日本GPは、スタート直後に第2コーナーでトップに立ったフェルスタッペンが優勝した。
2位の座は、ルクレールをファイナルラップの最終コーナーまで追い詰めてコースアウトを誘った、ペレスが奪い取った。
3位はルクレールとなった。
フェルスタッペンが優勝し、ペレスが2位になったことで、残り4戦で、フェラーリ・コンビが最大得点をとっても、フェルスタッペンを上回ることはない。
ホンダのホームコースである鈴鹿でフェルスタッペンのチャンピオンが決まった。
ホンダPUの開発を率いてきた浅木泰昭がコンストラクターズ・トロフィーを受けとるために鈴鹿の表彰台に立った。
日本GPの週末は雨に翻弄された。
金曜日のFP1とFP2は雨で、日曜日が雨の予報となっていたから、チームは、主にインターミディエイト・タイヤのパフォーマンスチェックをしたり、決勝に向けたセッティングを試していた。
土曜日は晴れたので、FP3は午後の予選に向けての唯一のドライ。テスト・セッションとなった。
予選Q1はフェルスタッペン、サインツ、ルクレールの順で通過した。
F4の鈴鹿コース・レコードを持つ角田はブレーキに問題を抱えながらもQ1を12番手で通過した。
予選Q2のタイムはペレス、アロンソ、フェルスタッペン、オコンの順だった。角田は13番手タイムでQ3には進めなかった。
予選Q3でトップタイムを出したのはフェルスタッペンだった。
フェルスタッペンから0.1秒遅れでルクレール、続いて、サインツ、ペレス、オコン、ハミルトンの順となった。
決勝は雨、フェルスタッぺンはレコノサンス・ラップのスタート練習でラウンチ・コントロールのセットアップが最悪だと無線で伝えていたが、その後の第2コーナーでは外側のラインを通って路面の水の量とグリップを確認していた。
そして、このフェルスタッぺンの動きが日本GPの優勝とチャンピオンの座を手繰り寄せることになる。
決勝は、雨の中、殆どの車がインターミディエイトタイヤを履いた。
スタンディング・スタートで始まったレースは、第1コーナーの入り口までにルクレールがフェルスタッペンに並びかけノーズの長さほど前にいた。
ところが、フェルスタッぺンは、そのままルクレールと並んで第1コーナーのアウト側を走り続け、第2コーナーの入り口で前に出てS字に入った時には完全にルクレールの前を走っていた。
これで、フェルスタッぺんの勝利はほぼ決まった。
フェルスタッペンは度胸で1コーナーのアウト側から並びかけたのではなく、スタート前からイン側よりもアウト側のグリップが良い事を知っていて、あえてアウト側を走り、第2コーナーで抜いたのだ。
フェルスタッぺンは2016年のブラジルGPでも、雨で中断した後のラップで全コーナーの水の深さとグリップを走りながら頭に入れておいて、再スタート後に驚くべき速さで走り、13台を抜いて3位でフィニッシュした。
フェルスタッペンは単にマシンコントロールがずば抜けてうまいだけではないのだ。
オープニングラップのS字以降は、フェルスタッペンを先頭にルクレール、ペレス、オコン、ハミルトンが続く。
後方では、サインツがスピンしてクラッシュし、アルボンがマシントラブルで車を止めた。
そのほかにもスピンが続出したため2周目が終わったところで赤旗中断となった。
赤旗から2時間経って、雨が小降りになっったので、セフティカー先導の後、ローリング・スタートでレースは再開された。
レギュレーションにより、雨の赤旗再会後は全車ウエット・タイヤでのスタートとなったが、コンディションはインターミディエイトに向いているようだ。
再スタート直後に、後方にいたラティフィとフェッテルはピットインしてインターミディエイトに交換した。
その後、フェルスタッペンをはじめとして、各車ピットに入ってインターミディエイトに交換する。
ウエットで走り続けた車もあったが、結局インターミディエイトのほうが速く、程なくタイヤはインターミディエイトに揃う。
残り31分となった時点で、トップ3はフェルスタッペン、ルクレール、ペレスとなった。
フェルスタッペンはルクレールとの差をじわじわと拡げていき、残り16分となったところで、13秒まで開いた。
残り3分となったところでフェルスタッペンとルクレールの差は22秒、ルクレールとペレスの差は0.4秒となった。
ルクレールは必死に防戦するがタイヤが終わっている。
ペレスは終了10分前ごろから急速にルクレールに追いついた。
ペレスは、F1デビュー当時からタイヤを耐たせるのが本当にうまい。
ルクレールはファイナルラップの最終シケインでマシンを抑えきれず、コースアウト、ショートカットしてペレスの前で戻って先にチェッカーを受けたが、コースアウトでアドバンテージを受けたとして5秒加算ペナルティを受け、ペレスと順位が入れ替わった。
フェルスタッペンは雨のスプリントレースで、2位以下に30秒以上の大差をつけてゴールラインを横切った。
次は、US GPだ。
サーキット。オブ・ジ・アメリカズはオーバルのハイスピード・レースが好きなアメリカらしくない中低速コーナーの連続するコースだ。
トラクションもいい方ではないので、タイヤ摩耗が厳しいフェラーリにとっては有利かもしれない。
アメリカ人ドライバーはいないが、アメリカ人がオーナーのハース・チームにとってはホームレースとなる。
例年、メキシコからはペレスのファンが大勢詰めかける。
USGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ルクレール、4位ハミルトン、5位サインツ、6位角田、7位ラッセル、8位アロンソ、9位ノリス、10位マグネッセンかな。
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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
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