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スポーツビジネスにおける「ビジネス」とは何か その12009.06.29

今回はじゃあ「スポーツビジネス」の「ビジネス」とは何なんだ、という話です。
これはシンプルです。「ビジネス」とは「問題解決」です。
顧客、マーケット、消費者、等、対象はなんでもいいのですが「商品や、サービスをを通じて、対象が抱える問題や課題を解決する」のがビジネスです。
逆の言い方をすれば「対象が抱える問題や課題を解決することができる、商品やサービスを開発し、提供する」ことがビジネスです。
自動車会社は「楽に早く移動したい」「一度にたくさんのものを運びたい」「運転が簡単だといい」「車はナンパの道具だ」「車は必要だがエコは同じくらい重要だ」「月に3万円以上のローンは払えない」等の様々な消費者の多様な問題や課題を解決する車を作り、販売するからビジネスが成立するわけです。
ではスポーツは誰が顧客で、そのどの問題をどのように解決することができるのでしょうか。
まずスポーツの顧客ですが「すべての人」です。男女、年齢、人種、国籍、宗教、所得階層、などを
問わず、だれもが対象になる、という意味で大きなビジネスの可能性があります。
ただ食品や衣料品、基本的な家電製品、自動車のような生活必需品ではありません。
スポーツがなくても人々は生きてゆけるのです、・・・・といういい方をした時、何か違和感を感じた人がいたでしょう。
スポーツは生活必需品でないのに、でもそれがないと・・・・そう、「生きてる気がしない」「生きている意味がない」と人に感じさせるものなのです。No music no life. No sport no life.
生活必需品とは、いわば人の生命維持、生活維持の商品ですが、スポーツや音楽、映画などは人の「心や精神の維持」の商品と言えるでしょう。そしてすでに物質的豊かさを達成してしまった現在、この「心や精神の維持」の商品は「新しい生活必需品」ともいえる存在になってきています。
以下続く(あと2回)

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HIKARU MACHIDA/町田光
NFL JAPAN 代表取締役社長 立命館大学客員教授 早稲田大学講師

Jリーグの挑戦とNFLの軌跡/スポーツ文化の創造とブランド・マネジメント2009.06.26

今日もスポーツビジネスの続きです。
「スポーツビジネス」という言葉は「スポーツ」と「ビジネス」の2つの単語で成立しています。
ということは、このことを理解するには2つの単語を一つ一つ理解しないといけないですね。
「スポーツとは何か」  あ−、いきなり難しい話になりそう。
・・・・というわけで私が大学の授業や仕事上のプレゼンテーションで使っている整理です。
・人間とは動物である。動物は「身体的(肉体的)存在」であり、そこには種の保存に向けた「暴力」「闘争」が本質的に存在する
・人間とは知性を持つ「知的存在」である。知性が人間を他の動物から区別し、種の保存を可能にし、文明を築いた
・知性は人間社会から暴力的なものを排除し、その代わりに「規則」や「ルール」を生んだ
・スポーツとは、肉体を用いたルールに基づく闘争、でありさらに抽象化すれば「身体を用いたゲーム」であると言える。
人々はスポーツに触れることで人間の本質である動物性と知性の両方をその根底において刺激され、情動が活性化し、非日常の快楽=感動を得ることができる。このいわば社会的な記号を脱ぎ捨てた裸の人間(たち)をゆり動かす感動は、男女年齢、国籍、職業などを飛び越してだれにも有効であり、それにより「一体感」「つながっている感じ」などの「共有感覚」を醸成する。
どうでしょうか。これらは科学的に証明されている、というものではなく、私が、脳科学者の話や、前回紹介した書籍「スポーツを考える」、スポーツ観戦者への聞き取り調査データ、スポーツファンの与太話、などをもとに、いろいろと社会学やらなんやらをまぜこぜにして作り出した作文です。
皆さんも考えてください。
この本は実は私が数年前に共著で出したスポーツに関する初めての本です。超暇な人は是非どうぞ。
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HIKARU MACHIDA/町田光
NFL JAPAN 代表取締役社長 立命館大学客員教授 早稲田大学講師