- TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
- 1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。
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カツオドリ2020.12.28
日本では珍しいカツオドリの採餌シーンが見られる鹿児島市の谷山港周辺。
12羽程のカツオドリが、羽を畳みロケットの様にドボッと飛び込みサッパ(カタボシイワシ20㎝程)を捕らえていた。
この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
「サッパを咥えたシーンは一瞬」
撮影は夕刻、レンズ420㎜相当、ISO感度1600、絞F5、シャッタースピード2500に設定し連写をかける。海中に飛び込んで浮き上がると同時に、サッパを飲み込むのでシャッターチャンスは一瞬です。悩ましいのは、何処に浮きるか分からないので飛び込んだ角度で大体の目星をつけます。それにしても、こんなすごいシーンが見られるのに、この日のフォトグラファーは私一人だけで、釣り人多数。
釣り人との会話
「昨日、活き餌のサッパにカツオドリが掛かってしもてな、間違って釣り上げてしもいました、がっつい可哀想な事をしもんしたが、顔をタオルで覆って針を外して逃してやいもした」。
良いお年を
撮影地:撮影地:鹿児島県鹿児島市七ツ島1丁目6(魔猿城近くの河口あたり)
カメラ設定
絞り値:F5.0、シャッタースピード:1/2500秒,ISO感度設定:1600、レンズ焦点距離210mm、35mm換算421mm、露出モード:絞り優先オート、露出補正:-0.30、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:ビビット、Raw。
使用ソフト
PhotoshopCC21.2.3(Rawデータ現像)
使用機材
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.40-150mm F2.8 IS PRO + MC-14
POSTED BY:
TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家
雨上がりのコオニヤンマ2020.06.30
雨上がり、古代ハス(大賀蓮)の花托にコオニヤンマ(♂)。
フォルムと彩に魅入られ時が止まる。
この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
「標準レンズの自然感」
35㎜換算62㎜ならば標準レンズと言えます。この画角なら自分が見ている範囲と同じくらいなので違和感がありません。反面、広角レンズの誇張、望遠レンズの圧縮効果も得られないので使いこなすには、ちょっくら難しいレンズと言えます。そこで、標準レンズを使いこなすには、絞りと画角を瞬時に判断し、撮りたい範囲までフットワーク良く足を使わなければなりません。
撮影地:撮影地:東京都神代植物園
カメラ設定
絞り値:F4.0、シャッタースピード:1/6400秒,ISO感度設定:400、レンズ焦点距離31.0mm、35mm換算62.0mm、露出モード:絞り優先オート、露出補正:±0.3、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:ビビット、Raw。
使用ソフト
PhotoshopCC21.2.0(Rawデータ現像)
使用機材
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
POSTED BY:
TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家
初恋の味2020.05.29
小満
そよと吹く風にゆられて、若者風のヒメトガリハナバチが青紫色の唇型マツバウンランに口付け・・・。
中原中也 初夏より
扇子と香水――
君、新聞紙を絹風呂敷には包みましたか
夕の月に風が泳ぎます
アメリカの国旗とソーダ水とが
恋し始める頃ですね
松葉海蘭(マツバウンラン属)、1941年京都にて初めて採取された北アメリカ原産帰化植物。
花径は1センチ程
この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆)」
「風を読む=ゆれの対処法」
そよ吹く風には撮影ポジションと、被写体ブレのシャッター速度見極めが肝です。前後左右の風ならば撮影難度が上がりますが、左右ならば被写体に対し、水平の位置に陣取ればピンズレは少なくなる道理です。被写体ブレは使用レンズの長さも合わせてカメラブレも考慮する必要があります。ゴルフのパターに例えると、近ければ目を瞑っても入るけれど、長いパットは少し角度が狂うと大きく外れます。今回は35mm換算351.0mmですのでカメラブレが当然大きくなります。しかし、このカメラは手ぶれ補正が秀でているけれど、被写体ブレも考慮してシャッタースピード1/1250秒に設定しました。
撮影地:東京都練馬区石神井台1丁目15−6 三寳寺境内
カメラ設定
絞り値:F11.0、シャッタースピード:1/1250秒,ISO感度設定:800、レンズ焦点距離175mm、35mm換算351.0mm、露出モード:絞り優先オート、露出補正:+0.3、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:ビビット、Raw。
使用ソフト
PhotoshopCC2020使用(Rawデータ現像)
使用機材
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.40-150mm F2.8 IS PRO + MC-14
POSTED BY:
TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家
ヒメコオロギバチの狩2020.04.30
気温も上がってきた、もしかしたら出会えるのでは・・・、幸運にも10分間ほどでこの場面に遭遇。
小石の下に隠れているタンボオカメコオロギの幼虫を狩り、触覚を咥え運んでいるシーンです。
この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
「近接・望遠レンズで狙う」
ヒメコオロギバチの狩のシーンは4月〜5月頃よく見られる。この個体は7㎜ほどで、まあよくチョロチョロ動きまわります。そこで、35ミリ換算420㎜をチョイスし連写モードで待機。当然、近接で狙うには画角が狭く、ターゲットを瞬時にファインダーで把え、且つフォーカス合わせはすごく難しいのです。
それに加えて、動体視力が衰えちまった爺には獲物を咥えているのか、いないのか良く分からんのです、が見慣れてしまえばなんとなく動き、気配で獲物を持っているかが分かるようになってきます。
撮影地:東京都練馬区石神井台1丁目15−6 三寳寺境内
カメラ設定
絞り値:F11.0、シャッタースピード:1/1250秒,ISO感度設定:800、レンズ焦点距離300mm、35mm換算420.0mm、露出モード:絞り優先オート、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:ビビット、Raw。
使用ソフト
PhotoshopCC2020使用(Rawデータ現像)トリミングあり
使用機材
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.40-150mm F2.8 IS PRO + MC-14
POSTED BY:
TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家
雪中のヒヨドリ2020.03.31
満開の桜に、季節外れの重たい雪が降っていた。私は自宅前の、人っ子ひとりいない雪景色の公園にてヒヨドリを見つめていた。その小さな背中と尾には、舞い散る雪と桜の花びらを粋にちりばめ、ずぶ濡れ頭で蜜を舐めている・・・。
撮影地:東京都西東京市 自宅前の公園にて
カメラ設定
絞り値:F4.0、シャッタースピード:1/320秒,ISO感度設定:800、レンズ焦点距離100mm、35mm換算200mm、露出モード:絞り優先オート、露出補正:+1、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:ビビット、Raw。
使用機材
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.12-100mm F4.0 IS PRO
POSTED BY:
TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家