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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2022(18)2022 / 10 / 07

シンガポールGPは、ペレスがスタート直後にトップに立ち、一度もトップの座を譲ることなく優勝した。
ペレスはモナコに続いての今季2勝目だ。モナコもシンガポールもストリート・コースだから、ペレスはストリートス・コースが好きなのかもしれない。
ルクレールは、レースを通じてペレスにプレッシャーをかけ続けたが、ペレスの前に出ることはできなかった。3位にはサインツが入った。

熱帯のシンガポールGPは、昼間の暑さを避けて夜に照明でコースを照らして行われる。
熱帯なので夕刻近くになると短時間スコールが降ることが多い。
ところが、グランプリ・ウィークの予選日と決勝日はいつものスコールより長く雨が降り、ウエット路面での走行となった。
これによって、大番狂わせが起こることになった。

予選Q1はウエット路面の中、ほとんどの車がインターミディエイトで走った。
トップタイムを出したのはフェルスタッペン、2番手以下は、ハミルトン、ルクレール、ペレスが続いた。
レッドブルのマシンは、低速コーナーの多いこのコースには向かないと言われていたが、チームは予選開始までにセットアップを決めてきた。

予選Q2のタイムはルクレール、ハミルトン、フェルスタッペン、ペレスの順だった。

予選Q3が始まる頃になると路面は乾き始め、ところどころ濡れた部分はあるがドライのソフトタイヤでなんとか走れる状態になった。
ピットインしてタイヤ交換するとタイムアッタクに使える時間が減るので各車セッションを走り切れるギリギリの燃料を積んで周回を続ける。
タイヤの熱でマシンが走れば走るほど路面は乾くので、Q3終了間際になるほどタイムは良くなる。
そんな中、ルクレールがトップ・タイムを出した、ルクレールから僅か0.02秒遅れでペレス、さらに0.03秒遅れでハミルトンが続いた。
フェルスタッペンは、ルクレールがトップタイムを出した時セクター2まではルクレールを上回るペースで来ていたが、そのままでは僅かに届かないリスクもあるとチームが判断し、最後にもう1ラップすることを選択した。
フェルスタッぺンの最後のアタックはセクター2まででルクレールよりも十分速く、セクター3をまとめればポールポジションは確実と思われた。
ところがピットからは最終コーナーでピットインせよとの指令が出た。
フェルスタッぺんの車は予定より1周多めに走ったために燃料が足りなくなってしまったのだ。
このため、フェルスタッぺんはQ3前半に出したタイムにより予選8番手となってしまった。
フェルスタッペンは難しい状況に追い込まれた。

決勝のスタートは、2番グリッドのペレスが1コーナーでポール・ポジションのルクレールの前に出てレースをリードするかたちで始まった。
3番手にはサインツがつけている。フェルスタッペンは、スタートでアンチストールが作動して12番手まで下がってしまった。
ルクレールはペレスの後についているがタイム差を1秒以下には詰められずこう着状態になっている。
フェルスタッペンは8周目までに9番手まで順位を上げた。
8周めにジョーがラティフィーに壁に押し付けられてクラッシュし、セフティカーが出動する。

11周目にレースは再スタートし、上位はセフティカー出動中にピットインしていないので順位に変動はない。
その後、フェルスタッぺンは6番手まで上がってきた。

29周目にオコンのマシンがマシントラブルで止まったためVSCが発動するが、誰もピットインしない。
VSC明けにフェルスタッペンがノリス、ハミルトンがサインツを抜こうとするがうまくいかない。
35周目には、ルクレール、ペレス、サインツの順でピットに入ってタイヤ交換するが順位は変わらない。

36周目に角田がブレーキング・ミスでクラッシュしてセフティカーが出動した。

残り34分となったところでセフティカーが引っ込み、そのタイミングでフェルスタッぺんはノリスを交わそうとするが、失敗して8番手まで順位を落とした。
さらに痛めたタイヤを交換するためにピットに入ったので14番手にまで落ちる。

この後、最終盤にペレスはペースを上げてルクレールとの差を7秒まで広げてチェッカーを受けるまで走り切った。
ペレスはセフティカーの後につけていた時に近づきすぎたことによるペナルティを5秒受けたが、順位は変わらなかった。
フェルスタッぺンは最終的に8位でゴールした。

レッドブルは予選の際どい場面での戦略ミスでフェルスタッペンを優勝させることができなかったが、代わりにペレスがフェラーリ勢を抑えて優勝したので、チームとしてのダメージは少なかった。

シンガポールGPを終えて、フェルスタッペンのチャンピオンシップ・ポイントは341となった。ルクレールは237ポイントとなったので、フェルスタッペンとの差はは104ポイントに縮まった。
今回優勝したペレスはルクレールまで2ポイントに迫った。残りは僅か5レースしかなく、次の日本GPでチャンピオンが決まる可能性が出てきた。

次は、シンガポールGPと同様、3年ぶりに開催される日本GPだ。
鈴鹿サーキットは連続した低速、中速、高速コーナーが入り混じり、立体交差によって右回りと左回りのコーナーがバランス良く設置されたテクニカルな高速コースなので、ドライバーのドライビングスキルが試される。
ホンダの本拠地だから、ホンダ製PUを使うレッドブルとアルファタウリにとってはホームレースのようなものだ。
フェルスタッペンは鈴鹿でチャンピオンを決めたいだろう。鈴鹿のコースは本格的なサーキット舗装なのでトラクションはいいがタイヤの摩耗も激しい。
角田にとっては始めてのホーム・グランプリとなる。角田はF4時代に鈴鹿で圧倒的な速さを見せていたから、得意なコースであることに間違いはないが、F4とF1では全く性能も挙動も違うので、どうなるかはふたを開けてみないとわからない。
大観衆の応援が力になることだろうから、気負わず実力を発揮してほしいものだ。
日曜日の予報は曇り/雨となっている。小雨ならばいいが、川の流れるような大雨とならないことを祈りたい。

日本GPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ルクレール、4位ハミルトン、5位サインツ、6位角田、7位ラッセル、8位ガスリー、9位アルボン、10位フェッテルかな。

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