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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2023(20)2023 / 11 / 04

メキシコGPは、フェルスタッペンが2列目スタートから優勝をものした。
フェルスタッペンは予選でポールは取れなかったが、ゴールした時には、2位ハミルトンに14秒差をつけてていた。
3位にはスタート時の接触にもめげず走り続けたルクレールが入った。

予選Q1のトップ4は、フェルスタッペン、ピアストリ、リチャルド、ルクレールだった。リチャルドは角田のトウ(0.1秒程度?)を得てソフトタイヤをセーブできた。角田は11番手。
予選Q2は、ハミルトン、フェルスタッペン、ラッセル、リチャルドの順となった。角田はリチャルドにトウを与え、自身はPU交換のため最後尾スタートが決まっているのでノータイムで終えた。
予選Q3は、ルクレール、サインツ、フェルスタッペン、リチャルド、ペレスの順となった。
ポールポジションのルクレールから8番手タイムのラッセルまではわずか0.5秒しかない接戦だ。リチャルドは角田のトウ無しでも4番手タイムを出した。

決勝レースは、フェラーリ2台がフロントローからスタートしたが、蹴り出しが悪く、特にサインツが遅れたため、フェルスタッペンが1コーナーの進入までにルクレールのイン側に並びかけた。
ペレスも鋭くダッシュして、1コーナー手前でルクレールのアウト側に並びかけた。
1コーナーに内側からフェルスタッペン、ルクレール、ペレスが3ワイドで並んで入った。
アウト側のペレスが若干イン向きの角度で1コーナーに侵入しようとしたために、中央にいたルクレールに接触し、ペレスのマシンは宙に舞い、コース外にストップした。ルクレールはフロントウイングの翼端版を失ったが走り続けている。
フェルスタッペンは、この後、ルクレールの前に出て、1周目を終えた時点で、フェルスタッペン、ルクレール、サインツ、リチャルド、ハミルトン、ピアストリ、ラッセルの順となった。

5周目にコース上にミラーが落ちていたためにVSCが出動した。
あまりに序盤のため、VSCの間をタイヤ交換に利用するチームはなく、6周目にはレースが再開した。11周目にはハミルトンがリチャルドを抜いて4番手に上がった。
フェルスタッペンは19周目の終わりにピットインしてハードタイヤに交換し、7番手でコースに復帰した。
ハミルトンは25周目にピットインして7番手でコースに復帰した。
この時点でフェルスタッペンは3番手まで戻っていた。
フェラーリは1ストップ作戦のようで、トップ2を走り続けている。

29周目にはフェルスタッペンがサインツを抜いて2番手に浮上した。
ルクレールとフェルスタペンは8秒差になった。
フェラーリ勢は31周目に サインツ、3周目にルクレールがタイヤ交換をした。
32周目の順位はフェルスタッペン、ルクレール、ハミルトン、サインツの順となった。

33周目にマグネッセンがコースアウトして、クラッシュ炎上したために34周目に赤旗中断となった。

36周目の再スタートは大きな波乱もなく、フェルスタッペン、ルクレール、ハミルトン、サインツ、ラッセル、リチャルドの順で36周目を終えた。
フェルスタッペンは2番手ルクレールとの差を広げていく。
40周目に3番手ハミルトンがルクレールをパスして2番手に上がった。
60周目には17番手スタートから追い上げたノリスがリチャルドをパスして7番手に上がった。
ノリスはその後ラッセルも抜いて5位でゴールした。
リチャルドは7位でゴールしてアルファタウリに6ボイントをもたらした。

角田は、PUとギヤボックスを全て新しいものに交換したことにより18番手スタートとなった。
スタートで順位を3つ上げて15番手から上位を狙って行った。
8周目にマグネッセンと争った時、にウイングにダメージを負い、9周目にピットインして、ノーズとタイヤを交換した。
角田は、一旦最後尾まで落ちるが、そこからファーステスト・ラップを叩き出しながら前を追い、32周目には10番手まで順位を上げていた。
赤旗中断後の36周目のレース再開時には8番グリッドからスタートした。
再スタート直後から7番手ピアストリとの激しい攻防を繰り広げる。
ペースは角田の方が速いのだがピアストリは巧みなライン取りで抜かせない。
48周目に角田がピアストリに並びかけた時にプッシュアウトされそうになった。
49周目に、今度はアウトから角田が並びかけてタイヤ1つ分前に出たがピアストリは引かず、車輪が接触して角田だけがスピン・アウトした。
角田は、順位を16位まで下げてしまい、終盤に追い上げたものの、12位でレースを終えることになった。

アルファタウリ・チームは、あえて抜きにくいロドリゲス・サーキットで最後尾スタートのペナルティを受けるPU 交換を選択する必要があっただろうか? プラクティス2の後で判断しても良かったのではないだろうか? 
そもそもホンダは3機のPUでフルシーズンを戦えるようにPUを設計して用意しているはずだ。
まともに走れば、リチャルドと少なくとも同等の速さがあるはずの角田が、メキシコで最後尾スタートするメリットがどこにあるのか疑問だ。
しかも、FP1は、他のドライバーに席を譲っているためにセットアップも十分にできない。角田にとっては二重苦以外の何者ではない。
メキシコGP、角田には、かなりのハンディキャップがのしかかっていて、その中でもなんとか挽回してポイントを取るために、いつもよりがリスクを犯したくなるのは当然だ。49周目に無理してピアストリの前に出なくても、冷静にレースをしていればポイントが取れたはずだと言ったような角田批判が跋扈しているが、F1マシンに乗って実際にF1レースを戦ってもいないものが角田に対して発すべき言葉ではない。
そもそも、18番グリッドから10番手まで追い上げ、セフティカーが出た時にステイアウトの判断をして8番グリッドを獲得したのは角田だ。これがなかったら、ピアストリとのバトルさえもなかったのだ。

F1ドライバーは時速200Km以上でドライブしながら一瞬で判断をしている。
その中で、信じられないようなドライビングを披露できる瞬間がある。
そんなF1ドライバー達が、逆境を跳ね返して自分の力を示そうと全身全霊をかけてやっているのがレースだ。
7度もチャンピオンに輝いたハミルトンでさえ、競争力の劣るマシンで、チームメイトに負けそうになると接触してリタイヤしてしまうことがあるのだ。
メキシコGPの結果は、理由はどうあれ角田自身に返ってくるだけだ。
そして、今シーズンの残りで、速くて強いドライバーであることを証明できるのも彼だけだ。

次は、サンパウロGPだ。
ブラジルのインテルラゴス・サーキットはメキシコほどではないが標高が800m近くあるのでPUには若干厳しい。
コースは高低差のある反時計回りの短めのコースだ。
2021年にはチャンピオン争いををしていたハミルトンが、驚異的な速さを見せたことが記憶に新しい。
パーチエ、フィッティパルディ、ピケ、セナ、他の名ドライバーを搬出し続けたブラジルだが、残念ながら、今年のF1にはブラジル人ドライバーがいない。
ここは、ひとつ、ペレスと角田に良い成績を残して欲しい。

サンパウロGPは1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ペレス、4位ルクレール、5位ノリス、6位角田、7位ラッセル、8位サインツ、9位ストロール、10位リチャルドかな。

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