ライコネンがアメリカGPで勝った。
2位には18番グリッドから見事な追い上げを見せたフェルスタッペンが入った。
ハミルトンは、タイヤ交換戦略が裏目に出て、3位でゴールした。
フェッテルが4位に滑り込んだため、2018年チャンピオンの決定は次戦に持ち越された。
アメリカGPは金曜フリー走行の段階から混戦の様相を呈していた。
金曜日は終日、雨にたたられ、各車まともに走行ができなかった。
そんな中、アメリカGP必勝のフェッテルが、フリー走行1回目に出た赤旗下で十分な減速をしなかったとして、2ペナルティポイントと3グリッド降格処分を受けてしまったのだ。
これで、フェッテルはトップタイムを出したとしてもポールポジションからスタートすることができなくなった。
土曜日は幸い朝から晴れたので、フリー走行3回目で各車セッティングを済ませたが、この時点では、フェラーリ2台がメルセデス2台を上回るタイムを出していた。
レッドブルもフェラーリからほぼ1秒以内のタイムだった。
ところが、予選Q1は、メルセデスが本領を発揮し始め、メルセデス、フェラーリ、レッドブルの順にタイムが並んだ。
そして、7番手タイムはトロロッソ・ホンダのガスリーがたたき出した。
ホンダPUはようやく一発のパワーでは、メルセデス、フェラーリPUに少し近づいたようだ。
予選Q3では、ハミルトンがスーパーラップを決め、フェッテルを0.061秒差で抑えて、ポールポジションを奪取した。
2番手フェッテルと3番手ライコネンの差はもっと少なく0.009秒、ポールのハミルトンから4番手のボッタスまでが.0379秒という僅差だ。
1周92秒で0.4秒のタイム差しかないのだから、決勝レースは波乱が予想された。
果たして、決勝レースは、今シーズンのグランプリレースの中で、指折りの拮抗した面白いレースとなった。
そして、決勝レースのスタート。
上り坂でコース幅がとても広いターン1の攻防を制したのは、ペナルティで5番グリッド・スタートとなったフェッテルの代わりにフロントロースタートとなったライコネンだった。
ハッキネン、ハミルトン、ボッタス、ヒュルケンベルグ、フェッテルの順でターン2に差し掛かるが、フェッテルがリチャルドと接触してスピンし15番手まで順位を下げてしまう。
後方では、予選Q1でフロアを痛めてQ2に出走できなかったフェルスタッペンが18番グリッド・スタートから猛烈な追い上げを展開している。
5周目までに、フェルスタッペンは7番手、フェッテルは11番手まで進出した。
ところが、4番手を走行していたリチャルドがPUトラブルで9週目にリタイアした後に出たVSC(バーチャル・セフティカー)の間にハミルトンが12周目に早めのタイヤ交換を敢行する。
これで、ハミルトンはもう1回タイヤ交換をしないとレースを走り切れない。
ハミルトンは走行距離の短いタイヤをフルに使って1回のピットストップ分のタイムを稼がざるを得ない。
この間に、名手ライコネンと最速フェルスタッペンの両者が、ドライビング技術の粋を尽くしてタイヤをもたせながら速く走って、トップ2のポジションをキープする。
54周目に、スーパーソフトタイヤが限界を迎え苦しむフェルスタッペンにハミルトンが襲い掛かり、いったんは前に出るが、フェルスタッペンが信じられないマシンコントロールで続くコーナーを制し、2番手の座を奪い返してゴールした。
優勝のライコネンから3位のハミルトンまで僅か2.3秒という見ごたえのあるレースだった。
次は、メキシコGPだ。
メキシコGPの開催されるロドリゲス・サーキットは長い直線と、多くの観客が集まるスタンドの間を縫うようにコースがレイアウトされたスタジアムセクションからなる。
標高2000mで空気が薄いことから、とりわけ、ターボ・チャージャーの性能がものをいう。
メルセデスはPU面で有利、レッドブルは空力マシンなので空気の薄いメキシコは不利かもしれない。
メキシコ人のペレスにとってはホームレース。情熱的なメキシカンの声援を受けて今年は好結果を出してほしい。
メキシコGPは、1位フェッテル、2位ハミルトン、3位ボッタス、4位ライコネン、5位ガスリー、6位ペレス、7位リチャルド、8位オコン、9位ハートレー、10位ルクレールかな。
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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
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