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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2022(16)2022 / 09 / 09

オランダGPでフェルスタッペンはポールからスタートし、終盤にハミルトンとトップを競う場面があったが、最初にチェッカーを受けた。
フェルスタッペンは今期10勝目となった。2位にはラッセル、3位にはルクレールが入った。
フェルスタッペンのチャンピオンシップ・ポイントは310まで積み上がった。
ペレスとルクレールは201ポイントで並び、フェルスタッペンとの差はは109ポイントになった。
ペレスとルクレールは、残り7戦でフェルスタッペンが複数回リタイヤでもしない限り、ひっくり返すことができないほど差をつけられた。

オランダGPのレッドブル勢はベルギーGPの時とは違い、持ち込んだセッティングを大きく外し、苦闘していた。
P1開始当初から好調だったのはフェラーリとメルセデスだった。
直線の短いサンドフォールトでは、レッドブルのマシンはスパほどの優位性が保てないのではないかと危惧されていた。
予想どうり、金曜日のP2が終わった時点で、フェルスタッペンはルクレールとラッセルに先を越されていた。
レッドブルは金曜日の夜にハードワークをして土曜日の朝にはセッティングを大幅に変更してきた。
フェルスタッペンは、P1開始早々にマシントラブルが出てロングランのテストができていなかったので、P3は決勝に向けたセッティングの確認に時間を割いたためか、ルクレール・ラッセルとのタイム差はP2からあまり縮っていないように見えた。

予選Q1が始まると、上位3人のドライバーの顔ぶれはフリープラクティスの時とは入れ替わっていた。Q1のトップはフェルスタッペン、2番手ハミルトン、3番手角田という結果だった。
角田の3番手タイムはセッション終盤にトラック・エボリューション(走行したマシンのタイヤのゴムがサーキット路面に付着してグリップが向上する)を利用して出したものだった。
それにしても、角田はP3では16番手タイムだったから、バンクの上側をうまく使ってタイムを上げる走り方でも見つけたのだろう。
予選Q2は、サインツ、ラッセル、フェルスタッペン、ルクレールの順だった。
この4人が1分10秒台を出した。フェルスタッペンはQ2突破に充分なタイムを出していたので、深追いせず決勝用にソフトタイヤを1セット温存した。
角田は10番手タイムを出して今期4回目のQ3進出を果たした。
予選Q3は、フェルスタッペン、ルクレール、サインツという結果になった。
ハミルトンと角田はトラックエボリューションをフルに利用しようとして、予選終了間際にアタックしていたが、前でアッタクしていたペレスが最終コーナー手前でスピンして、黄旗がでたためタイムアップできず、4番手と9番手に終わった。

決勝のスタートは、スムーズで、オープニングラップを終えると、フェルスタッペン、ルクレール、サインツ、ハミルトン、ペレス、ノリス、ラッセルの順でホーム・ストレッチに戻ってきた。
上位7車のスタートタイヤは、フェルスタッペン、ルクレール、サインツ、ペレスがソフト、ハミルトン、ノリス、ラッセルがミディアムだ。
ソフト組は2ストップ、ミディアム組は1ストップが予想される。
メルセデス勢はレッドブル、フェラーリ勢がピットに入った後走り続けて前にでる戦略だ。
15週目、トップフのフェルスタッペンと2番手のルクレールの差は3秒ある。
ここで、サインツとペレスがピットインしてタイヤをミディアムに交換した。

ルクレールは18周目にピットインしてタイヤをミディアムに交換する。
この間に、ハミルトンとラッセルが前にでる。19周めには、フェルスタッペンがピットに入ってミディアムに交換する。
20周目には、ハミルトン、ラッセル、フェルスタッペン、ルクレール、ペレス、サインツの順になった。
この時点でのハミルトンとフェルスタッペンの差は約9秒ある。
フェルスタッペンは、早めにハミルトンを抜いておかないと、ワン・ストップのハミルトンに最終的に前に出られてしまうことになる。
フェルスタッペンんは周回毎に0.6秒平均でハミルトンとの差を詰めていった。

ハミルトンはフェルスタッペンが1.8秒後方にまで迫った30週目にピットインしてハードタイヤ!に交換した。
メルセデス・チームは、序盤でハードに交換したアロンソ他のペースがいいことを掴んでいた。
これでゴールまでノンストップで行ける。
フェルスタッペンが次のタイヤ交換をするまでに、21秒以内につけておけば、フェルスタッペンの前に出ることができる。
ハミルトンがコースに戻った時点でのフェルスタッペンとの差は約14秒だった。
フェルスタッペンはハミルトンとの差を21秒以上に広げようとするが、ハードを履いたハミルトンは速く、タイム差は一旦19秒まで広がったが、48周目には14秒差にまで縮まってしまった。

48周目に角田がリアのデフ(?)のトラブルでコース上にストップしたためVSCが出る。
フェルスタッペンは、即座にピットインしてハードタイヤに交換する。
ハミルトンもピットインしてミディアムタイヤに交換した。
これで、フェルスタッペンがトップに立ち、ハミルトンは13秒差を追い上げる展開となった。
ミディアムを履くハミルトンはファーステストラップを連発しながら55周目にはフェルスタッペンまで11秒と迫った。

55周目にボッタスが車をコース上に停めたため、セフティカーが出動した。
フェルスタッペンは、すかさずピットインしてソフトタイヤに交換した。
ハミルトンはトップの座を手に入れるためコース上に留まり、ラッセルはピットに入ってソフトタイヤに履き替えてフェルスタッペンの背後につけた。

セフティカーにより各社の間隔は詰まった。
ハミルトン、フェルスタッペン、ラッセル、ルクレール、ペレス、サインツの順に並び、60周目が終わったところで再スタートしとなった。
フェルスタッペンはコントロールライン通過直後にハミルトンに並びかけ、1コーナーで鮮やかに抜き去った。
その後、使い古したミディアムで走るハミルトンは、ラッセルとルクレールにも交わされて4位でゴールすることになった。
レッドブルとメルセデスは、それぞれのチームの総力を結集して、見応えのある攻防を見せてくれた。
フェラーリはレッドブルに匹敵するマシンを持ちながら、タイヤの摩耗が早かっただけでなく、戦術面で劣ったことやピット作業の乱れなどでメルセデスの後塵を拝する結果となった。

次は、夏休み明けの3連戦を締めくくるイタリアGPだ。
モンツァは言わずと知れた高速コースだ。
各車、モンツァ用の小型ウイングを持ち込んでストレート・スピードを1Kmでも上げようとしてくる。とは言っても、ストリート以外でも速くないとラップタイムは速くならない。
今シーズンのパフォーマンスからして、モンツァにはレッドブル、フェラーリ、メルセデスの順で適性がマッチしているように思われるが、オランダGPをみてもわかるように、ちょっとしたセッティングの適合性や路面温度とタイヤの使い方、レース中の戦略によって結果が変わるほどチームの実力は接近している。
イタリアは、英国のについでベースとするチームが多い国だ。
フェラーリとアルファタウリはイタリアのチームだし、アルファロメオもスイスのチームだがイタリア名のチームだし、ハースもイタリアにファクトリーがある。
しかし、なんといってもフェラーリが活躍しないことには盛り上がらない。

イタリアGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ルクレール、4位サインツ、5位ハミルトン、6位ラッセル、7位フェッテル、8位ボッタス、9位角田、10位ノリスかな。 

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