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about

TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

紫陽花(千年の誤用)2013.06.28

梅雨になると、さて、今年は何処のアジサイを求めて撮影に出かけようかとなるのだが・・・。
しかし、「紫陽花」はライラックの花を指すらしい。
アジサイは日本原産で「あづさい」が変化、青い花が集まって咲く様から「集真藍」「安治佐為」「味狭藍」などと話し言葉が訛「あじさい」となった。それなのに、なぜわざわざ中国の紫陽花を当てたのか? 
誤用は平安時代までさかのぼることになる。
平安時代の学者「源順」が事もあろうに、唐の詩人「白居易」が別の紫の花「ライラック?」につけた名前を、誤って「紫陽花」と、誤用したため広く使われるようになったとか。
今月、仕事で訪れた札幌でライラックを撮影した。確かにアジサイ(紫陽花)に似ているが、こちらは字のごとく「日当りの良い場所」が好みである。アジサイは漢字とは真逆な「日陰を好む」正反対の成育環境なのだ。

ライラックについて詳しくはコチラ
http://ja.wikipedia.org/wiki/ライラック
http://www.hana300.com/rairak.html

紫陽花の誤用について詳しくはコチラ
http://www.hana300.com/ajisai.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/アジサイ

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
「成育環境を露出で表現する」
明るい場所に咲くライラックは晴天下の光で演出し、反対にアジサイは日陰の場所の紫陽花を露出アンダーで表現したい。その方が、よりその花の戦略を表現出来るし、人々が抱いているイメージを写し止めることができるのではないだろうか?

カメラ設定
上:ライラック Canon EOS 5D Mark II, 絞り値:F11、シャッタースピード:1/320秒,ISO感度設定:400、レンズ焦点距離26mm、露出モード:マニュアル、露出補正:-0.33、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw。
下:アジサイ Nikon D800, 絞り値:F14、シャッタースピード:1/8秒,ISO感度設定:200、レンズ焦点距離24mm、露出モード:マニュアル、露出補正:-1、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw。

使用ソフト
PhotoshopCS6使用(Rawデータ現像にも使用)

使用機材

上:ライラック Canon EOS 5D Mark II、EF17-40mm f/4L USM
下:アジサイ Nikon D800, 24.0-70.0 mm f/2.8、三脚使用

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

黄色いバラとベニカミキリ2013.05.31

黄色いバラ(ミラベラ)にベニカミキリがなんの迷いもなく飛翔して来た。
昼行性のカミキリムシで花の蜜を食べる。
ベニカミキリにとってこの黄色いバラはさぞかし美味しそうなレストランに見えた事だろう。
凄い勢いで蜜を食べ、少し休んではまた蜜を食べ始める事を繰り返していたのだが、なんだか途中で様子がおかしい事に気づく(頭をかく仕草)。
その訳はフンを・・・。ふーん、カシャリ!

花の出現はおおよそ1億3000万年前
(現在、世界最古の花粉化石の記録はイスラエル産1億3500万年前が発見されている)
花と共に甲虫やハチが現れ、そして色覚領域の広い蝶が現れる(蝶に出現の時期に関しては未だ不明)。
色盲の昆虫にとって、白色の花の明るい発色が花の在処の目印で、栄養満点な花粉と蜜の在処が黄色や橙色である事を生活環境により習得して進化してきたのである。
そのせいなのか、昆虫にとって黄色の花が一番好きな色のひとつでもある。
「友達の話:黄色い車が欲しくてディーラーに(黄色い車には虫が良くつくので止めた方が良いと言われた)」
花色の変化は、気の遠くなるような時間を経て白、黄、橙、青、藍などと変化させ、色や匂い構造で特定の虫や鳥を招き入れ、受粉のお駄賃に蜜や花粉を与えて進化して来た。
それに応えるように、昆虫や鳥もまた色覚領域を広げその花色の変化に進化順応している。
花色、それは被子植物の生殖戦略が見事に仕組まれ進化して来た証でもある。

ベニカミキリについて詳しくはコチラ
http://mushinavi.com/navi-insect/data-kamikiri_beni.htm

花の起源について詳しくはコチラ
http://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/014/ss_4.html

