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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2019(17)2019 / 10 / 11

ロシアGPはハミルトンが優勝し、ボッタスが2位に入った。
夏休み以来、フェラーリに圧倒され、勝てなかったメルセデスが、作戦勝ちでフェラーリを抑え、ワンツーフィニッシュを果たした。
フェラーリはチーム作戦をうまく機能させることができず、ルクレールが3位に入ったが、予選での速さを台無しにしてしまった。
フェルスタッペンは、9番グリッドから4位でフィニッシュ。アルボンはピット・スタートから追い上げて、5位でゴールした。
6位には、レッドブル勢を抑えきるだけの速さのなかったマクラーレンに乗るサインツが滑り込んだ。

予選は、ルクレールが飛びぬけて速く、2番手のハミルトンに0.402秒差をつけてポールポジションを獲得した。
ルクレールと同じフェラーリに乗るフェッテルは0.425秒差の3番手だった。
4番手のフェルスタッペンはルクレールに0.682秒差をつけられていたから、予選は、ルクレールの独壇場だった。

決勝レースを迎えてフェラーリは少し変わった戦略を採った。
僅差で予選3番手となったフェッテルをスタートで前に出し、1周目からワン・ツー体制を確立して、レース前半のうちにメルセデスを大きく引き離しておいて後半の戦いを有利に運ぶというものだった。
フェラーリがこのような作戦を採ったのは、フェラーリ2台のスタート・タイヤがソフトであったのに対して、メルセデス勢はミディアムだったからだろう。
スタート直後フェッテルがルクレールの前に出て引っ張り、ハミルトン、サインツ、ボッタスが続いていたから、作戦はうまくいくように見えたが、しばらくすると、作戦に微妙な狂いが生じ始めた。
トップに立ったフェッテルは、トップを快走していて、チーム内の約束通りルクレールを前に出さなかった。
事実、本番レースのペースはフェッテルのほうが速かったので、フェッテルがそのままトップを走り続けたいと思うのも無理はない。
フェラーリ・チームは、タイヤの限界が来たフェッテルを先にピットインさせることによって、順位を入れ替えようとした。
その間に、ルクレールは最速ラップを出していたからルクレールがタイヤ交換した時点で、フェッテルの前に出れるはずだった。
しかし、フェッテルは28周目にMGU-Kのトラブルでピット直前のコース上にマシンを止めた。
このため、バーチャル・セーフティカー表示が出てメルセデスがタイムロスなくタイヤを交換し、ルクレールの前へ出てしまった。
またしても、メルセデスが得意の{タイヤ交換を遅くしてセフティカーが出た時にタイヤ交換する}という作戦が当たった。

フェラーリは、勝てたかもしれない試合を落とした。
メルセデスは、巧みなチーム戦略で、予選では敵わなかったフェラーリに勝った。
今年のメルセデスは去年までのように性能で群を抜いているわけではないが、チームとしてグランプリを支配する力を持っている。

次は、いよいよ日本GPだ。
鈴鹿サーキットは、自然地形を利用した高速、中速、低速のコーナーがバランスよく連なっていて、立体交差があるので右回りと左周りのコーナーもある理想的なコースだ。
鈴鹿は、F1ドライバーの腕が試される、走りがいのあるサーキットだから、鈴鹿が好きだと言うF1ドライバーは多い。
ホンダが、この一戦にかける思いは、並々ならぬものがある。
鈴鹿は、ホンダのホームコースだし、F1に復帰した5年前は、決勝の走行中にアロンソからGP2のエンジンで走っているようだと酷評され、屈辱を味わった。
しかし、今年は4年間の努力が実って、ようやく、メルセデスと肩を並べるまでにPUを成長させることができた。
そして、ロシアGPでペナルティを受けてまで5台目のPUを投入し、鈴鹿でスペック4ICEを1台を使い切るという極端な戦略だって採ることができるようにしたのだ。
エクソン・モービルの新燃料とレッドブルのアップデートがはまれば、フェルスタッペンが表彰台の真ん中に立つことも可能だろう。
ただし、フェラーリはなぜか鈴鹿では速いので簡単ではないが。
決勝で日本人ドライバーの姿を見ることはなさそうだが、山本尚貴が金曜日のP1に出走することになっている。
決勝でトップ争いをする日本人ドライバーの姿を見たいものだ。

日本GPは、1位フェルスタッペン、2位アルボン、3位フェッテル、4位ルクレール、5位ハミルトン、6位ボッタス、7位ガスリー、8位クビヤト、9位ノリス、10位ライコネンかな。

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