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KOJI SAITO 齋藤光二
株式会社 ドワンゴ ニコニコ事業本部副本部長 DAGE取締役
ネイティブ級の英語力を兼ね備えミュージシャンとしても活動する彼の本職は、あの「ニコニコ動画」のサイト運営である。ゲーム業界を経たあと、Animelo SummerLiveといったメガイベントを成功させてきたこともあり、オタク文化にも造詣が深い。交遊も幅広く社交的である。

男女男男女男女(だんじょだんだんじょだんじょ)2009 / 09 / 08

ニコニコ動画で起こったムーブメントを噛み砕いて説明するのは本当に難しい。

例えば、お互いに全く関連性のなかった音楽や絵が結びついて、突然新しいモノが創造され、次々とその派生が発生して人気になる、といった一連の流れをきちんと追って説明しないとなぜこの動画が面白いのか?といったことさえ伝わらないと思うのだ。

いや、きちんと追って説明したところで、実際にニコニコ動画を「体験」したことのない人にこの独特の空気感がちゃんと伝わるのかなぁ。

先日、専門学校でニコニコ動画について講義をしたあと、生徒に「専門用語が難しいです」と言われてしまった。
たぶん彼らには俺が意味不明のことを楽しく語っているニコ厨(ニコニコばっかりやってる輩)に映ったのかも知れない。

まぁちょっと頑張ってみるけどね。

今回紹介するのはイギリスの近くのマン島に住む14歳の少女xBextahx(Beckii)の動画。
彼女はもともとYouTubeの投稿者で、日本のアニメソングに合わせて踊った動画をあげていたのだが、これもその一つ。
この「男女」ダンスが、ニコニコ動画にうp(アップロードのこと)された時、踊っている外人の美少女Beckiiに多くのユーザーが「かわいいは正義」と反応してたちまち「踊ってみた」カテゴリーランキング一位の動画となった。

その見ようによってはちょっとHなサムネイル画像の「釣り効果」もあったかも知れないが(これを専門用語で「サムネほいほい」というのだが、これが意図されたものかはわからない)彼女が踊っている楽曲「男女」が、ニコニコ動画で元々人気だったことも要因の一つだ。

この「男女」がなぜニコニコ動画でヒットしたかについての経緯を書き始めると、長くなるので一気に割愛!

いずれにせよ、日本からはるか遠く離れた異国の少女は、ニコニコ動画のシンデレラとなった。

ところで、この自分の部屋で顔出しで踊っていた少女Beckiiだが、先日、家族と一緒に来日した。
ちょうどタイミングも良かったということもあるが、粋な計らいというわけで、埼玉アリーナで行われたアニメロサマーライブのエンディング曲に彼女もバックダンサーの一人としてゲリラ的にステージで踊ってもらった。

WEBカメラの前で一人で踊っていた少女が、2万5千人の観客の前でいきなり「踊ってみた」わけである。
彼女にとっては大好きな日本での素晴らしい思い出が出来たことだと思う。

ニコニコ動画では、彼女のような「素人」が、たった一つの動画によって一瞬で脚光を浴びる、といったことが今後も起こっていくことだろう。

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KOJI SAITO/齋藤光二
株式会社 ドワンゴ ニコニコ事業本部副本部長 DAGE取締役プロデューサー

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