いえいえそうではありません。
NO.1ロックドラマー:リヴォン・ヘルム
ベストトラック:Up On Cripple Creek
ザ・バンドはアメリカの郷愁を感じさせるバンドである。
しかし、意外にもメンバーは4人のカナダ人と1人のアメリカ人で構成されている。
そしてその唯一のアメリカ人がリヴォン・ヘルムである。
ザ・バンドのメンバーは苦労人揃いで地味な活動が多かったが、
逆にその高く安定感のある演奏力を持つ彼らが
時折しもボブ・ディランがフォークギターをエレキギターに持ち替えたあたりから活動を共に始め、
結果ザ・バンドへの注目も集まっていったというのは有名な話。。
その音楽性はカントリー、ブルース、リズム&ブルース、フォークミュージックなど
いわゆるルーツ・ミュージックの要素が非常に高く、
そして華やかさとは距離を置いた孤高さを感じるバンドである。
故にルーツ・ミュージックを趣味で叩いている方々には非常に参考になること請け合いです。
さて、そのザ・バンドでリズムを支えてきたリヴォン・ヘルムのドラミングは
3点セットから生み出される素朴で泥臭いのが持ち味です。
・フィルイン後のクラッシュシンバルがないことが多い
・クラッシュシンバルをライド的に多用する
上記が彼のドラミングにおける特徴として挙げられる。
もうひとつの大きな特徴は、ザ・バンドのリードヴォーカリストである、ということ。
そう、彼は自分で叩き、歌う。
特にヴォーカルのシャウトにシンクロして入るフィルインなどは聴いているとぐっと胸が熱くなる。
一方で歌とまったく違う譜割りのリズムを普通に歌ながら難なく叩く。
一般にドラマーはヴォーカルを取らないことが多く、黙々と叩く職人気質の人が多いが、
逆に歌えるドラマーはヴォーカルのリズムや息継ぎなどと絡み合った、
歌わないドラマーとは一味違うフィーリングが生まれてくるのもこれまた真実だと思います。
さて、ドラマーにとって重要なのが叩いている姿。
レギュラーグリップで背中を丸めて叩くその姿は、まさにアメリカの郷愁そのもの。
しかし、それは過去に封印されたものではなく、
今なお、そして一生付き合える音楽へ出会えた嬉しさへと変わる。
ベストトラックの「Up On Cripple Creek」は彼らの2ndアルバムに収録されていますが
今回は敢えて彼らのラストライブのDVDで見ていただくことをオススメします。
(若き日のマーティン・スコセッシが手がけたこのステージは彼のザ・バンドに対する熱き感情が感じられます。)
またドラミングに加え、時にはマンドリンを手にした映像などもあり
彼の他の才能を垣間見ることもできます。
やっぱリヴォン・ヘルムですよね?平坂さん
POSTED BY:
HIDESHI OKI/沖秀史
株式会社USEN 放送企画統括部長
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