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about

TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

スカイツリーとスーパームーン2018.01.09

1月2日は連れと「浅草演芸ホール」へ。アゴがおかしくなりかけた18:30分あたりで寄席を出て、すぐ斜め前の「まるごとにっぽん」へ夕食に行く。正月なのに野党の身では仕方あるまい、イタメシとワインでお腹をなだめ何気なく火照った身体を覚そうと4Fのテラスに出た。ふと、浅草寺の方角に目をやると低い位置に大きな赤い月が・・・。 
アッ!

1月2日は「スーパームーン」

小さなバックにはE-M1 Mark IIに万能レンズの12-100mm F4.0 IS PROが付いている。直ぐに押上を目指す。狙いはスカイツリーの天辺にちょこんと乗ったスーパームーン。幸い、連れも撮影に目覚めたみたいで嫌がらずに積極的について来てくれるのでありがたい。
「私の方がセンスあるんじゃない?」
とかるいツッコミを受け流しつつ、絶景ポイントにエスコートするのです。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆)」
狙いを明確にする
狙いの場所を探し当てるのが、今回最大のポイントのひとつでもあるが、ここには何回も通っているので大体の撮影ポイント、すなわち景色が想像できるので難なくクリア。1月2日のイルミネーションのカラーは縁起の良い「幟:のぼり」、3色が3日のローテーションで変わるので何時撮ったか大体予想出来るのです。それと、ちょっとした意外なヒントをひとつお教えいたします。それは出来るだけスカイツリーの天辺と月が接触するぐらいで撮影する事、後でズルしたんじゃない?なんて疑われたりしませんね。笑 
手持ちでISO感度1250まで上げ難なく一発撮影。

豆知識
1)当然、これだけスカイツリーに近づくと月はとても小さく写り、スカイツリーにピントを合わせると月は当然ボケますが、絞りを絞ることにより月の”光条(光芒)”が美しくなります。
2)反対に、スカイツリーから20〜40キロほど離れると望遠レンズの圧縮効果で月を大きく写せ、ある程度両方にピントがきます。
3)予想以上に月の動きは早いので、狙った位置に月を配置するには、多少の前後左右に動けるスペースが必要です。

撮影地:東京都墨田区押上 撮影時間21:32:30

カメラ設定
OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, 絞り値:F7.1、シャッタースピード:1/10秒,ISO感度設定:1250、レンズ焦点距離23mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:Natural,Raw

使用ソフト
PhotoshopCC19.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

ゆか紅葉(ISO感度25600の世界)2017.12.03

仕事で大阪に向かっていたが、ピークの紅葉を撮りたくて京都で途中下車した。
京都駅からバスに揺られ、南禅寺を目指していると車窓にポツリポツリと小雨、これも一興。薄暮のころ南禅寺に到着、観光客も少なめで一時境内をブラブラ。
—–流石にありきたりの紅葉写真に飽きてきたころ、南禅院の入り口に立って居た。感応に導かれ、拝観料を支払い門をくぐると、不図「ゆか紅葉」が目に飛び込んできた。
まさに、幽玄閑寂。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
画素数4575万画でありながら、高感度にめっぽう強い最新のNikonD850。
レンズは70-200mmf/4.0VR、光のとぼしい時間帯ゆえ、ISO感度を常用感度域の25600まで上げる。
ゆか紅葉を強調するために、つま先立、頭上に掲げてチルト式モニターで構図を確認しつつ、至極不安定な撮影スタイルを強いられながらのレリーズ(三脚はご法度)。今までの常識では撮影を躊躇してしまう条件下ながら、吐き出される画にはカメラブレほとんど無しである。撮影難易度は鼻歌交じりの星1つ。
すごいぞNikon!

撮影地:京都「南禅寺の南禅院にて」

カメラ設定
NikonD850, 絞り値:F7.1、シャッタースピード:1/100秒,ISO感度設定:25600、レンズ焦点距離110mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ピクチャーコントロール:A オート、14bitRaw
使用ソフト
PhotoshopCC19.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

NikonD850、70-200mmf/4.0VR

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

アブラゼミ 無防備のはずが2017.09.24

そのうちアブラゼミの交尾シーンには出会えるだろと、たかをくくって真剣に探さなかった。そのせいなのかはたまた運がなかったのか随分と歳月を要した。白露、東京都東久留米市の南沢湧水群へ、樹液の出ているクヌギを確認に行く。スズメバチ、カナブン、ルリタテハ・・・。特に変わったこともなく、ゆっくりと歩を進めていると仄暗い道の真ん中にアブラゼミが何頭か落ちていた。だが大抵はスズメバチなどに食われて頭なしの胴体空っぽである。それにしても、今日はずいぶん沢山の死骸が転がっているなと思いつつ近づき眺めてみた。  えっ、動いている・・・?!

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
「思いがけない出来事に保険をかける」
全く予期していなかったアブラゼミの交尾シーンに出会えたのです。でも、繋がったまま歩いているアブラゼミの場所は仄暗く、ファインダーを覗くと、1/25sのスローシャッターです。長年思い続けたシーンにやっと出会えたのだから、そりゃ〜冷静では要られません! そう、虫好きの方ならわかると思うけれど、大抵の虫たちは交尾中はとても無防備。多少触ろうが突こうがまず大丈夫なのですが・・・。
でも、経験から下駄を履くまで何が起きるか分かりません。そこで、取り敢えず3枚連射の保険をかけるのです。これで、高鳴る鼓動を押さえ込んだので急ぎ広角レンズに付け替え、ISO感度などをいじっていたら、その時アブラゼミは進行方向の落ち葉に触れ、枯葉がひっくり返った拍子で、ぶったまげ離れてしまったのです。  ジィ〜! ああぁ〜!

