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TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

美しいナミハンミョウの狩り2016 / 07 / 26

昼、鹿児島市で用を済ませ空港へ向かう。途中で加治木町の霧島市よりの端っこに「一番ラーメン」があり、いつも常連客で繁盛している。ここで、お昼に食べるのは鹿児島ラーメンではなく、いつも決まってチャンポンなのだ。よくよく考えてみれば他のものを食したことがない。
熱々のチャンポンが運ばれてくると、綺麗に整頓された調味料置きから、すりおろしニンニクをたっぷりと投げ入れ、チャンポン専用の三杯酢を4周ほどかけ回し食らうのである。
吹き出す汗と格闘しながら、鹿児島発ANA628便の出発にはまだ2時間ほどの余裕がある。
「さ〜て、何処に行こうか。藺牟田池には昨日行ったしな〜」と記憶の地図を広げモグモグ。やっぱり通い慣れたところが良かろうと、約10分で行ける龍門滝に決めた。道すがら、お土産用に「新道屋」の加治木まんじゅうを10個買う。いつも「本日は終了いたしました」の看板を目にして、ちくしょうと引き返すのだが、今日はなんだか運が良いぞとハンドルが軽い。—–ピュッッと到着。

山道脇のシラス堆積岩では僅かに水が染み出ているので、目的の甲虫と出会える確率が高い、ここで時間が許す限り粘ることにした。背中で滝の爆音を聞きながら、次々に現れるアシナガバチや蝶などと戯れていると、目の覚めるようなナミハンミョウ登場である。うれしさを噛み殺し、私は少し離れた所から様子を窺う。何やら獲物を探しているようである、ならば多少時間がかかろうが私は粘りますよ・・・と、1時間ほど経過、こうなりゃ我慢比べです。ほとんど動かないナミハンミョウから、チョットでも目を切れば、たちどころに行方知れずとなりかねず凝視し続けるのですが、この日は梅雨が明けたかのようなピーカン。こりゃー堪らんばい、と日陰に隠れるが南国の容赦ない強烈な暑さに汗たら〜り。ヘナヘナと気力が萎えかけた頃、突然ナミハンミョウは獲物を見つけたか、猛ダッシュしたのだ。私はベストポジションへ、そろ〜りと移動。スローモションは歯痒いけれど、急に動くと気付かれてアウトですからね。

爆音とニイニイゼミの鳴き声にかき消されつつ、連写!

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆)」
「狩りをするまで粘る」
ナミハンミョウは甲虫の中でもタマムシと並んで、一二を争う美しさですが、こちらは獰猛な肉食。できれば、狩りの場面を、大あご強調で前方から撮る。そのためには時間の許す限り粘ると決めたのです。

ターゲットと方針を決めたら、近づけるのか近付けないか判断が必要です。今回のナミハンミョウは、あまり近づきすぎても逃げられてしまうのではないかと考え、望遠ズームレンズを使用することとしました。日陰で動きが俊敏なので内蔵ストロボを明るくなりすぎないようにアンダー(-0,67)に強制発光。個体差にもよるがナミハンミョウは以外と臆病で用心深いようです。この狩りでも反撃を受けそうになると、素早く離れ、隙を見て再アタックを続けていましたが、獲物が大きすぎたのか、最後はとうとう諦めて去って行きました。残念ならが、獲物の名前が不明。もしかして、噛まれて丸くなるのでヤスデの一種だろうか。でもね〜、なんだかドイツ菓子のプレッツェルに似ているようで、チョット美味そうに見えませんか・・・。

撮影地:鹿児島県姶良郡加治木町・龍門滝近く

カメラ設定
Nikon D810, 絞り値:F8.0、シャッタースピード:1/160秒,ISO感度設定:1250、レンズ焦点距離200mm、フォーカスモード:MF、露出モード:マニュアル、露出補正:-0,67、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw。

使用ソフト
PhotoshopCC2015.5使用(Rawデータ現像+トリミング)

使用機材

Nikon D810, AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR、内蔵ストロボ強制発光

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

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