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about

SHOWKEN HIRASAKA 平坂彰謙
株式会社CAMELSTUDIO 代表取締役社長
1996年11月にCAMELSTUDIOを設立、PCや携帯・スマートフォンなどをプラットフォームに、サイトやコンテンツの企画制作を行なう。幼少時代からドラムを叩き続け、1994年に結成した爆笑系歌謡曲ロックバンド「ダイナマイトポップス」で現在も活動中。このサイトに参加してくれている面々は、公私問わず信頼する親友たちである。

NO.1ロックドラマーを選ぶ(5)ボビー・コールドウェル/Captain Beyond2010.07.16

>やっぱリヴォン・ヘルムですよね?平坂さん
沖さん、そうきましたか。シブいところきましたね。
でも、この人にはかなわんでしょう。

NO.1ロックドラマー:ボビー・コールドウェル/Captain Beyond
ベストトラック:Dancing Madly Backwards

なんだ、その人歌だけじゃなくてドラムも叩くんだ!
そう思った方は現在30代から40代、MTV世代ですね?
「AOR」の第一人者、「You are so special to me」の大ヒットで日本でも一躍有名になったあのボビー・コールドウェル…
ではありません。別人です。同姓同名ってやつですね。

この人のどこが「NO.1」か。
正直言ってテクニックではありません。
「ドラマーにもドラマがある」という部分で「NO.1」なのです。
おやじギャグみたいですが、真面目な話です。

取り上げたアルバム「Captain Beyond(デビューアルバム)」を聴くたびに、彼はきっとこんな気持ちで叩いているんだろうなあ、としみじみ考えてしまいます。
こんな気持ちとは…
「昨日まで壁紙を貼る内装職人だったが、今日からぼくはインテリアコーディネイターだ」
「印刷屋でDTPオペレーターをやっていたら、突然グラフィックデザイナーになれと言われた」
こんな感じです。
もっと言えば、
「スクールメイツから、少女隊に入った」みたいな。

この深ーい意味を理解するには、彼がCaptain Beyondに加入する前にいた、「Johnny Winter And」というユニットでの存在と立場、そしてサウンドを知らなければなりません。

「Johnny Winter And」…呼んで字の如く、”100万ドルのブルースギタリスト”ジョニーウインターさまのワンマンバンドであります。
「オレと、その他バックバンド」というところでしょうかね。
「ベースは余計なフレーズ弾くな。ドラムも出しゃばるな。オレさまのギターソロに合わせてリズムキープさせてりゃそれでよいのだ」
彼らの演奏を聴いていると、すべてそんな感じがします。もちろんいい意味でね。
つまり、「色」があってはいけないわけです。
ヘタクソではダメですが、個性的だったり、特徴的だったり、キャラが立ってたりするのもダメなのです。
ジョニーウインターさまのみが引き立つ、それがバンドメンバーの使命。
つまり、「内装職人」であり「DTPオペレーター」のように、正確な作業のみが求められるポジションだったわけだと。

そして「Captain Beyond」。

「Deep Purple(初代)」のヴォーカリスト・ロッドエヴァンス、「Iron Butterfly」のギタリスト・ラリーリノラインハルトと、ベーシスト・リードーマン、そして「Johnny Winter And」のドラマー・ボビーで構成された、いわゆるスーパーグループとして話題になったわけですが、飛び抜けたスタープレイヤーがいると言うよりは、全員が「主役」的なイメージ。

しかもアルバムを通してコンセプチュアルなテーマ、組曲、ハードロック+プログレッシヴロック…と、ジョニーさま時代の「とにかく全部スリーコード」とは打って変わって複雑かつ難解な世界観と変拍子。
ドラマーであるボビーにも、自己主張とキャラクタライズされたドラミングが強く要求されたわけですね。
ベストトラックに挙げた「Dancing Madly Backwards」はこのアルバムの1曲目ですが、のっけから5拍子です。
ジョニーさまのバックで、ひたすら黒子に徹してきた彼は、一体どんな気持ちで叩いていたんだろうなあ。。
考えるとこちらが緊張してきます。

今まで「言われた通りに線を引け」と言われていた人が、突然「線1本にも意味と感情と魂を込めろ」…
ですからね。
でもこのファーストアルバムを聴く限り、そんなミッションをきちんとこなして、いい味を出していると自分は思います。
客観的に聴くのではなく、叩いているドラマーの身の上や精神状態、置かれている立場などを案じながら聴く。
なかなか味わえない楽しみ方を提供してくれる、実にドラマチックなドラマーなのです。

沖さん、どうです?これぞNo.1でしょう。

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NO.1ロックドラマーを選ぶ(3)フロイド・スニード/Three Dog Night2010.06.08

