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about

TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

花びら散る2019.03.09

啓蟄。やっと気温が上昇し始めると、近くの河津桜にミツバチやヒヨドリが吸蜜に来ていた。40〜150㎜ズームレンズをチョイスしミツバチの飛翔を狙う事にした。夢中になりながらも利き目の反対側でチラチラと周りを確認していると、偶然にもヒヨドリが虫らしきものを咥えた瞬間をキャッチした。私の第六感が反応し、枝被りを避けられるベストポジションに移動。よく見るとヒヨドリは捕らえたミツバチを、カワセミの様に足元の枝に打ち付け弱らせていた。それは、花びらが散るかの様な、須臾の命。
                              
この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
「両眼で見る」
僕の利き目は右目だからファインダーは右目で覗き、左目はファインダーの外全般をボーっと見ている。だから、この場面でヒヨドリの異様な動きが視野に入り、とっさにレンズを向ける事が出来たのです。

撮影地:東京都西東京市緑町3丁目 いこいの森公園

カメラ設定
絞り値:F2.8、シャッタースピード:1/3200秒,ISO感度設定:800、レンズ焦点距離150mm、35mm換算300mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:自動

使用ソフト
PhotoshopCC2019.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.40-150mm F2.8 PRO

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

蝶になれなかった花2019.02.06

まるで青い蝶が翅を広げ乱舞しているようです。それにしても、見事に蝶の触覚を再現したかのような花糸に見惚れて固まる。舌を噛みそうな学名:Clerodendrum ugandense(クレロデンドルム・ウガンデンセ)だが、虫好きには「英名:『Blue butterfly bush』」の方が舌を噛まずにすみそうです。
                              
この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆)」
青い蝶の花の質感と躍動感を如何に見せるかが苦心のしどころです。高画素カメラで質感と立体感を、絞りで主役の花をいかにクローズアップするか、すなわち背景をいかに処理するのかが問われます。そこで、今回は逆光で、とろけるようなボケ味を重視しつつ、絞りを一段ほど絞り、触覚と翅部分にある程度ピントがくるように被写界深度をギリギリの設定にしました。最後に、背景の右上部分を明るく演出する事により、その光に向かって飛翔するような躍動感が表現できるのではないかと考えたのです。

撮影地:東京都調布市深大寺(都立神代植物公園の大温室にて)

カメラ設定
絞り値:F3.3、シャッタースピード:1/400秒,ISO感度設定:800、レンズ焦点距離105mm、露出モード:マニュアル、露出補正:−0.33、ホワイトバランス:カスタム5950K

使用ソフト
PhotoshopCC2019.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

NIKON D850, AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

POSTED BY:
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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

部分日食2019.01.09

nishimura_142.jpg

10時06分頃、部分日蝕が最大になるらしい。ならば太陽の色をどのように表現しようかと思案する。
大抵の日本人は、国旗の紅色でイメージしているが、ゴッホは黄色で太陽を描いている。この様にイメージ色は国や人により異なるけれど、科学的に解き明かすと太陽の表面温度は約6000度なのだから、黄色い恒星なのです。ただし大気の影響、すなわち一日の太陽の高度でイメージ色が変わってしまうから愉快である。
                               
この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
部分日食を、二つのアクセサリーを使ってテスト。
上:「ゴッホの絵のように太陽を黄色く」
何処かでもらった「日食グラス」で撮影。
接眼部はとても小さな縦1cm×2.5cmほどの長方形。その小さな接眼部分にレンズを押し当て手持ちで撮影。ご存知の様に、日食グラスは強烈な太陽光を遮る事が出来るので、太陽部分の露光データが飛ぶ事なく残る、よってゴッホの絵のように太陽を立体的に黄色く表現出来るのです。しかしながら、太陽に露光を合わせたので、周りの空は露光アンダーとなり黒くつぶれてしまいます。

下:創世記第1章「光あれ」
8 2/3段分の減光効果が得られる、Kenko ND400を取り付け、太陽の強烈な眩しさを和らげる。しかしながら、雲の露光データを残すと、太陽は露光オーバーとなり白飛びしてしまいますが、「光あれ」をドラマチックに表現するために、10時台の色温度5500Kデイライトに設定し、雲を表現できるギリの露光をかけつつ雲のデータを残しました。

