自分が20代半ばのころ、メインクライアントのひとつに音楽系専門学校がありました。
生徒をかき集めるためには金をいとまないというアコギな面を除いては、小さなフツーの学校です。
ある日その学校の担当者から、こんな電話がかかってきました。
「明日学校にスティービーワンダーが遊びに来るから取材してくれ」
「はああ???」
冗談なのか、それともそっくりさんのお笑い芸人なのか…
いやいや、あのスティービーワンダーご本人、ホンモノのスティービーワンダーさまがやってくるのだと。
わざわざそのために来日したのか?
まさか。
日本公演の合間に寄る、ということだったようで。
それにしてもスゴい。
「大物外タレがぶらっと遊びにくる学校」というような宣伝を、学生たちに向けて打ちたい、というのが目的だとか。「スティービーワンダーがこんなとこにぶらっと遊びに来たりするわけねーだろ!」と思わずツッコミを入れたくなるような、クレイジーな企画です。
で、当日。7階建ての校舎には、普段来もしない学生までが全館ごったがえし、まさに上へ下へ大騒ぎです。なまスティービー。ここはフツーの校舎。やはりクレイジーです。
確か2階の最も大きな教室で、グランドピアノの前に座るスティービーを、午前8時台の山手線でもこんなラッシュはないだろう、という密度で学生が取り囲む。
いつもテレビで観るのと同じ動き、同じ笑顔で「I Just Call To Say I Love You」をスティービーが歌い、皆が大合唱し、建物全館が音で揺れる…。
いつも「金もうけ主義」なところに少々疑問を持っておりましたが、この時ばかりは思いましたよ。「いい学校だなあ」って。授業料高いだろうけど、お金で買えない夢とか体験が得られたわけですからね。みんな、涙ぼろぼろ流してました。
後日当校の理事長から呼び出され、「なんとかワンダってずいぶん流行ってるらしいじゃねえか」
なんじゃそりゃ。
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Showken Hirasaka
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右手と左手の練習が続きます。
次の課題は「アクセントをつける」であります。
机をトントン叩いていて気づいた方もいるかもしれませんが、すべて同じ強さで叩いていると、
とても「平坦」な、何の感情もない機械的な感じがしますね。
まるで時計がカチカチ鳴っているみたいに。
音楽の中でも特にロックとかポップスとかは、メロディと同じかそれ以上にリズムの”揺れ”(よく”ノリ”とか”グルーヴ”とか言いますよね)がとても重要で、自然に身体が縦に、横に気持ちよく動いてしまうような、ちょっとした”隠し味”のようなものが大切になります。
その”隠し味”のひとつが、「アクセント」です。
今回の図も「楽譜」同様、左から右に向かって一定のスピードで進めてください。
<パターン1>
右手の人差し指を、等間隔で「トントントントン」と叩きます。
(左手はお休みです)
強さも全く同じに叩くと、まな板・包丁で野菜を刻むような、機械的なリズムになりますね。
<パターン2>
ここから「アクセント」という概念が入ります。
(こちらも右手のみです)
グレーの丸は、黒い丸の半分くらいの強さで叩きます。
文字で表現しづらいですが、「タッ! トン タッ! トン」みたいな感じです。
黒い丸は指全体でドスンと、グレーの丸は指先だけでチョンと叩くと、雰囲気が出るかと思います。
わかりづらいかもしれませんが、これこそがドラムの「アクセント」なのです。
「パターン1」と叩き比べてみるとよくわかります。
<パターン3>
今度は右手、左手交互に叩いてみてください。
こちらは「パターン1」同様、同じ強さで叩きます。
バタバタうるさい感じですね。
前に飲み屋でやっていたら、店主に怒鳴られました。
<パターン4>
1小節(丸8個分)のうち、1個目と3個目(どちらも右手)のみ強く、あとは弱く叩きます。
ややテンポ早めに叩くと「あ、こういうことか」と実感できると思います。
最後になってしまいましたが、サウスポーの方は、左右逆にしてお試しください。
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