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HIDESHI OKI 沖秀史
株式会社USEN 音楽番組制作部長
500番組を超えるUSEN音楽放送の番組編成・制作を統括。洋楽、邦楽、CM制作ディレクターから、ネット動画サイト立ち上げなど、20年以上に渡って番組・コンテンツ制作に従事しているプロ中のプロ。温厚な人柄で音楽業界に極めて多くの人脈を持ち、自らドラマーでもある。

KISS論2009 / 11 / 04

「ほう、久しぶりにKISSのニューアルバムが出るな」
「あの聖飢魔IIみないなメイクをしたバンドですか?」
「普通、聖飢魔IIがKISSみたいなメイクをしている、というのじゃ!」

一行目と三行目は同一人物(私)。二行目は、業界のとある若者A君。

というわけで、今回のテーマはKISS論。

KISSの音楽を分析する、というよりはKISSのビジネスについて述べたい。

1973年結成(ファーストアルバムは1974年にリリース)なので
既に36年目に突入するというロックバンドである。
ご存知のようにメイクを施し、
重たい衣装にハイヒールを履いてロックするイカしたバンドである。
ジーンが血を吐き、火を吹き、ポールは客席の上のを舞い、ドラムはせり上がるという
まさにアトラクションのようなステージが人気を博している。
ちなみに血を吐くジーン・シモンズは今年60歳(!)。

メンバーの変遷も激しいものがあるが、
一番不思議なのはこのバンドの2大フロントマンである、
ジーン・シモンズとポール・スタンレーの関係値ではなかろうか?

個性の集合体であるKISSというバンドにいて、
互いに激しいエゴをぶつけ合いながらも
この二人が過去に一度も決裂しなかったのは、
もはやKISSというビジネスを続けていく中で、
その存在を維持することがビジネスマンとしての彼らの使命と化しているからではなかろうか?

一時期、ジーン・シモンズは俳優という副業に忙しい時期もあったが、
この時期にこのバンドとブランドをポールがしっかり支えてたからこそ空中分解もなかったのであろう。
必ずしもメンバー全員が揃ったレコーディングでなくても、
KISSという看板を下さずにやり過ごせていた時期も実際にあったようだ。
ちなみに中期のヒット曲「シャンディ」を演奏しているKISSのメンバーはポール一人のみ(!)。
当時の私は、「ピーター・クリスは随分ドラムが上手くなったな!」などと勘違いしていた。。

ファンを大事にする彼らは、KISSというブランドを戦略的に使っているし、
膨大に存在すると思われる未発表の楽曲や映像、
そして何よりそれらを行使するタイミングなど、緻密に練られ、
そしてそのストーリー性と共に世の中への登場の仕方などが日々協議されているのに違いない。
KISSのマーチャンダイズ戦略(ロゴ、メイク顔などめっちゃTシャツにしやすいし)も
徹底的にマーケティングされていると思う。

きっと株式会社KISSというのがあって、
社長=ジーン・シモンズ、副社長=ポール・スタンレイで毎朝取締役会とかやっていそう。。。

先日購入したポール・スタンレーのソロライブのDVDにはしっかり
「Paul Stanley Music Co.ltd」とクレジットが入っていた。。
KISSも分社化しているのか?

さて、そんなKISSがニュー・アルバム「Sonic Boom」を発売した。
前作「サイコ・サーカス」発売が1998年なので、ファンとしては11年も待たされたニューアルバムである。
これにはどんな邦題が付くのか??「地獄の衝撃音波」とかになるのかなぁ(笑)。

トミー・セイヤーへ
ブラック&ブルー、そしてKISSの裏方、トラを経て、KISSのメンバーになりつつ、
LIVEに明け暮れた生活だっと思うが、
やっと君のプレイやヴォーカルがオリジナルアルバムのスタジオ盤に収録されことを嬉しく思います。

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HIDESHI OKI/沖秀史
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