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about

TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

千本鳥居2018.11.12

名古屋の仕事を終わらせ、京都に着いたのは薄暮の頃。ホテルにチェックインして夜の伏見稲荷大社に向かった。まだ、小春日和で紅葉にはちょっと早すぎたか、それならば、闇に朱色が浮かび上がる千本鳥居を狙うことにした。秋の虫たちが奏でる(フィリリリリリ)音色を聴きながら・・・。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
昼間の喧騒が嘘みたいに夜の参拝者はちらほら、撮影には好都合です。闇に浮かび上がる、鮮やかな朱色を強調するために、ホワイトバランスを色温度デイライトの5400Kに設定。手前の二股に分かれている鳥居の入り口が暗く沈んでいたので、携帯のライトを点灯させ左手で頭上から照射し鳥居の前面を気持ち明るく持ち上げる。右手でカメラをホールド、静音シャッターで虫の鳴き声を邪魔しないように・・・。

撮影地:京都府京都市伏見区深草藪之内町68 (伏見稲荷大社の千本鳥居夜景)

カメラ設定
絞り値:F4.0、シャッタースピード:1.0秒,ISO感度設定:1250、レンズ焦点距離20mm、35mm換算40mm、露出モード:マニュアル、露出補正:−1、ホワイトバランス:5400K

使用ソフト
PhotoshopCC2019.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO、iPhoneのアプリ携帯電灯ON

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

台風の置き土産(ソメイヨシノ桜の狂い咲き)2018.10.23

東京都目黒区の目黒川は桜の名所として知られているが、赤とんぼが里に帰る頃、ソメイヨシノが狂い咲きしました。驚く事に、その原因は葉っぱにあるそうです。

ソメイヨシノの花芽はご存知の通り夏の間にできるのですが、夏至を過ぎて日の長さが短くなるとその事を葉が感知し、然るべき時に休眠ホルモンのスイッチが入り、花芽を硬くして冬の寒さに耐えられるようにするそうです。ところが、大型台風24号の塩害(目黒川は海から直線で約6キロ)と強風で葉がほとんど落ちてしまった結果、葉から休眠ホルモン(眠りなさい)を送り出せなくなったのです。葉を失い、日の長さを感知出来なくなって、♪ねんねんころりよ「江戸の子守唄」が聴こえなくなりました。そこに、10月の寒暖差を春だと勘違いし、この子はパッと咲いてしまったのです。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆)」
目黒川がある程度わかるアングルと、葉が落ちた状況をいかに画にするか、そのことを考えて最適な場所のフライング花を見つけました。狙の主役をいかに引き立てるかを考え、構図をまとめます。背景の川がキラキラ反射している白い部分を右端にとり入れつつ花がとけ込むのを避け、影で暗く落ちた場所に花が入るように画面構成する。さらに、主役の花が白飛びしないようにアンダー露光−1.3に設定。
「♪ねんねんころりよ おころりよ ぼうやはよい子だ ねんねしな」。江戸時代末期、染井村の植木屋もソメイヨシノの桜の下で、孫に「江戸の子守唄」を歌って聞かせていただろうか?

撮影地:東京都目黒区青葉台1丁目付近(海から約6キロ)目黒川のソメイヨシノ

カメラ設定
絞り値:F4.0、シャッタースピード:1/200秒,ISO感度設定:400、レンズ焦点距離210mm、35mm換算421mm、露出モード:マニュアル、露出補正:−1.3、ホワイトバランス:自動

使用ソフト
PhotoshopCC2018.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.40-150mm F2.8 + MC-14

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

ヤマボウシとオムツ虫ほか2018.10.16

ヤマボウシの果実を口に含むと、マンゴーの様な、ほんのりとした甘さがあり意外と美味しいのです。
この甘さに引き寄せられて虫たちも当然やって来ます。特に多いのがアカスジキンカメムシの幼虫たちである。石神井公園あたりの子供達の間では、この幼虫は別名「パンツ虫」と呼ばれているが、ジジイの私なら幼虫だけに「オムツ虫」と名付けたい。そう、孫の可愛いオムツ姿がシンクロ!
                                               
数日、観察を続けるとルリタテハ、キアシナガバチなど数種が訪れた。流石に大好きなハチの姿が視界の入ると、慌てふためき、果肉でベトベトになった指にてシャッターボタンを押す羽目になるのである。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆)」
各ショットの狙いどころは下記の通りである

写真下:アカスジキンカメムシ(別名:オムツ虫)は台風24号の前で、葉っぱも果実も美しい。幼虫の特徴であるオムツを如何に見せるか、その一点に注視。
 
写真右上:台風一過後、ルリタテハが穴の空いた果実に口吻を差し入れ長い時間吸っていた。木漏れ日が瑠璃色を美しい浮かび上がらせる瞬間を狙う。
 
写真左上:頑丈なアゴで果肉に齧り付き汁を吸っています。キアシナガバチのフォルムと、赤い実との配色の妙に、ウットリ!
 
