信じられますか!?
法隆寺の「玉虫厨子」の装飾の一部に使われている、タマムシ(正式名:ヤマトタマムシ)の輝き(構造色:外皮の多層膜構造)は、1000年以上の時を超えても経年変化(紫外線や退色、脱色)なく、極彩色を今に留めているのです。
ちなみに、
童謡『黄金虫(こがねむし)』野口雨情作詞(♪黄金虫は金持ちだ 金蔵建てた蔵建てた 飴屋で水飴買つて来た♪)はチャバネゴキブリとの説があるが、雨情の故郷・現在の北茨城市あたりではタマムシの事を黄金虫と呼んでいた事実と、「玉虫厨子」の装飾画に、消粉蒔絵の技法(金箔を水飴で練る)等々、すべてが歌詞と結びつく事などから、どうやらタマムシ説が有力であるようだが果たして?でも、甲虫目ではタマムシ科とコガネムシ科に別れているのだが、総称としてのコガネムシ科、う〜む玉虫色でややっこしい。
雨上がりの翌日
昨夜の雨で木肌が柔らかくなっただろうから、そろそろではと来てみたらグッドタイミング。小さな穴に極彩色の頭がチラチラと見え隠れしているのを目にしました。
「やっぱりいましたね!さて、君はここから出口をガリガリと食い破り(丸い写真)、自分の体が通る大きさに広げるには、まだ2〜4時間程かかりそうだね。ゆっくり出ておいで、焦ることはない私はこんな時間がたまらなく居心地がいいのだから・・・」
—-スーッと、初夏の心地よい風がシャッターボタンの指先をなめていきます。
まだかな〜
「玉虫厨子」詳しくはコチラ
http://www.sci-museum.jp/files/pdf/study/universe/2014/07/201407_16-17.pdf
この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
「誕生のクライマックスを想像しベストポジションを導き出す」
まず考えたことは、朽木を噛み砕いて出てくるのだから、タマムシの強靭な口がしっかり映り込むアングルがベストと考え、下から狙うことにしました。
そのために180度回って背景の明暗、太陽の位置などを確認します。
今回は逆光側がベストと位置を決定、次は誕生の時間の予測です。クライマックスは2〜4時間後くらいではないかと考えると、その瞬間は逆光の時間帯になりそうなのでストロボが必須と判断。これで撮影の7割がたは終わったも同然です。
上の産卵シーンは2015年6月28日撮影、残念ながらこのトチノキは切られてしまう。
下の誕生シーンは2016年6月5日撮影、切られたトチノキから3メートルほど離れたトチノキ。
ちなみに、日本には約200種のタマムシが生息しています。
撮影地:練馬区石神井公園
カメラ設定
上の産卵シーン:Canon EOS 7D Mark II、絞り値:F13.0、シャッタースピード:1/125秒,ISO感度設定:800、レンズ焦点距離100mm、露出モード:マニュアル、露出補正:+0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw。
下の誕生シーン:Nikon D810, 絞り値:F18.0、シャッタースピード:1/160秒,ISO感度設定:800、レンズ焦点距離105mm、露出モード:マニュアル、露出補正:+0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw。ストロボ
使用ソフト
PhotoshopCC2015使用(Rawデータ現像)
使用機材
Canon EOS 7D Mark II、EF100mm f/2.8 Macro USM
Nikon D810, AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED、カメラを三脚Fotopro fph-53pに装着、Speedlightを三脚:VANGUARD VEO 265CBにSpeedlight: Godox V850を斜め前方45度に装着、ストロボはワイヤレス同調:Godox Wireless Power Control Flash Trigger Set FT-16S for Godox VING V850
POSTED BY:
TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家
このページのトラックバックURL
トラックバック一覧
このページへのコメント一覧
コメントを投稿
(初めて投稿される方のコメントは管理者の承認が必要となります。ご了承ください。)