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TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

サトセナガアナバチは麻酔の名手2019 / 06 / 04

ひょっとしたら、宝石のようなサトセナガアナバチに出会えるのではないかと武蔵野中央公園の堆肥置き場に立ち寄った。その囲いは20センチ角の古材で囲われており、サトセナガアナバチの狩場には最適と睨んだのです、すでに6頭ほどが忙しなく獲物を探しているようである。私は鵜匠の気分「早く捕まえておいで・・・」。待つこと30分ほど、いきなりゾンビ化したクロゴキブリを引っ張り出して来ました。

何故、クロゴキブリは大人しく引っ張られていくのでしょうか?それは、麻酔医も驚く麻酔名人なのです。1回目の刺撃で、胸部神経節に麻酔薬を注入し、足の動きを弱らせ、次に脳内の逃避反射を司る部位へ正確に2回目の麻酔注射。これで、おとなしくなったクロゴキブリの触覚を半分ほど切り落とし、おおあごで触覚の根っこを咥えて「こっちおいで」と引っ張ると、垂直の壁をおとなしく歩いていくのです。 

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
「斜光を利用して立体的に質感を捉える」
瞬時に、理想的な斜光により精妙な陰影が投影されるのでは、と想像しその場所に至るまで連写しました。陰影はとても重要なファクター、画に奥行き、立体感、質感を醸し出します。併せて、サトセナガアナバチ、クロゴキブリ、切り取られた触覚、大顎、すべてにフォーカスを合わせる事が重要と考えます。そのためには、被写体と撮像素子を平行にする事で、絞りF6.3でも狙った被写体部分にピントが合うのです。一見簡単そうですが、これらを瞬時に判断実行せねばならないので撮影難易度:星3としました。

撮影地:東京都武蔵野市八幡町2丁目4 (武蔵野中央公園内の堆肥置き場)

カメラ設定
絞り値:F6.3、シャッタースピード:1/400秒。ISO感度設定:1250。レンズ焦点距離60mm、35mm換算120mm。露出モード:絞り優先Aモード。露出補正:-0.3、ホワイトバランス:オート

使用ソフト
PhotoshopCC2019.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.60mm F2.8 Macro

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

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