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TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

小さな春の兆し2012 / 02 / 24

エノキの下でレジャーシートを敷き、オオムラサキの幼虫をうつ伏せで撮影していたら。
見知らぬおじさんが「大丈夫ですか?」と心配そうな顔で呼びかけて来た。
起き上がると「脳卒中かなにかで倒れていると思ったもので・・・」。
しかたあるまい、私は何時間も同じ姿勢で動かないのだから。
「元気です」のタオルでも近くの枝にでもくくりつけるか。

100m程移動。
オオイヌフグリ(大犬の陰嚢)が一日だけの可憐な花を光に向けて咲いていた。
誰もいないかキョロキョロ周りを見渡し、またしても行き倒れ老人よろしく腹這いになる。
それにしても可哀想な名前をつけられたものだ。
フグリとは犬のキンタマの事である。
花が散り実になると犬のあそこそっくりに見えるらしいからフグリである。
その横にはホトケノザ「仏の座」が咲いている。
こちらは良い名前をもらった。セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ、言わずと知れた春の七草のひとつ、と思いがちだがこの写真のホトケノザは「シソ科」なので固くて食用に適さないとか。
「キク科」のコオニタビラコが春の七草のホトケノザ。
季節は着実に光の温度を上げ下げし、呼吸しているようにみえ、そこには「小さな春の兆し」が輝いている。

小さな春の兆し
右上から時計回りに
オカモトトゲエダシャク(岡本棘枝尺蠖), ホトケノザ(仏の座),ユキワリソウ(雪割草)、セツブンソウ(節分草)、フクジュソウ(福寿草)、ナギイカダ(梛筏)、オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)、アオバト(緑鳩)

オカモトトゲエダシャク(岡本棘枝尺蠖)
チョウ目、シャクガ科、エダシャク亜科
蛹で越冬して春先に出現するスプリングエフェメラルである。
羽をたたんで鳥のフンに擬態しているらしい。前翅長18mm〜21mm。
お腹が大きいので♀と思ったが、触角が櫛歯状なので♂。

ホトケノザ(仏の座)
シソ目、シソ科、オドリコソウ属
原産地:ヨーロッパ。草丈:10〜30cm,花径:0.8〜1.5cm。
丸く取り囲んでいる葉が、蓮台に似ている事から仏の座。
花期:3月~6月頃
花言葉:輝く心、調和

ユキワリソウ(雪割草)
サクラソウ科、サクラソウ属の多年草。雪割草はキンポウゲ科のミスミソウ、スハマソウ、オオミスミソウ、ケスハマソウなどの総称です。高山植物で落葉広葉樹林に自生。
雪の残っている所に雪を割るように出てくる事から雪割草。
花期:3月〜5月頃
花言葉:あなたを信じます、信頼、期待、優雅、期待、和解

セツブンソウ(節分草)
キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草。落葉広葉樹林の林床に生え、石灰岩地を好む。
節分の頃から花が咲き始めるので、この名前になったと言われる。
花期:1月下旬〜3月頃
花言葉:人間嫌い、光輝、微笑み、気品

フクジュソウ(福寿草)
キンポウゲ科、フクジュソウ属
旧暦の元旦のめでたい時期に開花。開花の期間も長いことから、「福」と、「寿」」をあてて福寿草。
江戸時代頃から「難を逃れる」と言われる南天と共に正月を飾るようになった。
別名ガンジツソウ(元日草)
花期:2月〜3月
花言葉:幸福、幸せを招く、思い出、回想、祝福

ナギイカダ(梛筏)
ユリ科、ナギイカダ属、常緑小低木。花の大きさは2mm程でとても小さい。
原産地:地中海沿岸地方。日本へは明治時代初期に渡来。
葉姿がナギ似ていることと、葉の上に花が咲くことからハナイカダ。
花期:2月〜5月頃。雌雄異株
花言葉:陽気

オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)
ゴマノハグサ科クワガタソウ属、越年草
原産地:ヨーロッパ。直径が10mm位のコバルトブルーの可憐な花。
花の寿命は1日。

日本へは明治初期に渡来した。
オオイヌノフグリは日本産のイヌノフグリよりも花が大きいので「大犬の陰嚢」花の大きさは7~10ミリ程。
花期:2月〜5月
花言葉:小さな幸せ、神聖、清らか、信頼、忠実。

