いえいえ、それは違います。
NO.1ロックドラマー:ラス・カンケル
ベストトラック:Running On Empty
どこまでも続くハイウェイをバックに何故かドラムセットが写っている
ジャクソン・ブラウンの名盤「Running On Empty」。
このアルバム以前のジャケ写はジャクソン・ブラウンが必ず写っていました。
アーティスト本人が出ず、しかもバックバンドのメンバーが使う楽器が使われています。
これが意味するものは何か?
LPのブックレットを見ると実際にステージ上にこのドラムがセットされており、勇ましく叩く男がいます。少し禿げ上がったこの男がラス・カンケル。
70年代のアメリカにおいて代表的な存在であるセッション・ドラマーです。
ジャクソン・ブラウンはもとより、ボブ・ディラン、カーリー・サイモン、、リンダ・ロンシュタット、ジョニ・ミッチェル、キャロル・キング、など彼が参加したセッションは枚挙にいとまがありません。
彼は手数の多いドラマーでは決してありません。
しかし、フィルインなどを聴いていると、曲があるべき形の追求に非常にこだわりがあるように感じられます。
ヴォーカルを最大限に生かすには、別にここでフィルインがなくてもええんちゃうの?というようなこだわり。
ベストトラックとして上げさせてもらったタイトルチューンの「RUNNING ON EMPTY」などフィルインがホント最小限です。
趣味でバンドをやっていて4小節毎にフィルインを入れたがる私とは大違いです。
何をおいても彼のドラミングを表現するに私が最適であると思うのは
「仙人のようなエイトビートを叩く男」です。正に深みのある演奏。
この奥ゆかしさはどこからくるのか?生き様なのか?聴いてきた音楽のせいか?
それとも家庭環境か?それとも生まれ持っていたものなのか?
このアルバムが出た頃は、彼はおそらく30歳ぐらいであったはず。
当時10代半ばの私は、俺もそのぐらいので歳になれば人生経験も重ねているはず。
そしてそんなドラムが叩けるようになっているはず、と思っていたが40代半ばになってもそのような事はまったく訪れる気配すらない。。。
それにしも、このジャケットに写ったドラムセットって今気づいたけど左利き用のセットのような気がします。
ラス・カンケルは右利き。。
これを追求するとこれまでの仮説が覆されそうな気があするのでここでやめておきます。
象徴としてのドラムなのかなぁ?
よろしいでしょうか?平坂さん。