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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2020(18)2020 / 12 / 21

アブダビGPは、フェルスタッペンが完全にレースを制して優勝した。
2位と3位にはボッタスとハミルトンのメルセデス・コンビが入った。
ゴール直後にハミルトンとボッタスは2台のメルセデスでドーナッツ・ターンを舞い、2020年シーズンの終幕を祝った。

レッドブルはアブダビGPの週末を通して速さを示し、メルセデスと互角に近い形で戦える状態にまで仕上がっていた。
レッドブルのマシンは、例年、シーズンン終盤になってようやくメルセデス・マシンの性能に追いつくというのが続いている。
今年の場合は、シーズン前の空力シミュレーターの値と実際の空力性能に大きなずれがあったために、修正するのに時間がかかったようだ。

予選Q3ではフェルスタッペンが見事なラップを決めて、2番手ボッタスを0.025秒差で抑えてポールポジションを奪取した。
フェルスタッペンのドライビング、アタックラップのタイヤマネジメントとPUのエネルギー放出マネジメントが全てがうまく組み合わさって、ようやく、メルセデスを予選で下すことができた。
ハミルトンは、ポールタイムから0.086秒遅れの3番手だった。
今年、著しい進境を遂げたマクラーレンのノリスが4番手、サインツが6番手だった。
アルボンは、ようやくリアの挙動が安定してきたレッドブルでフェルスタッペンから0.325秒遅れの5番手タイムを出した。
決勝レースは、フェルスタッペンが何とか2番手以下を抑えてトップをキープし、以下8番手までグリッド通りの順でレースは進んでいった。
6周目には、アルボンがノリスを下して4番手に上がる。

10周目にペレスがマシントラブルでコース脇にマシンを停めた。
即座にVSCが出て、各社一斉にピットインしてタイヤをハードに交換する。
12周目からセフティカーの船頭に代わり、14周目にレースが再開される。
再開後のトップ4の順位は変わらず、ほとんどの車はこのまま最後までタイヤ交換無しで走りぬく作戦だ。
この時点で軍配はフェルスタッペンんに上がったも同然だ。
今回決勝のペースでレッドブル勢に劣るメルセデス勢は、前半で一台がアンダーカットを仕掛け、もう一台がフェルスタッペンより長く走って、どちらかが前に出る作戦を用意していたはずだが、セフティカーが出たおかげでその作戦が取れなくなった。

フェルスタッペンは、その後、追いつく速さのないメルセデス勢を尻目にじわじわと差を広げていき、50周目には2番手ボッタスとの差を11秒まで広げた。
そして、フェルスタッペンはそのまま一度もメルセデスにトップの座を脅かされることなくゴールした。
今回メルセデスはMGU-Kに不安があったため、MGU-Kの出力を10KWほど絞っていたとされ、フェルスタッペン・レッドブルの完勝を許すことになった。
こうして、型コロナ下の異常な2020年シーズンは終幕を迎えた。

アブダビGP後の1週間の間に来シーズンのF1シートはほぼ確定した。
フェッテルはフェラーリからレーシングポイントへ、ペレスはレーシングポイントからレッドブルへ、サインツはマクラーレンからフェラーリへ、リチャルドはルノーからマクラーレンに移ることになった。
アロンソは久々にF1復帰してルノーに乗ることになった。
新人は、ミック・シューマッハ、ニキータ・マゼピンがハースから、角田裕毅がアルファタウリから来季F1デビューをすることになった。
ハミルトンだけが来季の契約を更新していない状態だ。

角田裕毅はF2ルーキーイヤーでF2チャンピオンシップ3位に入り、速さでF2のライバルたちを圧倒した才能あるドライバーだ。
ホンダが撤退しても、実力だけでトップチームから声がかかるドライバーになれるポテンシャルを持っている。
来年1年間の成績を見れば、チャンピオンを狙えるドライバーになれるかどうかはわかるだろう。
ホンダのF1撤退で落ち込んでいたファンにとっては、この上ないクリスマス・プレゼントとなった。

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