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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2020(14)2020 / 11 / 11

エミリア・ロマーニャGPは、ハミルトンが多少の幸運に恵まれて優勝した。
ハミルトンの勝利を脅かす可能性のあったボッタスとフェルスタッペンは二人とも不運に見舞われた為、結果はハミルトンの楽勝だった。
ハミルトンはただでさえ強いのに運まで味方につけられたのでは手の付けようがない。

この勝利で、メルセデスは7年連続コンストラクターズチャンピオンに輝き、ドライバーズタイトルも手中に収めた。
ドライバーズ・チャンピオンの方は、ボッタスにまだ数学的可能性が残されているので決まってはいないが、どちらにしてもメルセデスのドライバーが獲得することに変わりはない。
パワーユニット規定がターボハイブリッドになってから7年間、メルセデスの完全制覇が続いていることになる。

今回、ハミルトンは予選から絶好調だったわけではない。
Q3で僅かな差(0.097秒差)ながらボッタスにポールポジションを持っていかれた。
フェルスタッペンは、ほぼ指定席となった3番手で、ボッタスとは0.567秒差だった。
ガスリーはフェルスタッペンから0.331秒差で4番手に着けた。
今年のガスリーは本当に速い。
フェルスタッペンに合わせて仕立てられたレッドブルのマシンでこれを上回るタイムを出せるかどうかはわからないが、アルファタウリで4番手タイムは立派なものだ。
レースでは自力で表彰台を狙える位置だ。

決勝レースは、ボッタスがきれいにスタートを決めてトップで1コーナーに突っ込んでいった。
若干出遅れたハミルトンの間隙を突いてフェルスタッペンが2番手に上がった。
今回のハミルトンは、タイヤを痛めないために無理をしなかったのではない。
ただ、チャンピオンシップがほぼ手中にあるハミルトンは、クラッシュしてリタイヤすることだけは避けたい。
フェルスタッペンもそれがわかっていてぎりぎりのところを攻めたのだ。

8周目には好調だったガスリーがラジエターのトラブルでリタイヤに追い込まれる。
15周目にはソフトでスタートしたドライバーたちが続々とピットインしてタイヤ交換を済ませる。
19周目にはミディアムスタートのフェルスタッペンがピットインしてトップのボッタスをアンダーカットしようと試みるが不発に終わる。
タイヤのつき方がうまいハミルトンは、スタートから履いているミディアムで快走を続けていて、ボッタス、フェルスタッペンに対して相対的に優位に立ち始める。
ハードタイヤのフェルスタッペンはミディアムタイヤのハミルトンのペースについていけない。

29周目にオコンがゲインイン不明のマシントラブルでコースわきに車を止めたときに、短い間のバーチャルセフティカー・モードに。
ハミルトンはすかさずピットインしてタイヤ交換したのでロスタイムは通常のピットストップの半分ぐらいで済んだ。
35周目にはハミルトンがボッタスとフェルスタッペンに6秒差をつけてトップに立った。
勝負あり。43周目にはフェルスタッペンがボッタスのミスを見逃さず前へ出てこのレース最大の見せ場を作る。
ところがフェルスタッペンの車は51周目に右リアのタイヤがバーストしリタイヤに追い込まれる。
ボッタスはコース上の遺物を拾ってしまったためペースが上がらずハミルトンをできず2位でゴールした。
ハミルトンは、ファイナルラップ後半はペースを落としてボッタスが追いつくのを待ち、ゴール後はメルセデス2台が並んでウイニングランをして、メルセデスのチャンピオンシップ獲得を自ら祝った。

次は、2011以来9年ぶりに開催されるトルコGPだ。
トルコは10月30日にエーゲ海地震があって数百人の死傷者が出ている。
それでも、2週間後のF1は今のところ予定どおり開催される。
2009年のトルコGPではジェンソン・バトンがブラウン・メルセデスで優勝している。

ホンダは、2009年にはチャンピオンを獲れるだけのマシンを開発しておきながら、2008年のシーズン終了時に突然トップの決断で撤退を決めてしまった。
それを無償で引き継いだのが、当時のホンダF1シャシー開発責任者だったロス・ブラウンでブラウン・グランプリの名でメルセデス・エンジンに乗せ換えて1年間戦ってチャンピオンをとった。
そして、2009年末にチームごとメルセデスに売り渡してしまった。
そのチームが今のメルセデス・チームの母体になっている。
今回も、ホンダは同じようなことを繰り返そうとしている。
本田宗一郎が健在な頃、バイクの世界選手権で長年にわたって全クラス制覇を続けたことから、スポーツ自体とトライバル・メーカーの存続が危ぶまれるとして撤退したのとは大違いだ。

トルコGPの開催されるイスタンブール・パークのコースは14のコーナーからなるテクニカルなコースだが、今のF1にとっては緩いコーナーは直線も同じだからどうなることか。現行規定のF1での走行データはどのチームも持っていないだろうから、うまく合わせこんだチームが前に出てくる。

トルコGPは、1位フェルスタッペン、2位ボッタス、3位ガスリー、4位リチャルド、5位サインツ、6位フェッテル、7位ルクレール、8位ペレス、9位アルボン、10位ノリスかな。

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