ラスベガスGPは、フェルスタッペンが久々に闘争心を全面に出したドライビングを見せ優勝をものした。
ルクレールは、ポールポジションからスタートして優勝をフェルスタッペンと争ったが、セフティカーの出るタイミングが不利に働き2位でゴールすることになった。
ペレスは、ストリート・コース・マスターぶりを発揮して、ファイナルラップまで争ったがルクレールとの争いに負けて、3位でゴールしたがサンパウロGP同様レースを盛り上げた。
予選Q1のトップ4は、ルクレール、サインツ、ラッセル、フェルスタッペンだった。
角田はマシンが全くラスベガスで機能せず予選20位でQ1敗退となった。
予選Q2は、ルクレール、サインツ、ラッセル、ガスリー、フェルスタッペンの順となった。ハミルトンは11番手、ペレスは12番手で予選を終えた。
リチャルドは15番手だった。
予選Q3は、ルクレール、サインツ、フェルスタッペン、ラッセル、ガスリーの順となった。
ポールポジションのルクレールから10番手タイムのアロンソまで0.8秒だ。
決勝のグリッドは予選3番手のフェルスタッペンがサインツがPU交換ペナルティで10グリッド降格したためにルクレールの横に並ぶグリッドを得た。
フェルスタッペンは、ポールポジションのルクレールより若干良いスタートを切って1コーナーのインに並びかけたが出口でアウト側に膨らんでそのままルクレールをコース外に押し出してトップを奪う形になった。
フェルスタッペンは順位を戻さず、この後、5秒ペナルティを課されることになった。
後方では、ボッタス、アロンソ、サインツが、冷たくグリップの取れない路面の犠牲になって最後尾に回った。
1周目を終えた時点での順位はフェルスタッペン(ペナルティ未消化)、ルクレール、ラッセル、ガスリー、アルボン、サージェントだった。
角田はスタート直後の混乱に乗じて順位を20番手から12番手まで上げた。2周目にVSCが導入される。
3周目にVSCは解除されたが、1分ほどでノリスがコーナーで真っ直ぐ行ってしまい壁に激突セフティカーの出動となった。
サインツとストロールがこの間にタイヤを交換した。
25周目にフェルスタッペンは5番手まで浮上してきて4番手のラッセルのインに並びかけて前に出るがこの時ラッセルと激しく接触してラッセ流が弾き飛ばされたが今回はラッセルの方にペナルティが付いた。
この時点でトップはペレス、2番手はルクレールだったが、27周目にルクレール以外のトップ6が2回目のピットイン。
ルクレールはトップポジション確保のためステイアウトした。
29周目にレースは再スタート、タイヤを労りながらゴールに辿り着かなければ奈良にルクレールに対してフレッシュタイヤを履いたフェルスタッペンが追い上げ、37周目にフェルスタッペンがルクレールを抜いてトップに立った。
ペレスも43周目にルクレールを抜いて2番手に進出した。
これで、レッドブルのワンツーフォーメーションが完成したかに見えた。
ところが、ルクレールはまだ諦めていなかった。
サイゴン一騎打ちに備えて苦しい中でもタイヤの最後の一皮を温存していたのだ。
ルクレールはファイナルラップの終盤でレイト・ブレーキングでペレスを交わして2番目にチェッカーを受けた。
ペレスは2週連続、もうちょっとのところで2位を逃した。
フェルスタッペンは16周目の終わりにルクレールに抜かれたところでピットイン、ノーズとタイヤを交換し、5秒ペナルティを消化して11番手でコースに復帰した。
角田は、今回、最下位のパフォーマンスしか発揮できなかったアルファタウリでポイントをゲットするチャンスを得るべく、思い切ったローダウンフォース・セットアップで予選と決勝に挑んだが裏目に出た。
カジノでギャンブルする必要もなく、レースでのギャンブルに負けてしまった。
今回のF1ラスベガスGPは、スポーツを興業やエンターテイメントとして巨額のお金を動かすという、米国式のスポーツ・ビジネスの問題点が色濃く出たイベントとなった。
路上の完全に溶接されていない金属蓋がF1に舞い上げられてマシンにダメージを与え、FP1が8分で打ち切りとなった。
金属蓋がマシンにではなく人間に当たっていたらと想像するとゾッとする。
冷え切ったストリート路面でF1ドライバーでさえも予期できないグリップによって、ノリスの生命が危険に晒された。
スタート前のイベントでクラシックカーから漏れたオイルが路面を覆い、安全で正当なスタートとはならなかった。
オリンピックなどでもすでに横行しているが、イベントとしての演出や視聴率のために、とんでもない時期や時間帯に試合をスケジュールし、観客やドライバー(選手)を危険にさらし、正当な競技の基礎を変えてしまうようなことはやるべきではない。
だいたい、わざわざ夜中にライティングをしてレースをすることの、どこがカーボン・ニュートラルに貢献するというのだ。
ラスベガスのストリップを使ってF1をやるのはいいが、イベント屋の都合で社会規範を変えるのはやめてもらいたい。
次は、最終戦アブダビGPだ。
今年は、ドライバーズもコンストラクターズもレッドブルの完全制覇が決まってしまっているが、2021年のアブダビGPでフェルスタッペンの初チャンピオンが決まったのは記憶に新しい。
最終戦前にチャンピオンが決まっていても最終戦は面白い。
PUは次のレースがないのでこのレースだけ持てばよく思い切りブン回せる。
チームの今年のマシンのアップデートは最終前までに完了しているので、レースはチームが持つセットアップ力とレース・マネジメントの争いになる。
ドライバーは、ここでできるだけ多くのポイントをあげて、自身とチームのランキングを上げて来年に繋げたい。
フェルスタッペンとレッドブルは年間勝率でマクラーレン・ホンダを上回る記録を打ち立てたいだろう。
アストンマーチンは、来年以降3強の一角になることができるかどうかの試金石になり、マクラーレンとて同じだ。
メルセデスとフェラーリは来年に向けた実戦テストの機会と捉えているだろう。
今シーズンは、レッドブルが飛び抜けてはいたが、その下の4チームが凌ぎを削る面白いシーズンになった。
角田は、ここでいい結果を出して、間違いなくトップ10ドライバーの一人であることを示してほしい。
アブダビGPは、1位フェルスタッペン、2位ノリス、3位ペレス、4位ルクレール、5位アロンソ、6位角田、7位ラッセル、8位サインツ、9位リチャルド、10位アルボンかな。
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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
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