オーストリアGPは、フェルスタッペンが圧勝した。
2位には久々にフェラーリのルクレールが入った。
ルクレールはフェルスタッペンから5.1秒遅れだったが、フェルスタッペンはファーステスト・ラップを獲るために最終盤にピットインしたので、実際には25秒ほど離されていた。
ペレスは15番グリッドから追い上げ、終盤で3番手だったノリスを交わして3位に滑り込んだ。
ペレスは、予選前から体調が悪かった中を踏ん張って表彰台に戻ってきた。
予選Q1は、ドライコンディションだったので、全車ソフトタイヤで臨み、トップ3はフェルスタッペン、ペレス、サインツの3人だった。
Q2は、Q3への生き残りを賭けて、各ドライバーがしのぎを削った結果、トラックリミット違反が続出し、ピアストリ、ペレス、オコンなどがベストタイムを取り消されて敗退した。
Q2のトップ3はフェルスタッペン、サインツ、ノリスだった。ペレスはなんと15番手だ。
ノリスは、昨年も速かったから、このコースを得意としているのだろう。
Q3もQ2と同様にトラックリミット違反が続出したが、終わってみればフェルスタッペンが最速だった。
2番手と3番手タイムはルクレールとサインツのフェラーリ・デュオが出した。
4番手以降は、ノリス、ハミルトン、ストロールの順だった。
アロンソ・アストンマーチンは8番手タイムで、レッドブル・リンクではこれまでのような速さを示せなかった。
土曜日はスプリント・レースにあてられた。
午前にスプリント・シュートアウトと呼ばれるスプリント・レース用の予選、午後が24周のスプリント・レースとなる。
スプリント・シュートアウトの結果は、トップがフェルスタッペン、2番手ペレス、3番手ノリスの順だった。
ヒュルケンベルグは、フェラーリ勢を抑えて4番手タイムを出した。
スプリント・レース決勝は、雨の降る中、各車インターミディエイトでのスタートとなった。
スタート直後にペレスが頭を取り、フェルスタッペンと激しくトップを争うところから始まった。
レッドブル・チームは、ヒヤリとさせられたが、フェルスタッペンが1周目の終わりまでにトップの座を確定し、そのまま走り切って、最初にチェッカーを受けた。
2位はペレス、3位はサインツだった。
後半は雨が上がったのでドライタイヤに交換した車が追い上げたがインターミディエイトで走り続けるトップ3を脅かすまでには至らなかった。
決勝の日曜日は、土曜日とは打って変わって晴れとなった。
金曜日の予選結果に従って、グリッドが決まっているから。
ラッセルは11番手、ペレスは15番グリッドからのスタートだ。
決勝のスタートは、上位勢に混乱はなく、フェルスタッペン。ルクレール、サインツの順で1コーナーを抜けていった。
ルクレールは1周目に2度ほどフェルスタッペンに並びかけ前に出ようとするが、フェルスタッペンは巧みに抑えてトップの座をを守った。
後方では、スタート直後に角田がオコンと接触し、角田のフロントウイングの破片が飛び散った。
おかげで2周目からセフティカーとなる。
4周目にはレース再開となった。
フェルスタッペンは頭抜けて速く7周目の終わりには2番手ルクレールに2秒以上の差をつけた。
フェラーリ2台にはフェルスタッペンとの差を縮める速さはない。
15周目にバーチャルセフティカーが出た。
この間にフェルスタッペンとペレス以外の上位陣は全てタイヤ交換を済ませた。
この時点で、ペレスは一旦3位にまで上がった。
フェルスタッペンはスタートタイヤのミディアムで引っ張り、25周目にピットインしてハードタイヤに交換して2番手でコースに復帰する。
フェルスタッペンはこれでゴールまでノンストップで行く戦略だ。
フェルスタッペンは、36周目にはルクレールからトップの座を奪い返し、差を広げていった。
まだレースは半分近く残っているが、フェルスタッペンは、ここからゴールまで一人ハイスピードクルーズを続けるだけだった。
フェルスタッペンだけが別次元で走っていると言われる今年のF1を象徴するような展開だ。
ノリスは、大幅アップデートが施されたマクラーレンで予選4番手のタイムを出した。ス
タートでは後退したものの、終始強いレース展開を見せた。
ノリスは、終盤、ペレスに抜かれたが4位でゴールすることができた。
ノリスは、オーストリアGPのドライバー・オブ・ザ・ディにも選ばれた。
角田は16番グリッドの不利を挽回しようとしてスタート直後アグレッシブに行ったが、オコンと接触してしまい、アンダーフロアにもダメージ?を負ってペースが上がらなかった。
その後、トラック・リミット違反を連発して合計15秒のペナルティを受けてしまい、19位に終わった。
このところ、角田には特に厳しくペナルティが科されているように見えるが、角田がペナルティに納得していない態度をとっていることとも無縁ではないだろう。
多くの国際スポーツにおいて、たとえ、アンフェアな判定があっても審判の裁定に選手が不満な顔をして得することはない。
次のGPでペナルティを課されてレースをフイにするようなことにでもなれば、来シーズンのシートにも関わってくる。
モナコGP以来続いている悪い流れをそろそろ断ち切らないといけない。
角田には焦らないで、たとえ15位でもいいいから、シーズン序盤のGPで見せた強い走りを復活させてほしい。
次は、ブリティッシュGPだ。
F1屈指の高速コースであるシルバーストーンは、最もF1の速さを感じることのできるコースの一つだ。
フェラーリ、アルファロメオ、アルファタウリ、ハース以外のチームは本拠地を英国に置いている。
ドライバーでは、ハミルトン、ラッセル、ノリスはホームGPとなる。
ハミルトンはシルバーストーンではいつもに増して速くなる。
かつて、英国人F1ドライバーがシルバーストーンでは他のサーキットより0.5秒速く走れると言っていたというインタビューワー話を聞いて、ハミルトンはその0.5秒こそが今年のレースで必要としているものだと答えた。
ブリティッシュGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位サインツ、4位ハミルトン、5位ラッセル、6位ルクレール、7位ストロール、8位アロンソ、9位ガスリー、10位ノリスかな。
2023©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved
POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
このページのトラックバックURL
トラックバック一覧
このページへのコメント一覧
コメントを投稿
(初めて投稿される方のコメントは管理者の承認が必要となります。ご了承ください。)