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TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

台風の置き土産(ソメイヨシノ桜の狂い咲き)2018 / 10 / 23

東京都目黒区の目黒川は桜の名所として知られているが、赤とんぼが里に帰る頃、ソメイヨシノが狂い咲きしました。驚く事に、その原因は葉っぱにあるそうです。

ソメイヨシノの花芽はご存知の通り夏の間にできるのですが、夏至を過ぎて日の長さが短くなるとその事を葉が感知し、然るべき時に休眠ホルモンのスイッチが入り、花芽を硬くして冬の寒さに耐えられるようにするそうです。ところが、大型台風24号の塩害(目黒川は海から直線で約6キロ)と強風で葉がほとんど落ちてしまった結果、葉から休眠ホルモン(眠りなさい)を送り出せなくなったのです。葉を失い、日の長さを感知出来なくなって、♪ねんねんころりよ「江戸の子守唄」が聴こえなくなりました。そこに、10月の寒暖差を春だと勘違いし、この子はパッと咲いてしまったのです。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆)」
目黒川がある程度わかるアングルと、葉が落ちた状況をいかに画にするか、そのことを考えて最適な場所のフライング花を見つけました。狙の主役をいかに引き立てるかを考え、構図をまとめます。背景の川がキラキラ反射している白い部分を右端にとり入れつつ花がとけ込むのを避け、影で暗く落ちた場所に花が入るように画面構成する。さらに、主役の花が白飛びしないようにアンダー露光−1.3に設定。
「♪ねんねんころりよ おころりよ ぼうやはよい子だ ねんねしな」。江戸時代末期、染井村の植木屋もソメイヨシノの桜の下で、孫に「江戸の子守唄」を歌って聞かせていただろうか?

撮影地:東京都目黒区青葉台1丁目付近(海から約6キロ)目黒川のソメイヨシノ

カメラ設定
絞り値:F4.0、シャッタースピード:1/200秒,ISO感度設定:400、レンズ焦点距離210mm、35mm換算421mm、露出モード:マニュアル、露出補正:−1.3、ホワイトバランス:自動

使用ソフト
PhotoshopCC2018.0.0使用(Rawデータ現像)

使用機材

OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M.40-150mm F2.8 + MC-14

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

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