沖さん、なかなか渋いところをついてますが、
上には上がおりますよ。

NO.1ロックドラマー:フロイド・スニード/Three Dog Night
ベストトラック:Family of Man

ロックの基本は「8ビート」。
このリズムパターンに限っていえば、フロイド・スニードは「キング・オブ・8ビート」です。
「GROOVE」というのは、彼が生み出すリズムのうねりのことを言うのではないでしょうかね。
とにかくカッコいい。

数多くいる著名ロックドラマーの中ではあまり話題に出てきませんが、実は自分のように彼を崇め奉る奴らは実にたくさんいます。

細かすぎて伝わらないかもしれませんが、どこがカッコいいか具体的に表現してみます。

◎4分音符3つめのハイハットが気持ちよすぎる
◎小節の頭にスネア一発、4分音符2つめにクラッシュでアクセントがカッコよすぎる
◎ロールせず、8分音符を左右交互につけるアクセントが絶妙すぎる

この人のドラムのカッコよさはとにかく筆舌に尽くしがたいところがあります。
長嶋茂雄・読売巨人軍終身名誉監督がよくおっしゃる「バーンといって、キュッとまわしてカッと引いて」…表現したいことがあまりに感覚的すぎて、言葉では表現できないわけですよね。
彼のドラミングにも通じるところがあります。
特にハットとスネアのからみなんぞは「ツッ、…カッ トツッ…カー」みたいな。
…何のことかさっぱりわかりません。

もともと「Three Dog Night」は楽器を持たない3人のヴォーカリスト(ダニー・ハットン、チャック・ネグロン、コリー・ウェルズ)と、演奏に徹したバックバンドの4人、計7人からなる珍しい構成のグループ。
演奏する曲も、基本的には他人が書いたもので、そういう意味でも、歌(ヴォーカル)あってなんぼのユニットでした。
「ロック・コーラスグループ」などという言い方を平気でされたりしてましたしね。

そんなわけで、バック演奏担当の4人なんぞ、話題にもならなければ、ググッても名前すら出てきやしません。
「三原綱木とニューブリードでトロンボーン吹いてたやつ」とか言われても、さっぱり誰だかわからないのと同じです。

実はそんなことないんですね。
フロントの3枚シンガーをしっかり支えるプロミュージシャン4人、それがThree Dog Nightの真骨頂だったんです。
他の3人はともかく、フロイド・スニードがそのうちの一人であったというだけで、そのことは証明されています。
そのくらい彼のドラミングは、少なくともロックドラムをかじったことのある人からすれば、「タダモノ」ではありません。
何がスゴいって、冒頭にも触れましたが、あまりオカズも手数も多くなく、普通の8ビートを叩くだけで「カッコよくバシッとロックしてしまう」んです。
んー、どんな表現をしようとしても、結局は長嶋茂雄・読売巨人軍終身名誉監督みたいになってしまいます。

ベストトラックに挙げた「Family of Man」は1971年にリリースされたアルバム「Harmony」に収められ、シングルとしても大ヒットしたナンバー。
2、4でライドのカップを叩くリズムスタイルは、当時まだ珍しかったのではないでしょうかね。
この曲のおかげで、自分もそのスタイルが定番となってしまいました。

これは「百聞は一見にしかず」ではなく、「百文は一聴にしかず」てなところでしょうか。
ぜひ一度聴いてみてください。

沖さん、お次 お願いします。。

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NO.1ロックドラマーを選ぶ(1)ジョン・デンスモア/The Doors2010.05.25

ロックというジャンルの音楽を語る時、まずスポットが当たるポジションは、決まってボーカリストかギタリスト。
おいおい、違うでしょ。
実はドラマーこそがロックを語るうえで最も重要でしょ!
そんな思いのもと、しばらく連載にお付き合いください。

NO.1ロックドラマー:ジョン・デンスモア/The Doors
ベストトラック:Hello I Love You

The Doorsといえば、何といってもリードヴォーカルのジム・モリソン。
さらに「Light My Fire」「Touch Me」などのソングライターとしても評価の高い、ギタリストのロビー・クリューガー。
そして”ロックを演る大学教授”と言われ、ドアーズサウンドの中核を担ったレイ・マンザレクの陰にあって、最も地味な存在であったのが、ジョン・デンスモアであります。

この人、他のロックドラマーと比べ決定的に違う点がひとつ。

ロックドラマーは、ベーシストとセットで「リズムセクション」と呼ばれたりしますね。
野球でいえば”ピッチャー”と”キャッチャー”、漫才でいえば”ボケ役”と”ツッコミ役”みたいなもんです。

