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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2023(17)2023 / 10 / 06

シンガポールGPは、サインツが予選から決勝まで一貫して強さを示し、フェラーリチームと共に戦略と戦術を駆使して見事な優勝を飾った。
2位には、マシンの能力を存分に引き出したノリスが入った。
3位に入ったのはは終盤のしぶとい追い上げが功を奏したハミルトンだった。
今シーズン開幕以来続いていたレッドブルの優勝がついに途絶えた。
レッドブルはフェルスタッペンが5位ペレスが8位に入るのが精一杯だった。

予選Q1は、トラック・エボリューションによってセッション終盤になるほど大幅にラップタイムが向上する中、比較的早めに2回目のアタックをした角田がトップタイムを記録した。
2番手はペレス、3番手はヒュルケンベルグだった。
Q1最終盤になってストロールがコントロールを失って大クラッシュし、そのままセッション終了となった。ストロールの後ろを走っていた車はタイム更新できずに終わった。

予選Q2は、サインツがトップタイムを叩き出し、ラッセル、アロンソ、マグネッセンが続いた。
角田のQ1タイムを上まわっったのはここまでだ。
レッドブル勢は、フェルスタッペンが11番手、ペレスが13番手タイムに終わった。
角田は、最初のアタックラップをフェルスタッペンに邪魔されて、ノータイム。2度目のアタックもブレーキ・ミスでノータイムとなり、15番手で予選を終えた。

予選Q3は、サインツがただ一人、1分30秒台のタイムを出してポールポジションを決めた。
2番手以下はラッセル、ルクレール、ノリス、ハミルトンの順となった。
トップ5にフェラーリ2台とメルセデス2台が並びマクラーレンのノリスが4番手で割って入った形だ。
抜きにくいシンガポールの市街地コースでこの5台が決勝でしのぎを削ることになる。
ポール・ポジション常連のフェルスタッペンは11番手と後方にいる。

決勝レースは、サインツがポール・ポジションから飛び出してトップを守っただけでなく、ルクレールがラッセルを交わし、1周目からフェラーリのワンツー・フォーメーションを形成することになった。
序盤のオーダーは、サインツ、ルクレール、ラッセル、ハミルトン、ノリス、アロンソとなった。
これが19周目まで続く。ハードタイヤでスタートしたフェルスタッペンは19周目までに8番手に順位を上げている。

20周目にサージェントが単独でウォールに突っ込み、コース上に散らばったフロント・ウイングの破片を回収するためにセフティカーが出動する。
ハード・スタートのレッドブル勢とアルファロメオ勢を除く全車ピットインしてタイヤを交換する。

23周目に再スタートした時は、サインツ、フェルスタッペン、ラッセル、ペレス、ノリス、ルクレール、ハミルトンの順だったが、23周目の終わりまでにフェルスタッペンはラッセルに、ペレスはノリスに交わされてしまう。
しかも、レッドブルの2台は、実は1ピットストップ分後方にいる。
24周目にはフェルスタッペンはノリスに、ペレスはハミルトンに交わされた。

40周目には、サインツ、ラッセル、ノリス、ハミルトン、ルクレール、フェルスタッペンの順となっている。
40周目にペレスがピットインして18番手まで落ち、41周目にフェルスタッペンがタイヤ交換して15番手まで順位を落とした。
その直後、43周目にオコンがマシントラブルでマシンをコース脇に止め、バーチャル・セフティカー・モードになる。
フェ・ルスタッペンは、後2周我慢していれば、ピットストップ・ロスを小さくできたが、逆になってしまった。
なんとか、このレースに勝ちたいと思ったラッセルは、ピットインしてハードからミディアムに交換、タイヤ・アドバンテージでサインツからトップの座を奪うつもりだった。
タイヤ交換のために順位を2番手から4番手に落したラッセルは、サインツとの差14秒を残り16周で詰めて、前に出ないといけない。
サインツは26周走ったハードタイヤ、ラッセルはフレッシュなミディアムタイヤだから、1周1秒のペースで詰めればサインツに追いつく。

ラスト5周の57周目に、ラッセルはサインツまで3.6秒に迫るが、間にはノリスがいる。
サインツもノリスもタイヤは限界を迎えているが、トップを走り続けてきたサインツの方が若干の余裕はありそうだ。
ここで、サインツはラッセルがノリスの1秒以内に入ってノリスを抜かないように、自身とノリスの差を1秒以下にして、ノリスにDRSを使わせ、ラッセルに抜かれないようにするという高等戦術を使った。

58周目には、トップのサインツから4番手のハミルトンまでが2秒内に収まり、4台が連なって激しいバトルが展開された。

ファイナル・ラップになっても、2番手ノリスの前に出ることができていなかったラッセルは、激しくノリスを攻めたが、ウォールに接触し、コースアウトしてしまった。
これで、ラッセルのすぐ後ろを走っていたハミルトンが3番手に浮上し、少し離れてルクレールが4番手、フェルスタッペンは5番手でゴールラインを横切った。

角田は、オープニングラップでソフトタイヤを生かして順位を12番手あたりまで上げたところで、後ろからイン側に突っ込んできたペレスと接触し、サイド・ポンツーンを破壊されてリタイヤとなった。
予選Q2といい、決勝1周目といい散々な結果だった。
マシンに大幅なアップデートがはいり、Q1の結果からも好成績が期待されただけに残念な結果となった。

次は、日本GPだ。
鈴鹿は、ドライバーとマシンの双方がベストの状態で組み合わされないと勝てない。
昨年は、雨に翻弄されてようやくレースとして成立した。
今年は、今のところ決勝レースは晴れの予報だ。
モンツァから調子を上げてきたフェラーリが鈴鹿でレッドブルに互角の戦いができるか注目される。
角田にとって鈴鹿は真のホームレースだ。
角田がF4で鈴鹿を走っていた時は同じ性能のマシンなのに2番手以下を大きく引き離していた。
アルファタウリのアップデートが鈴鹿にはまっていれば、角田は良い結果を出すことができるだろう。

日本GPは1位フェルスタッペン、2位サインツ、3位ルクレール、4位ペレス、5位ハミルトン、6位ノリス、7位アロンソ、8位角田、9位ピアストリ、10位アルボンかな。

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