色彩の認識について詳しくはコチラ
http://www5e.biglobe.ne.jp/~t-hys/chapter-8.html

黄色いバラの花言葉について詳しくはコチラ
http://blog.goo.ne.jp/yagisan_2006/e/c26fdf8cd804d4455b38f8e0023437c8
もうすぐ父の日、黄色いバラの花言葉は蕾や花の大きさなどで異なる。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
「銀レフで赤色を美しく」
逆光では、そのまま撮影すると暗くなりがちで、いまいち美しい色味を再現出来ない。
そこでストロボか銀レフを使う事になる。
ここでは赤色の輝きの具合を確かめるには、銀レフの方が都合よいので銀レフをチョイスした。
左手に銀レフ、右手にカメラ。両手が塞がってしまったこの状態では、AF手ぶれ補正付きの「VRレンズ」はすこぶる便利な道具である。

カメラ設定
Nikon D800, 絞り値:F13、シャッタースピード:1/400秒,ISO感度設定:400、レンズ焦点距離105mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw。

使用ソフト
PhotoshopCS6使用(Rawデータ現像にも使用)

使用機材

Nikon D800, AF-S VR Micro-Nikkor105mm f/2.8G IF-ED,銀レフ使用

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

花の惑星2013.04.22

花には全く関心がなかったけれど、虫や鳥を観察しているといつの間にか花に取りつかれていた。
そして、あらゆる花に関する本を読みあさってきた。
その中に、植物の花は虫や動物にたとえると「生殖器」であるとある本に書いてあった。ハッ!とその言葉の裏にある「進化と戦略」に強く惹かれ、生物学と昆虫学『ジャレド・ダイアモンド、ハワード・エンサイン・エバンス』など読みあさっている。
人間の歴史は虫や植物に比べ遥かに短いけれど、生き物はどれも似たような選択による自然淘汰を繰り返し進化している事に気づかされるのである。
4月には入るとまさに百花撩乱。
花好きには園芸品種を嫌う方もおられるが、日々の暮らしの中にある花も人々の暮らしを彩っているのだから・・・。
さて、花の惑星でもあり虫の惑星でもあるけれ、そんな花達の原種をたどる花紀行もまた興味が尽きないのである。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
「花を美しく撮るコツ」
あらゆる場面で花のある暮らしがある。
書店を覗くと「花の写真撮影のコツ」の題字が今まさに花盛りでデジタルカメラが身近になった証でもある。
花はシャッターを押せば写るのだけれど、その時の感動が写せていない事にガッカリ、何故上手く写せないのだろうか?と思われた事はありませんか。

花を美しく撮るコツ
1) 一番美しい花盛りを撮る。
花盛りのタイミングはまさに一瞬。
ただし、美しいなと感じる感性は人それぞれ違う訳で、咲き始めが良いとか、散り際が美しいなどと、その感性の趣くままにシャッターを押す。

2) 主役を生かす背景を選ぶ
主役にスポットライトを当てる意味合いから、背景を考慮する。環境を生かし、うるさくなりがちな背景を絞りでコントロールする。

3) チャームポイントを生かすライティングを選ぶ
花びらを透かした方が美しいのか、斜光で立体的に見せた方が良いのか見極めよう。晴れた日のふさわしい花、曇り空の柔らかい光がベストの花など、花ごとに太陽光を考慮する。迷ったら、花色は得てして日陰の方が美しく撮れますから日陰がオススメです。

使用ソフト
PhotoshopCS6使用(Rawデータ現像にも使用)

使用機材

OLYMPUS OM-D E-M5、14-42mm F3.5-5.6 ,Micro60mm
Nikon D800, 14-24mm,VR16-35mm,24-70mm,VR24-85mm,Micro60mm,VR70-200mm
Canon EOS 5D Mark II, 17-40mm,IS24-105mm ,Micro100mm

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

東京夜桜2013.03.29

妻の甥が、第一志望高に「桜咲く」であったゆえ、お祝いに鹿児島から桜咲く東京へ招待した。
鎌倉、横浜、秋葉原、美術館など家族が交代で嬉々と案内に奔走。
そして、いよいよ明日帰る日の晩に「竜ちゃん、まだ何処か行きたい所ない?」と、聞くと「スカイツリーに行き、友達への土産が買いたい」と言う。

