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NORIYUKI TANAKA 田中紀之
株式会社ディーツーコミュニケーションズ 事業開発本部 本部長
NTT DoCoMo、電通を親会社に持つモバイル・マーケティング企業で、さまざまな事業開発のリーダーを務める。見識の広さ、発想の豊かさに加えて、組織を動かしてゆくうえでの行動力や決断力に優れている。世界の歴史やさまざまな文化、アートにも明るく、話題に事欠かない。

コカ・コーラパークが挑戦するエコシステム・マーケティング2009 / 12 / 18

私の所属する部署では、毎月課題図書を配付しています。
 2010年1月4日の事業開発本部 全体会議で取り上げるのが本書です。

テレビ、新聞、雑誌、ラジオなどのマスメディアの広告費減少のニュースはくり返し報道され、やや驚きも薄れています。
 屋外広告や、プロモーションもよくないようです。
インタラクティブ広告はやや増えていますが、広告費全体のパイ減少を補う勢いはなし。
 
とはいえ、生活者に商品・サービスを提供するために、企業がコミュニケーションをやめるわけではありません。
 
統合型マーケティング・コミュニケーション(IMC)は、企業のあらゆるコミュニケーション活動を戦略統合するものですが、
マスメディアを中心に「広告出稿し続けるだけ」のことも多かったようです.
 かつては、「CMやめたら売れなくなりますよ」というような脅し文句を、広告会社が言ったとか言わないとか。
 
日本コカ・コーラは自社サイト「コカ・コーラ パーク」をメディア主軸に、IMCを展開いています。
 
コカ・コーラパークの会員は740万人(2009年9月)もいて、
生活者を自社メディアへ誘導と会員化、直接の継続コミュニケーションを行っています。
 
生活者をファン化して、ストック、関係を深めることが目的なので、
集客は必ずしも広告出稿である必要はなく、近いターゲットを有するメーカーとも協働。
 
日産自動車「CUBE」のサイトと相互に会員登録してもらい、
個人情報利用許諾をクリアにしたコミュニケーションを展開していますし、「メディア」なので、ふつうに他社広告を掲載しています。

このような企業は単純なメディア出稿はあまり行わなくなるでしょうし、広告主間での協働プロモーションは拡大していくでしょう。

メディアや広告会社は、広告配信技術の導入や効果分析、
アイデアの意味ではないクリエイティブな提案なしには生き残っていけないと思います。

その点、211ページもある本書に広告メディアのことはでてきても、ほとんど広告会社が登場しないことは気になります。
 
 
最後に、本部メンバーに出した課題をご紹介します。
———
■課題「コカ・コーラパークが挑戦するエコシステム・マーケティング」を読んだうえで、各140文字以内で述べよ。
 
課題1:大規模会員を持つナショナルクライアントが自社サイトをメディア化することでの、彼らのメリットを3つあげよ
 
課題2:課題1のサイトがもつメリットにより、既存のインターネット広告メディアが迫られる変化とは何か?
 
課題3:課題1のサイトの出現によって、広告会社が迫られる変化とは何か?

———

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NORIYUKI TANAKA/田中紀之
株式会社ディーツーコミュニケーションズ 事業開発本部 本部長

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