沖さん、今までウソをついておりました。
わたくしが本当に「NO.1」と思っているロックドラマーは、この人以外におりません。
NO.1ロックドラマー:カーマイン・アピス/Vanilla Fudge, Cactus, BBA
ベストトラック:LADY(LIVE)
遂にこのお方を出してしまいました。大切にとっておいたのに。
“出し惜しみ”をしていたわけではありません。
この人の場合、言いたいことがたくさんありすぎて一冊の本が出来てしまうほど。
どうまとめようかと考える時間が欲しかったわけです。
<あえてひとつだけ>
なぜ「カーマイン・アピス」なのか。
ポイントは腐るほどありますが、あえてひとつだけポイントを挙げましょう。
それは、”ティム・ボガート”という最強のパートナーと活動を続けられたことでしょうかね。
ドラムをやっていて強く思うことは、相棒であるベーシストが誰かが重要であるということ。
「NO.1ロックドラマーを選ぶ(1)ジョン・デンスモア/The Doors」
でも触れましたが、
「野球でいえば”ピッチャー”と”キャッチャー”、漫才でいえば”ボケ役”と”ツッコミ役”」です。
彼はティム・ボガートのおかげで、かろうじてバランスのとれたロックドラマーでいられたと思います。
もともと叩き出す音自体がデカい。そしてリズムボックスよりも正確(!)なジャストタイミングでビートを刻んでいるくせに、グルーヴも感じるしノリもガンガンくる。
マシンガンから乱射される弾がゆれながら光速でブッ飛んでゆくようなイメージですかね。
ですから、彼のドラムソロはちょっと”痛い”というか、やりすぎな感もあったり。
そこへもってきて、ティムのベースは、そんな彼のドラムをかき消すくらいやかましい。
つまり、ふたり揃うとバランスがいいってことなんですよ。
ところがね、他のメンバーはたまったもんじゃないですね。
実際、BBA時代にジェフ・ベックが「ベースはもっとひっこんでろ」といって大喧嘩になったそうで。想像にたやすいです。
もっと言えば、お互い他にご一緒してくれる相手がいなかった、ということかもしれません。
<カーマイン・アピスの楽しみ方>
歴代の作品の中で、特にBBA時代のナンバーを聴く際、楽しみ方があります。
カーマインもティムも、お互い楽器を演奏しながら歌います。
BBAは事実上ふたりがリードヴォーカリストですから、Aメロをふたりでハモったりするわけです。
その間はふたりとも神経が歌に集中していて、演奏はぎりぎり普通(といってもスゴいけど)。
ところがジェフベックのギターソロに入った瞬間、このマシンガンコンビが火を噴くわけですね。
「ベックのリードギターが目立たない…」こんな聴き方、一度してみてください。
ベストトラックに挙げた”LADY(LIVE)”なんぞはその代表です。
ジェフベックが気の毒に思えてきます(笑)
<こんなのもあります>
さすがにこの人に憧れているドラマーが多いと見られ、たくさんのsiguniture商品が出ています。
自分もスネアには、カーマイン・アピスのサインが入ったヘッドを使用しており、たいへんご機嫌です。
ちなみに金ピカのsiguniture snare drumもありますが、これは趣味が悪いと思います。