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TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

オオセイボウ(招かざる客)2011 / 09 / 09

9月の上旬、メタリックブルーに輝くオオセイボウが産卵を始めた。
これは自分の卵をスズバチの巣に産みつけて、スズバチに寄生するためである。
オオセイボウに見つかってしまっては万事休。
それは、自分の子供とその子供の為の餌(アオムシなど)もオオセイボウの幼虫にすべて食べられて、自分の子孫を残せなくなってしまう事を意味します。
その事を、スズバチのお母さんは知っているのか産卵後も巣の近くにいて定期的にパトロールを行います。
でも、敵もさるもの、チョットしたスキに素早く巣に穴をあけ、おしりを差し込みさっさと産卵をすませてしまいます(写真のシーン)。
それに気づいたお母さんは猛然と体当たりをして、この招かざる客を追っ払います。
悲しいかな、すでに産卵されてしまったとも知らずに?スズバチは開けられた穴を直ぐさま埋め戻して修復しますが、オオセイボウはとても執念深く、追い払われてもすぐ近くで巣の様子をうかがっているようで、観察の間4回程産卵に成功したようです。
けれどこの4回とも同じ個体かは不明である。

オオセイボウ(大青蜂)
Stibum cyanurum pacificum.セイボウ科。
体長12〜20㎜の大型のセイボウ。6〜10月に見られる。
分布は本州・四国・九勝・沖縄。光沢があり、頭部と胸部は緑色、胸部背面と腹部第2節背面は藍色。
体の表面は無数の凹凸があり、この事が光学現象で奇麗な輝きを見せるのである(構造色)。
エントツドロバチやスズバチなどに寄生する。

この時の撮影技法(撮影ポジションを考察する)
物事を第三者に解りやすく説明するには、撮影ポジションが重要と言うお話です。
今回は産卵が主要テーマなので産卵を行っているシーンを誰にでも解る画でなければ、それは失敗写真といえるでしょう。
そのような考えから、お腹が巣の中に差し込まれている場面が良く解るアングルでなければいけません。
そこで、今回はオオセイボウの動きに合わせてベストポジションを頻繁に変えて撮影しました。
被写界深度が必要な為F16まで絞り込み、シャッタースピードは比較的遅いS1/60、その訳は背景のグリーンとブルー(オオセイボウと同系色)を出す為に背景に合わせて設定しました。

カメラ設定
画質モード:ROW+F、色空間Adobe RGB,絞り値:F/16、シャッタースピード:1/60秒,ISO感度設定:400、露出モード:マニュアル、露出補正:-0.5、ホワイトバランス:オート、測光モード:部分測光、ピクチャースタイル:スタンダード、焦点距離85mm 35mm換算レンズ焦点距離127mm,ビット数16

使用ソフト
Raw現像ソフト:Lightroom3、最終調整PhotoshopCS5使用

使用機材

Nikon D300、AF-S Micro NIKKOR 85mm 1:3.5G ED、 ニコンクローズアップスピードライトリモートキットR1, SB-R200用配光アダプター SW-11使用

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

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オオセイボウやミドリセイボウ、クロバネセイボウ、ハラアカマルセイボウ、リンネセイボウ、ムツバセイボウ、イラガセイボウは皆、メタリックカラーが非常に綺麗な蜂で、特にイラガセイボウ以外のオオセイボウやミドリセイボウやチャイロスズメバチは鳥のカッコウとオオヨシキリ、百舌、ムシクイ、ホトトギスとオオルリと同じ様に血縁関係の無い赤の他人の巣に托卵する蜂に見えます。また、オオセイボウ→スズバチ、エントツドロバチ、トックリバチ類各種、オオフタオビドロバチ等、ミドリセイボウ→ルリジガバチ、チャイロスズメバチ→モンスズメバチ、キイロスズメバチは鳥の世界ではカッコウ→ヨシキリ、ムシクイ、ホオジロ、魚の世界ではアフリカのタンガニーカ湖に住むカッコウナマズとシクリッド類と同じ様な関係です。

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