そうか、今ではスカイツリーが東京名所であるらしい。
当日、怪しい空模様ながら東京スカイツリーに到着。
この天気ならば、少しは空いているだろうと思ったのだが、考える事は皆一緒で当日券での入場は2時間半待ちらしい・・・。
「あのね〜、おじちゃんは高所恐怖症だからさ、一人で登ってね・・・」と、送り出す。
ヘヘ、私は3時間程放し飼い状態にされたカメラ親父である。
OLYMPUS OM-D E-M5にレンズ3本とストロボFL-300Rを小さなカメラバックに詰めていたのである。
このカメラ、とにかく軽いので歩き回るにはすこぶる都合が良い。
ブラリブラリとスカイツリーと桜の撮影ポイントを探して徘徊していると、紅枝垂桜と染井吉野の咲き誇るポイント見つけた。スカイツリーとのバランスもそう悪くない。
すると、タイトルが浮かんだ。
「東京夜桜」うん!これがいいなとストロボをチョイと撫で「さあ、出番ですよ」と囁いてみた。

東京スカイツリー
詳しくはコチラ
http://www.tokyo-skytree.jp/

この時の撮影技法(春雨を味方に)
さて、今回は春雨を見方にして、ストロボで浮かび上がらせる技法です。
私は、昼間でも雨や雪を強調するためにストロボをよく使う。
今回は、桜がライトアップされていなかったので、ストロボで明るく起こしてあげなければならなかった。
いささか小光量のストロボでは、10m程先の桜までは遠すぎて心細かったけれど、思い切りISO感度を1250まで上げて光量不足を補った。
この画は、小さなカメラとストロボを使用して手持ちで撮影した。シャッタースピード:1/13秒ながら、5軸対応メカニカル手ぶれ補正は見事でピタリと止まる。
さらに高感度でも解像感はおおむね良好で、頼もしい道具である。
それにしても、桜色にライトアップされた東京スカイツリーは華やかで素敵だ。

カメラ設定
絞り値:F8、シャッタースピード:1/13秒,ISO感度設定:1250、露出モード:マニュアル、ホワイトバランス:オート(Rawデータで記録のため)、測光モード:中央部平均測光、ピクチャースタイル:スタンダード、焦点距離22mm(35㎜換算44㎜)、外部スロトボ:強制フル発光

使用ソフト<_strong>
PhotoshopCS6使用(Rawデータ現像にも使用)

使用機材

OLYMPUS OM-D E-M5、M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R、ストロボFL-300R、1灯使用

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

♀現れる!(シロヤヨイヒメハナバチ♂)2013.03.15

弥生3月に現れるシロヤヨイヒメハナバチ、♀よりも早く出現して他の♂よりもいち早く♀を射止めようとせわしなくあたりを飛び回っていた。
面構えは白髭をはやしたおじさん風であるがピカピカの若さまである。
そこへ、若いお嬢さま方が大勢現れて「キャーカワイ〜」と、ピースサイン。
思わず「デヘヘ」と、にやけたお顔でピース返しである。

白弥生姫花蜂(シロヤヨイヒメハナバチ)詳しくはコチラ
http://horror.g.hatena.ne.jp/COCO/

この時の撮影技法(とっさのカメラの備え)
私は、移動中あらゆる事象に素早く対応出来るレンズは、今は何ミリかベストかといつも考えている。
たとえば、今回の熊本ではスケール感のある花を撮るのが第2のテーマでもあったので、レンタカーの助手席にD800にAF-S NIKKOR 12-24mm f/2.8G EDでスタンバイ。
「あっ!ヒゴツバキ」と、言っては車を止めてパチリ。

3月11日、熊本県阿蘇山にて後ろ向きでピースサイン。
よく見ると、車のボンネットに乗せセルフタイマーで記念撮影していた。
そのポーズに新鮮な驚きと面白さを感じ急遽車を止め、素早く彼女達に撮影許可を得て撮らせてもらった。
何げない旅スナップもまた面白く、異なった2枚の写真を並べてみるのも軽妙である。

カメラ設定
上:絞り値:F9、シャッタースピード:1/125秒,ISO感度設定:200、露出モード:マニュアル、ホワイトバランス:オート(Rawデータで記録のため)、測光モード:中央部平均測光、ピクチャースタイル:スタンダード、焦点距離60mm(35㎜換算120㎜)

下:絞り値:F14、シャッタースピード:1/640秒,ISO感度設定:400、露出モード:マニュアル、ホワイトバランス:オート(Rawデータで記録のため)、測光モード:中央部平均測光、ピクチャースタイル:スタンダード、焦点距離22mm

使用ソフト
PhotoshopCS6使用(Rawデータ現像にも使用)

使用機材

上:OLYMPUS OM-D E-M5、M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
下:Nikon D800、AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家