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about

TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

クリスマスイブのラブラブ(ヒメコオロギバチの一種)2014.12.29

クリスマスイブ、お寺の境内で盛んに動き回っているヒメコオロギバチの一種がいる。
なぜ動き回っているのか?知りたくて長い時間観察していた。師走だというのにのんきな話ではあるが・・・。
—–どうも、このヒメコオロギバチの一種は同じ場所を何度も訪れては、触覚で小さな穴の入り口の木の根っこをトントントンと叩いているようだ・・・。
するとその合図に答えるように中から♀らしきヒメコオロギバチの一種が顔を見せた。
これだ!とシャッターを切る。

ヒメコオロギバチの一種
体長は10mm未満の黒い蜂で、名前の由来のコオロギを狩る。
狩ったコオロギに麻酔をかけ育房に運び込み卵を産み付け孵った子供(幼虫)の餌とする。クリスマスの頃でも暖かな日当たりのよい日には活動する。

詳しくはこちら
ヒメコオロギバチ – nifty
http://homepage2.nifty.com/higeoyaji/himekoorogi.htm

虫仲間のサイト
虫をさがしに
http://blog.goo.ne.jp/jkio/s/%A5%D2%A5%E1%A5%B3%A5%AA%A5%ED%A5%AE%A5%D0%A5%C1
リンベの閑居記
http://blog.goo.ne.jp/rinbe_20/e/eff5d5993ea109b183595bacd2ff41b5

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
「いつでもシャッターが切れる状態で待つ」
観察を続けながら、いつでもシャッターが切れるようにしておかなければ、ここぞ、という瞬間を撮り逃がしてしまいます。
そのために、これから起こりうるシーンをある程度想定して全てのセッティングを完璧に完了しておかなければなりません。
1)動きが速いシーンになるのか。(シャッタースピード:動きの素早さを見極める)
2)被写界深度はどのくらい必要か。(絞り:被写体の大きさを考慮して絞りを決める)
3)ストロボは必要か。(ISO感度:薄暗いか、雲の動きが速いか、なのどの環境光の変化を把握する)
4)被写体までの距離。(ピント:瞬時にピント合わせを行わなければならないのでターゲットまでの距離感を把握する)
などなど、あらかじめ想定してセッティングを行うのです。自然相手では、おうおうに予想し得ない場面に遭遇するやもしれませんが、たいていの場合はこの四つで対応出来るはずです。
動きが素早くピント合わせが難しい小さな被写体であり、なかなか思い描いたシーンに巡り会えません(運もあるが)。
ただただ、辛抱強く観察をつづけなければならず撮影難易度☆☆☆とした。

カメラ設定
絞り値:F/13、シャッタースピード:1/125秒,ISO感度設定:400、焦点距離120mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw

使用ソフト
Raw現像ソフト: SILKYPIX DEVELOPER STUDIO PRO 6、最終調整PhotoshopCS6使用

使用機材

OLYMPUS OM-D E-M5、OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro、OLYMPUS FLASH FL-300R 1灯使用

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

越冬準備に入ったコガタスズメバチ新女王2014.12.01

ぶるっとくるほど朝夕の冷え込みが厳しくなって来た。
そろそろか?と近くの東京大学演習林へ散歩ついでに新発売されたばかりの「CanonEOS7DMarkII」の試し撮りをかね出掛けた。

—–薄暗い森の中の倒木に目をこらすと、カワラタケが生えており近くに真新しい木屑を発見!
嬉しさで鼓動が高鳴るけれど、とりあえず冷静さを装いつつ木屑の先の穴にライトを当てる・・・。

やっぱり居ました!
一心不乱に穴を掘り進めている新女王様を見つけた。
お顔が拝見したくて粘る事20分程・・・。やっと出ていらして「キッ」と睨まれましたけれどこの時期の新女王様はおしとやかでございますので、パパラッチのごとくひるむ事なく激写いたしました。
頭楯(とうじゅん)を確認すると下の突起は3つ、越冬の準備に入ったコガタスズメバチの新女王様に間違いありません。

ちょっと前までは数千匹で賑わっていたコロニーも今は崩壊。元女王や働き蜂(♀)、♂蜂はもうこの世にはいません(注:ネジレバネに寄生された蜂以外は)。
写真はまさに掘り始めたシーンに運良く出会えた瞬間です。
来年の4月頃まで越冬する為に、新女王様おひとりで穴を堀り、その掘り出した木屑で入り口に蓋をして越冬に入るのです。
—–新女王様が無事に春を迎えられる事を祈りつつ、この場をあとにする。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
「越冬のスズメバチを見つけ出す方法」
1)北側の薄暗く寒暖差の少ない場所にある倒木を探す。
2)倒木に生えるキノコを見つける。キノコの生えた倒木は分解が進み、木の繊維が柔らかくなっているので穴掘りが易しくなる。
3)木屑を探す。真新しい木屑なら進行中。蓋をしたようになっていれば越冬中。
このような条件に当てはまれば鼓動が高鳴る事になるのです。
撮影地:コガタスズメバチ新女王/東京大学演習林にて2014年11月27日撮影 

7DMarkIIのこぼれ話
何年経ったのだろうか、CANONのAPS-Cのカメラは40Dで止めていた。
理由は高感度がいまひとつであったのと、ファインダーがフルサイズに比べて小さく、極小の虫が見づらいのが一因でもあった。
しかしながら、虫などを撮るにはフルサイズよりもAPS-Cの方がある程度被写界深度(小さなセンサーはピントが深い)もかせげ、接写率やワーキングディスタンスが長くとれ照明が易しくなるので、高感度に少しでも強い機種が登場すれば即買いをする腹づもりであった。
そこへ、「ほれBGもおまけだよ〜ん」とCanon EOS7DMarkIIが登場したわけである。
お腹をすかしていただけにガブリと食いついた図である。Canonさん商売上手です。
買ったは良いが、このところ仕事が忙しくなかなか試せなかったけれどやっと試し撮りが出来たので、その感想を述べると・・・。
シャッター音(静かでまろやか○)
連写(マシンガンの様な・・・○)
高感度(とりあえず満足のいく進化iso1600まで○)
AFの食いつき(おおむね満足○)
発色(少し派手すぎる色味が今イチ好きになれない×)
バッテリー(5DMarkIIと共有○)
もっと使い込んで行けば隠れていたポテンシャルを引き出せるのではないかと思える程の進化をとげているようだ。
(なにしろ古い40Dが未だに現役なのですから。笑い)

カメラ設定
Canon EOS7DMarkII, 絞り値:F9.0、シャッタースピード:1/200秒,ISO感度設定:800、レンズ焦点距離150mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw

使用ソフト
PhotoshopCS6使用(Rawデータ現像)

使用機材

Canon EOS7DMarkII, EF100mm f/2.8 Macro USM、マクロリングライトMR-14EX

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家