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TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

ヒトスジシマカ2017 / 07 / 14

温風至る7月
吹き出す汗、左手にタオル、右手にはカメラ。倒木で狩バチを観察していた。——案の定「プ〜〜ン」虫好きでもメスの蚊ほど嫌な存在は無い。叩き潰そうと羽音を辿ると、なんだか様子が・・・? 
——程なくして苔の上に止まったけれど、チョット小さすぎて何が何だか良くわからない。急ぎマクロレンズで覗くとヒトスジシマカの交尾が確認出来た。駆除対象の蚊などにレンズを向けることなどないれど、命のバトンを目の当たりにして、ふと蚊の存在意義を考えてしまったのです。

ヒトスジシマカ(蚊の起源は約1億5000万年頃のジュラ紀)
一般にはヤブ蚊と呼ばれ、国内での成虫の出現期は概ね5月〜11月、年に7〜8世代を繰り返す。デング熱などの伝染病を媒介する。2014年、東京都心の代々木公園で大騒ぎになったのは記憶に新しい。
驚くことに、危険生物による死亡者数ランキングではダントツの1位で、世界では年間725.000人程が亡くなっている。体長は約4.5mm。蚊のエネルギー源は糖分でオスもメスも主に樹液や花の蜜を餌とするが、メスだけが繁殖期に多くの栄養を必要とし吸血する。オスは交尾目的で、メスが吸血に現れる人体に共に飛来するが、血を吸うことはない。意外な事に気温35℃を越えると涼しい所に潜み、活動を休止してしまう。

蚊の存在意義とは?
植物のポリネーター。カカオの花は小さく、蚊の一種ヌカカ(糠粒ほどの小さな蚊)が撲滅すると世界からチョコレートが消える。
ボウフラは水中の有機物を分解し、バクテリアなどを食べてくれる。
成虫は、他生物の蛙、魚、鳥たちの餌になる事などで食物連鎖の一翼を担っている。

参考文献
もしこの世から「蚊」がいなくなったら?
http://gigazine.net/news/20141001-world-without-mosquitoes/

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆)」
「小さな変様に反応する」
冒頭で述べたように「なにか様子がおかしい」と感じ、マクロレンズで撮影確認すると、滅多に見れない交尾中でした。まだ一例しか確認できていないので滅多な事は言えませんが、色々な目撃情報を調べると空中交尾をすると記されていたりします。しかしこの時は苔の上に着地。雌雄はオスが下でメスが上です。カメラブレに強いオリンパスですが、とても小さな被写体なのでカメラブレには細心の注意が必要です。
撮影地
東京都西東京市 東大演習林

カメラ設定
OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, 絞り値:F8.0、シャッタースピード:1/250秒,ISO感度設定:1250、レンズ焦点距離120mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:Natural,Raw

使用ソフト
PhotoshopCC2017.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材
OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

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