き付けるなどして予防しよう。

上記以外に、服の色(紫外線)、香水(フェロモン)、虫除けスプレーなど、昆虫の種、個体の性格もまちまちで一概にこれが良いとは言えませんが、大抵の場合は上記の3点を注意することにより、かなりの確率で接近可能です。
あとはじっくりと生態を観察して、狙ったシーンを待ち構えましょう。
(※注意:秋口にはスズメバチのコロニーが最大になり神経質です。黒い色の服や香水などは避けた方が懸命です)

カメラ設定
絞り値:F/9、シャッタースピード:1/200秒,露出モード:マニュアル、露出補正:-1/3段、測光モード:スポット測光、ISO感度設定:ISO 800、

使用機材
Nikon D300、AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

POSTED BY:
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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家