YOUCHOOSE

about

TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

カイツブリの交尾2012 / 03 / 06

柔らかな光の中で、カイツブリのカップルが巣作りに励んでいた。
レンズを向けると大勢の野次馬が蟻のように集まって来た。土曜日なのだから仕方あるまいが、数人のカメラマン達はこのアリ達に嫌気してこの場を立ち去ったのだが・・・、その判断は後で後悔する事になる。

カイツブリ(カイツブリ目、カイツブリ科、カイツブリ属)
全長は約26cm。
翼開長約45cm。日本のカイツブリ科のなかでは一番小さく、翼は短く飛ぶことは不得意である。
全国の湖沼・池・堤に分布する留鳥で湖沼が凍る地方は短い渡りをする。繁殖時には、水面に浮き巣をつくる。
雌雄とも不釣り合いでデカイ若草色のアンヨの持ち主で、歩くのには適さないが水の中では櫂のように巧みに使い潜水する。「カイツブリ」の名の由来は、水を「掻いて潜る」や、潜る水音が転じて「つぶり」だとの説がある。写真の交尾シーンは、雌雄逆位置の交尾行動や擬似交尾があるらしい。したがって、上が♂とは限らない不思議な生態の鳥でもある。下の写真は交尾後の見つめ合うシーン。

この時の撮影技法(絞ったら高価なレンズに化ける)
このAF-S NIKKOR VR 70〜300 1:4.5-5.6G EDレンズは開放辺りではあまり解像感が良くありません(ぼんやりとした画)。高価なレンズならば開放絞りでもキリリと奇麗に解像しますが、大きく、重く、常時携帯するには不向きです。撮影対象物が明確に決まっていない場合、小さく、軽いこのレンズをリュックの片隅に放り込んでいます。そこで、解像感の悪さは「絞りを絞り込む事」により補います。
コツは2絞りほど絞り込むこと。同じ絞り値ならば高価なレンズに匹敵する程の解像感が、ほどほどに得られるということになります。販売されているレンズのほとんどは、2絞り程絞り込むことで最高の描写をするように設計されています。勿論、煮ても焼いても食えぬレンズも存在しますが・・・。
開放絞りの描写力は価格差が明確に現れますが、開放絞りで撮影しなければ、絞り込むことで安価なレンズでもほどほどに事足りるというわけです。持参していなければ宝の持ち腐れ、この画も撮れなかったのですから。

カメラ設定
絞り値:F/11、シャッタースピード:1/250秒,ISO感度設定:400、露出モード:マニュアル、露出補正:なし、ホワイトバランス:オート、測光モード:平均測光、ピクチャースタイル:スタンダード、焦点距離300mm

使用ソフト
Raw現像ソフト:Lightroom3、最終調整PhotoshopCS5使用

使用機材

Nikon D90、AF-S NIKKOR VR 70〜300 1:4.5-5.6G ED

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

このページのトラックバックURL

トラックバック一覧

このページへのコメント一覧

コメントを投稿

(初めて投稿される方のコメントは管理者の承認が必要となります。ご了承ください。)