ところがこのThe Doorsには、なぜかベーシストがおりません。
タマを投げても捕るやつがいない、ボケてもツッコんでくれるやつがいない…
という恵まれない状況にあって、文句も言わずひとりリズム隊を勤めあげたという、たいへん貴重なドラマーだと認識しております。
◎アリスにもドラマーがいて、ベーシストがいないじゃねえか。
◎B’Zにはドラマーもベーシストもいねえぞ。
…というのとは意味が違いますね。

彼のドラミングの特徴をひとことで言い表すならば、「調味料的ドラム」といったところでしょうか。

実はThe Doorsの聴きどころはいくつもあります。
★ジム・モリソンの歌声、そして「詩人」としても名を馳せた、その歌詞
★レイ・マンザレクの不思議なオルガンサウンドとそのアレンジ
★ロビー・クリューガーの何ともポップなコード進行と味のあるメロディライン

これら「素材の良さ」を活かして、そこにピリッとひと味効かせているのが、ジョンのドラムなのです。
つまり、ジョンは”パスタ”ではなく、”コショウ”とか”タバスコ”なわけです。
“炊きたてのご飯”ではなく、”桃屋の辛くない辣油”なのです。

ベストトラックとして挙げた「Hello I Love You」が良い例でしょう。
そんな前提で一度聴いてみてください。

The Doorsは、ジム・モリソンが不慮の事故で亡くなった後も、残ったメンバーでバンド活動を続けました。
チームワークが良かったのでしょうかね。
自分の推測からすれば、調味料役のジョンの存在が大きかったのではないかと。
そう、おそらく性格も調味料のように地味ながらみんなをまとめる調整役−「ドラミングは体を表す」ってとこですか。
独りよがりなワガママ野郎が多い中で、こういう人がロックバンドを支える…そんな気がしてなりません。

いかがでしょうか、沖さん。

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誰でも簡単ドラム講座 VOL.6 「手と足を同時に動かす」その22010.02.10

「手」と「足」、
しかも今度は両手を使います。
だんだん”ドラムセット”の
プレイに近づいてまいりましたね。

<パターン1>
これは、前回の「VOL.5」
<パターン2>と同じです。
ドン ツッ ツッ ツッ
ドン ドン ツッ ツッ 」
という、ベーシックなロック・リズムパターンですね。

<パターン2>
これに、左手が加わります。
さあたいへん。
…でもないですよ。
だんだん普段聞き慣れたリズムパターンに近づいているはずです。
右足はバスドラム(一番デカいやつ)、
右手はハイハット・シンバル(上下2枚重なっている小さいシンバル)、
そして左手はスネア・ドラム(いわゆる”小太鼓”です)、
通常の演奏でも、これで十分「ドラム演奏」と言えます。

<パターン3>
そこに、また「アクセント」という要素が加わるわけですね。
残念ながらこの「アクセント」がないと、ノリやグルーヴが出ず、
きわめてシロートっぽいものになってしまいます。

いやー、ドラムの叩き方を文章で説明するのは難しいですね。
実際にセットを前にして、叩いてみれば、もっとカンタンに思えることでしょう。

ヘッドフォンで楽しめる電子ドラムが、
お茶の水あたりの大きめの楽器屋さんに置いてありますので、
一度試してみてはいかがでしょうか。
運動不足解消にもなりますよ!

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誰でも簡単ドラム講座 VOL.5 「手と足を同時に動かす」その12009.11.30

いよいよ「足」が登場しました。
ドラムセットを叩く醍醐味は、何といっても手と足を同時に使うところです。
また、未体験の方が一番難しく思えるのも、ここにあると言えましょう。

まずは入門編からですね。

<パターン1>
今まで同様、右の人差し指でリズム(8ビート)を刻みます。
ひとまずは同じ強さで構いません。
「トン トン トン トン …」これの繰り返しです。
これはもうカンタンですね。

<パターン2>
そして「足」を加えていきます。
今回は右足だけです。
実際のドラムセットでは、
右足は最も大きなドラム(バスドラム)を叩くことになります。
(もちろん右効きの場合ですが)

ドン ツッ ツッ ツッ ドン ドン ツッ ツッ 」

こんな感じでしょうかね。
よくシンプルな8ビートのロックにあるリズムパターンです。

<パターン3>
さて、ここからまたややこしい「アクセント」が加わります。
いったん「足」はなしです。

タッ ツッ タッ ツッ タッ ツッ タッ ツッ …」
交互に強く、弱く叩いてください。

そして、これに「足」をかぶせていきます。

ドン ツッ タッ ツッ ドン ドン タッ ツッ…」

なんだか雰囲気出てきませんか?

説明が難しく、「ドン」だの「ツッ」だの、
長嶋茂雄さんの「ガッとひいて バッと振る」みたいな表現になってしまいました。
よくわからない方、直接おたずねください。
実践でお教えいたします。

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