撮影地:東久留米市 南沢湧水群

カメラ設定
OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, 絞り値:F5.6、シャッタースピード:1/25秒,ISO感度設定:400、レンズ焦点距離120mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:ピクチャースタイル:Natural,Raw
使用ソフト
PhotoshopCC2017.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材
OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

ハスの花に止まったカワセミ2017.08.14

キュウリの馬、ナスの牛・・・
2005年、カワセミにどっぷり嵌ってしまった。撮影は一見簡単そうでこれがなかなか難しい。ああでもないこうでもないと通い続け、コツをある程度つかめかけた頃、知り合いから「こんな写真が撮れる場所もあるよ」、とハスの花に止まった写真を見せられた。それは、まるで仏画のようで釘付けにされてしまった。だがその撮影場所、くちばしが黄色い駆け出し者にはなかなか教えてもらえないのである。まるで、餌を目の前に「待て!」である。鼻息荒いのだから、後は推して知るべし。

余談
この年、女性編集者と車の中で鳥の話になり、「私はまだ駆け出しですから・・・」と話すと、クスッと笑われ『いいですね、その世界では西村さんは駆け出しなのですね」。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
花の終わりまで通い続けたのだが、いやはや一筋縄ではいかないのである。カメラマンがうじゃうじゃいるので場所確保が難しい。そしてマナーの悪い御仁が肝心な場面でカメラの前に出て撮影の邪魔をする、隣では怒鳴り合いが始まる、終いには、おばさんの「何撮ってるんですか?」などなど、嫌になるほど色々と起こります。そんな雑音にも負けないタフさが必要なので、撮影難易度「星☆☆☆」です。
主役を引き立てる、美しいハスの花が見えるアングルに三脚をセット。シャッターチャンスをひたすら待ち受け、カワセミが首を前に突き出した瞬間を狙って撮影しました。この画は2006年に撮影、残念ながら菊名池では今は見られないかな?

撮影地
神奈川県横浜市港北区菊名 菊名池

カメラ設定
NIKON D2X, レンズ:Nikon ED NIKKOR 500mm 1:4P、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw、

使用ソフト
PhotoshopCC2017.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材
NIKON D2X、Nikon ED NIKKOR 500mm 1:4P、三脚:SLIK GRAND PRO CF-3 SP、雲台:SLIK TELE BAALANCE 6

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

ヒトスジシマカ2017.07.14

温風至る7月
吹き出す汗、左手にタオル、右手にはカメラ。倒木で狩バチを観察していた。——案の定「プ〜〜ン」虫好きでもメスの蚊ほど嫌な存在は無い。叩き潰そうと羽音を辿ると、なんだか様子が・・・? 
——程なくして苔の上に止まったけれど、チョット小さすぎて何が何だか良くわからない。急ぎマクロレンズで覗くとヒトスジシマカの交尾が確認出来た。駆除対象の蚊などにレンズを向けることなどないれど、命のバトンを目の当たりにして、ふと蚊の存在意義を考えてしまったのです。

ヒトスジシマカ(蚊の起源は約1億5000万年頃のジュラ紀)
一般にはヤブ蚊と呼ばれ、国内での成虫の出現期は概ね5月〜11月、年に7〜8世代を繰り返す。デング熱などの伝染病を媒介する。2014年、東京都心の代々木公園で大騒ぎになったのは記憶に新しい。
驚くことに、危険生物による死亡者数ランキングではダントツの1位で、世界では年間725.000人程が亡くなっている。体長は約4.5mm。蚊のエネルギー源は糖分でオスもメスも主に樹液や花の蜜を餌とするが、メスだけが繁殖期に多くの栄養を必要とし吸血する。オスは交尾目的で、メスが吸血に現れる人体に共に飛来するが、血を吸うことはない。意外な事に気温35℃を越えると涼しい所に潜み、活動を休止してしまう。

蚊の存在意義とは?
植物のポリネーター。カカオの花は小さく、蚊の一種ヌカカ(糠粒ほどの小さな蚊)が撲滅すると世界からチョコレートが消える。
ボウフラは水中の有機物を分解し、バクテリアなどを食べてくれる。
成虫は、他生物の蛙、魚、鳥たちの餌になる事などで食物連鎖の一翼を担っている。

参考文献
もしこの世から「蚊」がいなくなったら?
http://gigazine.net/news/20141001-world-without-mosquitoes/

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆)」
「小さな変様に反応する」
冒頭で述べたように「なにか様子がおかしい」と感じ、マクロレンズで撮影確認すると、滅多に見れない交尾中でした。まだ一例しか確認できていないので滅多な事は言えませんが、色々な目撃情報を調べると空中交尾をすると記されていたりします。しかしこの時は苔の上に着地。雌雄はオスが下でメスが上です。カメラブレに強いオリンパスですが、とても小さな被写体なのでカメラブレには細心の注意が必要です。
撮影地
東京都西東京市 東大演習林

カメラ設定
OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, 絞り値:F8.0、シャッタースピード:1/250秒,ISO感度設定:1250、レンズ焦点距離120mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:Natural,Raw

使用ソフト
PhotoshopCC2017.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材
OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家