YOUCHOOSE

about

TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

一瞬、ルリボシヤンマと目があう!?2016.08.26

処暑、福島県のデコ平湿原へ向かった。
ゴンドラ駅山頂に降り立つ、空は青く心地よい涼風がそよいでいる。
逸る気持ちで改札を抜けると、眼前にヨツバヒヨドリの群生が広がっていて、そこには当たり前のようにアサギマダラが乱舞しているのだ。
飽きるほどアサギマダラを撮影し、興奮を鎮めつつ湿地帯の方に下る。そこには、木道がありエゾリンドウなどの花々にレンズを向けつつゆっくりと移動。

—-突如、木道上で寒冷な気候を好む、ルリボシヤンマと鉢合わせしたのです。
私は瞬時に歩みを止め、じっくりと観察を始める。体近くをすり抜けるその時、複眼が鮮やかな青緑色であることを確認。どうやら成熟した♂で、♀を探してのパトロール中のようである。

周りはとても静かです。
シャッター音に反応したか、一瞬だけルリボシヤンマと目があった。・・・ように感じられたのだが。
トンボでも目があうと、ドキッと摩訶不思議な感覚に捕らわれます。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
「トンボの美しい飛翔シーンを前方から狙う」
素早く不規則に動く被写体を、前方から焦点距離200㎜、絞りF4.5(ほぼ解放で背景を綺麗にぼかしルリボシヤンマだけにピントを合わせる)で狙うには、まぐれの要素を含むピント合わせが求められる。毎度の事ながら水平移動ならば簡単なのだが・・・。「目があってドキッとした」思いを画に収めたくて、あえて正面からのアングルに挑戦。
さて、どうするか? 観察を続けた結果、このルリボシヤンマほんの一瞬だけホバリングをおこなう瞬間があるのに気付き、その一瞬のチャンスを狙うこととした。さらに、トンボ独特の翅の形状をしっかりと綺麗に見せたいがために、翅のブレを嫌いシャッタースピードは高速の1/1000sに設定。

撮影地:福島県デコ平湿原

カメラ設定
Nikon D810, 絞り値:F4.5、シャッタースピード:1/1000秒,ISO感度設定:200、レンズ焦点距離200mm、露出モード:マニュアル、フォーカスモード:MF、露出補正:+0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw。

使用ソフト
PhotoshopCC2015.5使用(Rawデータ現像+トリミング)

使用機材

Nikon D810, AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家