撮影地:東京都西東京市

カメラ設定
写真上: 絞り値:F22、シャッタースピード:1/8000秒,ISO感度設定:64、レンズ焦点距離300mm、35mm換算601mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:自動(現像時に色温度を50000Kに設定)

写真下: 絞り値:F9、シャッタースピード:1/1000秒,ISO感度設定:64、レンズ焦点距離300mm、35mm換算601mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:自動(現像時に色温度を5500Kに設定)

使用ソフト
PhotoshopCC2019.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, LUMIX G VARIO 100-300/F4.0-5.6、上:日食グラス1cm×2.5cm、下:Kenko MC ND400 77mm

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

ダイヤモンド富士2018.12.25

一時間ほど前までは、薄雲の影響で富士がほとんど見えなかった。素直な子なら、出撃をためらう空模様うではあるが、僕は海千山千の爺いである。ポンコツ脳で、このように考えた。太陽が富士の裏側に回る頃には、波長スペクトルの演出により赤く染まった富士がシルエットで現れるのでは無いかと・・・。 案の定、マジックアワーの時刻に差し掛かるころ、徐々に赤く染まる富士がシルエットで現れたのだ。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
日没近くの太陽でも想像以上に明るいので、絞りすぎによる回析現象を避けるため、絞りギリのF9、ISO感度200に設定。露出は太陽と富士が飛びすぎないようにマイナス補正-1.7、露出アンダーにする事で金色とオレンジと赤が、より際立つ相乗効果が得られるのです。最後に、撮りたい主役の富士が動かないので、フォーカスが迷わないようにマニュアルに固定し置きピン。狙いのひとつ「東久留米」の町並みと車の喧騒、そして平成最後の東京都東久留米市から見られるダイヤモンド富士を画面中央奥にどっしりと配置した。

撮影地:東京都東久留米市東本町1−8「富士見テラス(東久留米駅西口2階)」2018/12/21.16:16

カメラ設定 写真下: 絞り値:F9.0、シャッタースピード:1/1000秒,ISO感度設定:200、レンズ焦点距離150mm、35mm換算300mm、露出モード:マニュアル、露出補正:-1.7、ホワイトバランス:自動(現像時に色温度を9000Kに設定)

使用ソフト PhotoshopCC2019.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材
 OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.40-150mm F2.8、三脚:VANGUARD VEO 265CB

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

クヌギカメムシを狩るヨコヅナサシガメ2018.11.26

「虫嗄るる」
運悪く産卵期のクヌギカメムシがヨコヅナサシガメの幼虫に捕らえられてしまいました。ストローのような尖がった口吻をブスリと刺し込み、消化酵素を注入、ドロドロに溶解した体液をチュウチュウ吸っています。ヨコヅナサシガメは中国原産、名前の由来はお腹あたりの白黒の部分が相撲の化粧回しに似ているのと、サシガメの仲間では大きいのでヨコズナ、獲物を刺すのでサシガメ、諸説あり。
温暖化の影響なのか、1928年九州で初めて発見され、関東で見られるようになったのは1991年頃とのこと。カメムシの仲間で食肉性昆虫です。残虐そうに見えますが、害虫を狩ってくれる益虫でもあるのです。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
ハチ仲間のS氏からサトセナガアナバチの場所を教えていただき、場所確認に善福寺公園に立ち寄りました。以前住んでいたので場所はすぐ確認。ほどなく、クヌギでこの場面に遭遇しました。撮影技法を語るほどではありませんが、ヨコズナサシガメの最大の特徴である、口吻を如何に見せるかの一点に注視する。観察の結果、柔らかい関節部分に差し込んでいたので、それが分かるようなアングルで狙う。

撮影地:東京都杉並区善福寺3丁目 善福寺公園3-29-3上池のクヌギにて

カメラ設定
写真下: 絞り値:F5.0、シャッタースピード:1/25秒,ISO感度設定:400、レンズ焦点距離150mm、35mm換算300mm、露出モード:マニュアル、露出補正:+0.3、ホワイトバランス:自動

使用ソフト
PhotoshopCC2019.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.40-150mm F2.8

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

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