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TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

Display(オオハクチョウ)2010 / 02 / 19

オオハクチョウのディスプレイは人間臭くて実に興味深い。
例えば、飛び立つときの合図。
家族のリーダーらしき者が「コォーッ」と一鳴き「みんな準備はいいかな?飛び立つよ」と、まるでお父さんが号令を発しているようでもある。
また、子供を引き連れて飛来した際の挨拶も微笑ましい「みんな~!うちの子供達宜しくね~!」と、深々と頭を下げて紹介する姿がまるで子供の公園デビュー時の母親みたいである。
ところで・・・、この写真の彼はどんな口説き文句を囁いているのだろうか?

ディスプレイとは、求愛や威嚇など行うために、鳴き声や動作、姿勢などでより自分を大きく誇示する行為。

オオハクチョウ(大白鳥)カモ目カモ科。成鳥は全長約140cm、翼開長約230cm、体重約10㎏。雌雄同色。
空を飛ぶ生き物の限界体重ともいわれています。
シベリアやオホーツク沿岸で繁殖をして、越冬の為に日本に飛来する冬鳥。

この時の撮影技法
冬鳥の楽園のひとつ涛沸湖(とーふっこ)網走市小清水町を訪れた。
今回のキーポイントは2つ。
ディスプレイ時の①「微笑ましい表情」と環境の②「スケール感」が重要と考えてカメラポジションを決定した。
①はズームレンズ70~200mmの広角側である70mmで二羽を手前に大きく配置し、オオハクチョウの微笑ましい表情と存在感を際だたせることにしました。
②は絞りをf13まで絞り込むことにより手前のオオハクチョウから右上奥の斜里岳までピントがある程度合うようにして、北海道の雄大なスケール感を画にしてみましたが如何だったでしょうか?

寒暖差による結露対策の話
寒いこの時期、温かい飲み物などをすすると途端に眼鏡が曇る友人を目にし笑った経験は誰にでもあるはずですが、まさにこれの親分みたいな結露が寒冷地には潜んでいます。
例えば、氷点下-10℃での長時間撮影後はカメラボディーやレンズは氷みたいに冷え切っています。
この状態で「いい画が撮れた!」と、意気揚々と宿に戻り、温かい室内でいきなりカメラを取り出し画像確認をしようものなら、急激な寒暖差によりカメラボディーやレンズ内で結露が生じてしまいます。
最悪の場合、電気回路やレンズ内に結露が発生し修理不能ということになってしまいます。
そんな不注意による事故を防ぐには、宿に入る前にビニール袋にカメラを入れて密封し、部屋に戻っても室温に慣れるまで数時間はじっと我慢、決して開けてはなりません。
厳寒での結露対策はゆめゆめお忘れ無く。

カメラ設定
露出設定マニュアル、シャッタースピード1/250秒,絞りF13、ISO100

使用機材
Canon 1Ds MarkⅡ、70~200ミリF2.8ISレンズ(70mmで使用)

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

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