ハンガリーGPは、予選・決勝を通じて、ハミルトンの圧勝で幕を閉じた。
決勝レース終盤でには、ファーステストラップを獲るために、ピットインしてソフトタイヤに交換をすることが可能になるほど、2位以下を引き離していた。
フェルスタッペンは、プラクティス、予選を通じて絶不調だったが、決勝では望外の2位に滑り込んだ。
ボッタスは、決勝のスタートでつまずいたことが響いて、3位に終わった。
予選が始まってみると、今年のメルセデス一強の度合いがより鮮明になった。
メルセデス勢の次に速かったのは、メルセデスPU+トランスミッションを積むレーシング・ポイント勢だった。
レーシングポイントの2020マシンは空力などでも非常にメルセデスに近く、ピンク・メルセデスと揶揄されている。
予選のトップ4は、ハミルトン、ボッタス、ストロール、ペレスのメルセデス勢が独占した。
グリッド3列目は、フェラーリの2台が占め、レッドブルは、フェルスタッペンが予選7番手、アルボンは13番手という有様だった。
決勝レースは、直前まで激しい雨に見舞われたため、コースはセミ・ウエット状態であった。決勝レースは、マグネッセンがレインタイヤを履いた以外、全員インターミディエイトを履いてスタートした。
スタート前にハプニングが起こった。ただでさえ、不調のレッドブルが、スターティンググリッドにつくためのレコノサンス・ラップでフェルスタッペンがタイヤバリアにクラッシュして左サスペンションを壊していまった。
何とかホームストレートに惑ってきたフェルスタッペンはピットに向かおうとするが、チームはそのままグリッドにつけろと指示し、フォーメーションラップ開始までの20分間にグリッド上でサスペンションの修復を完了させてしまった。
まさに神業だった。
これが、2020年ハンガリーGP最大のハイライトだ。
決勝レースは、ほとんどスタートで決まった。
上位勢の中では、ボッタスとペレスがスタートで出遅れた。
25分ほど前までは、スタートさえ危ぶまれたフェルスタッペンだが、1コーナーのイン側が込み合っているのを見て取って、アウト側からフェラーリ2台を抜き去り、あっという間に7番手から3番手まで浮上した。
スタート後に雨が降らなかったので、路面が急速に乾き始め、6周目までには全車ドライタイヤに履き替えた。
アルボンは13番手から追い上げて、5位でフィニッシュした。ハースのマグネッセンも検討し16グリッドから9番手(レース後のペナルティで公式結果は10位)まで順位を上げた。
2020年シーズン開幕三連戦の結果からみると、メルセデスの圧倒的優位は揺るがない。
昨シーズン前半は、燃料流量チェックの隙間を狙ったフェラーリのPUが速かったが、問題点が指摘されるとシーズン後半は速さが衰え、変わってシーズン終盤にレッドブルホンダがメルセデスの対抗馬となった。
今年は、メルセデスとレッドブルホンダががっぷり四つに組んだ戦いが期待されていたが、メルセデスは、PUとシャシーの両面できっちりとグレードアップを果たした。
PUは昨年のフェラーリの流量コントロールんヒントを得たらしい。
シャシー面でもDASを投入してコーナリング性能を上げてきた。
対抗するレッドブルは、空力性能を上げるためのチャレンジをしたが、路面や風によって影響を受けやすく、安定した性能を発揮できないでいる。
かつて、ニューウィがレイントンハウス時代に開発したマシンも路面がフラットでスムースな状態では高性能を発揮したが、路面が荒れていてアンジュレーションのあるコースでは振るわなかったことがある。
空力的に攻めすぎて、マシンの挙動が敏感になってしまったのかもしれない。
ホンダPUは、昨年達成した信頼性の上に、高地以外でのコースでも安定したパフォマンスを発揮できるようにしたようだが、メルセデスはさらに先を行っていた。
ブリティッシュGPは、伝統の高速コースシルバーストーンで開催される。
ここでは、PUの実力が決めてとなるので、メルセデス勢の優位は変わらない。
開幕からの4週間でレッドブルがどのような改良をしてくるか注目される。
F1チームの多くは英国に拠点を置いているので、ホームグランプリとなるチームが多い。
中でも、今年絶好調のマクラーレンは上位を狙っているだろう。
ハミルトン、ノリスとラッセルは、3人とも実力のある英国人ドライバーだ。
ホームカースではいつも以上に力を発揮するだろう。アルボンはタイ人だが英国育ちだ。
ブリティッシュGPは、1位ハミルトン、2位フェルスタッペン、3位ボッタス、4位アルボン、5位ペレス、6位ルクレール、7位ノリス、8位フェッテル、9位リチャルド、10位ストロールかな。
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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
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