撮影地:東京都西東京市緑町3丁目 いこいの森公園

カメラ設定
写真下: 絞り値:F5.0、シャッタースピード:1/250秒,ISO感度設定:800、レンズ焦点距離150mm、35mm換算300mm、露出モード:マニュアル、露出補正:-0.3、ホワイトバランス:自動
 
写真右上と写真左上:絞り値:F7.1、シャッタースピード:1/400秒,ISO感度設定:1250、レンズ焦点距離150mm、35mm換算300mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:自動
 
使用ソフト
PhotoshopCC2018.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.40-150mm F2.8

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

睡蓮の受粉戦略2018.07.02

睡蓮、雌性先熟で3日ほど咲くけれど虫媒花ゆえの受粉戦略が見事である。

1)1日目
朝湯の開店時間です。花びらの真ん中の湯船(花の中心に、かすかに甘い柱頭液が湧き出てきた)に小さな虫たち(黒い点)が我先に飛び込む。めしべのみ花粉を出し自家受粉を防ぎ他家受粉へ。

2)2日目
めしべをおしべが覆うように包み込み、おしべが花粉を出し始める。と、セイヨウミツバチが盛んに訪花し、潜ったり泳いだりしながら花粉朝風呂入浴を楽しんでいるようです。数軒の湯めぐりで受粉完了。ア〜ッ!いい湯だ。

3)2〜3日目
コーヒー牛乳(蜜)を腰に手を当てて飲み、風呂桶(花粉カゴ)に花粉を満載して銭湯を後にする。3の左下の蕾、受粉が終わったら銭湯閉店。沈水した蕾は種が熟すと水中で弾け、水面に漂い移動、然るべき場所でふたたび水底に沈み発芽します。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
「便利なダイヤルモードを活用せよ」
プロキャプチャーはとても便利な機能でシャッターボタン半押しで、飛び立つ前から飛び立つまでのタイムラグを防いで、遡って最高18枚(プロキャプチャーモードHなら最高60枚)記録してくれるのだ。ただし、後で画像のセレクトが大変なので、必要な時だけ素早く設定できるようにC1に登録しC2には単写を登録。これでモードダイヤルをC1かC2に回すだけで素早く設定出来るのです。

撮影地:東京都杉並区善福寺2〜3 善福寺公園(下の池)

カメラ設定
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, 絞り値:F8.0、シャッタースピード:1/2000秒,ISO感度設定:800、レンズ焦点距離150mm×1.4、35mm換算420mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:Natural,Raw、C1設定(2,3)はISO800、WB Auto、プロキャプチャーモードL。C2設定(1)は単写。

使用ソフト
PhotoshopCC2018.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO 1.4xテレコンバーター

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

樹液を飲むエントツドロバチ2018.06.29

前泊で三重県津市に来ていたが、まだ日が高いのでホテルから徒歩10分ほどの三重津偕楽公園へ虫探しに向った。
早速、樹液の出ているコナラを見つけ張り付く。まず見つけたのはエントツドロバチ。このハチは巣材の泥採取が目的ではなく、甘い樹液を飲んでいた。狩バチであるエントツドロバチ、以前はオオカバフスジドロバチと呼ばれていましたが、最近ではエントツドロバチが一般的です。名前の由来は、煙突状の巣の入り口を作る事からエントツドロバチ。日本ではまだオスは採集されたことがないそうで、メスによる単為生殖個体群と考えられているとか。

この時の撮影技法
「撮影難易度3星表記(☆)」
被写界深度ありきのISO感度3200
樹液の出ていたコナラは仄暗い斜面の場所にあり、Micro 60mmである程度の被写界深度を求めると、絞りは最低f8ほど必要と考えISO感度3200に決定。被写体はそれほど動きが無いので、シャッタースピードは1/40sで構わないけれどカメラぶれに注意。ひとつの対策として、カメラを持つ方の肘を地面やコナラに置き身体の前後左右の揺れを極力安定させる事がポイントです。

撮影地:三重県津市広明町147−1 三重津偕楽公園

カメラ設定
NikonD850, 絞り値:F8、シャッタースピード:1/40秒,ISO感度設定:3200、レンズ焦点距離:60mm、露出モード:マニュアル、露出補正:−0.3、ピクチャーコントロール:A オート、14bitRaw

使用ソフト
PhotoshopCC19.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

NikonD850、AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

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