アオバト(緑鳩)
ハト目、ハト科、留鳥または漂鳥。全長33cm。
新緑は、青葉なので緑は青いでアオバト(緑鳩)。

梅の蕾を食べるアオバトです。以前(2007年7月)、神奈川県大磯町にて台風前日の荒れ狂う大波にひるむ事無く、ミネラル補給のため海水を飲みに丹沢方角から沢山のアオバト飛来していました。
その中に大波に飲まれて溺れ死ぬ個体も。
まさに命がけのミネラル補給です。
今回は梅の蕾を食べている早春のシーンです。

この時の撮影技法(鳥、虫、花、欲張りな被写体撮影の道具立て)
鳥を撮影していると、花や虫がどうしてもリンクする。
虫の生態を撮影すると当然、鳥や花がリンクする。
花もしかりで、生態系は見事に繫がっている。
結果、欲張りな私はリュックがパンパンに膨らむ事になる。
そこで被写体が明確に決まっていない場合、軽くする意味で機材選びにチョット工夫が必要だと言うお話です。
「鳥」には望遠レンズ70-300mm。(遠い花や近づけない虫などにも重宝)
「虫と花」にはマクロレンズ、フィッシュアイレンズ、ストロボ。
しかし、使いたいレンズがキヤノン、ニコンとあるので、動き回るにはボディーやカメラバックは出来るだけ軽い方がよい。
画素数は被写体により使い分ける。
リュックも軽くてビニール製(雨対策)の安物が使い易い。
足りない所は自分で改造すれば事足りる。
カメラ一台は肩にタスキがけして緊急時に対応出来る態勢にする(D90に60mmマクロ+リモートキットR1)。今一番のお気に入りセットで、長時間首からぶら下げても全然疲れない。

軽いボディー&レンズ&ストロボ
キヤノン5DMⅡ、40D。8mm+テレコン1.4X、MP-E65mm,100mmmマクロ,300mmF4、マクロリングライトMR-14EX、スピードライト270EXⅡ、430EXⅡ,SPEEDLITE TRANSMITTER ST-E2
ニコンD90、D300。AF MICRO 60mm,AF-SMICRO 85mm,VR AF-S70-300,ストロボ、ニコンクローズアップスピードライトリモートキットR1, SB-R200用配光アダプター SW-11、SPEEDOLIHT SB-600

アクセサリー<・strong>
ストロボディフィーザー(柔らかな拡散光)、膝当てパッド(岩場や小石など痛いので)、レジャーシート(行き倒れ老人状態)、三脚(たまに持参)
レリーズ、虫眼鏡、LEDライト(暗い場所の虫や花に),ナイフ、ホテルで貰ったシャワーキャップ(雨の時にカメラにかぶせる)、ソイジョイ(お腹がすいた時)、ミカン(冬の水分補給)、予備バッテリー(冬場は保ちが悪い)

新しい機材予約
先日プロ向けの発表会が原宿で行われ初めて出かけてみた。
お目当てはD800とD800E。
この目でその違いをしっかりと確認したかったのが一番である。
正直、見比べたけれどその違いは良くわからない。
ニコンの担当者も正直に「我々でもその違いは良くわかりません」と応えていた。
当然、両機種とも予約を済ませたがD800Eはキャンセルする事になりそうだ。
それともう一台気になる機材がある、フォビオンセンサーのSIGMA SD1こちらも銀座での説明会に出かけた。
そしてSIGMA SD1 Merrillが発表、値段が一気にプライスダウンして試してみようかと思う価格に設定された。
フイルムと同じ方式の3層センサー、こちらも購入になりそうだ。
最後にオリンパスのOLYMPUS OM-D E-M5、チルト可動式の有機ELタッチパネルモニター、高速応答の静電容量式タッチパネル、5軸対応メカニカル手ぶれ補正、防塵・防滴性能のボディーが魅力だ。
普段使いにはオリンパス、インテリアと舞台にはニコン、風景にはシグマ。合計3台購入予定。まだ姿を見せぬキヤノンの5DXと4000万画素フルサイズセンサーを搭載したEOS 3Dもおおいに気になる。

使用ソフト
Raw現像ソフト:Lightroom3、最終調整PhotoshopCS5使用

使用機材

キヤノン5DMⅡ。40D。8mm+テレコン1.4X、100mmmマクロ,300mmF4、
ニコンD90、D300。AF MICRO 60mm, VR AF-S70-300,ストロボ、ニコンクローズアップスピードライトリモートキットR1, SB-R200用配光アダプター SW-11、SPEEDOLIHT SB-600

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
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