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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2018(16)2018 / 10 / 05

ハミルトンは、ボッタスから譲られて、ロシアGPの優勝を果たした。
この結果、ハミルトンは2018年のチャンピオンの座をほぼ確実にした。
しかし、いつも優勝を実力でもぎ取っているハミルトンと、チーム・オーダーに従って優勝を手放したボッタスにとって、あと味の悪いレースになった。
ボッタスがチャンピオン経験者であるか、今年のシンガポールGPまでの累積ポイントでハミルトンと拮抗していればチーム・オーダーは出なかった可能性が高い。
この後、チャンピオンが決まった後のレースにおいて、ハミルトンが勝っているレースでボッタスに優勝を譲ることがあったとしても、お互いに嬉しくないだろう。

チャンピオンシップをハミルトンと争うフェラーリ・フェッテルは、ロシアGPの予選時点からメルセデス勢の敵ではなかった。
ポールポジションを獲ったのはボッタスで、ハミルトンより0.145秒速かった。
フェッテルは予選3番手だったがボッタスに0.556秒もの差をつけられた。
これだけのパフォーマンス差があると決勝で挽回するのは難しい。

予選4番手はライコネン、レッドブルの2台は、PUをスペック2に乗せ換えたために最後尾グリッドへ降格させられることになっていたので、Q3はおろかQ2さえ走らなかった。
レースはスターティング・グリッドどおりの順位で始まり、14周目にピットインしたフェッテルが15周目にピットインしたハミルトンをアンダーカットすることに成功して、ハミルトンの前に出た。
しかし、16周目にハミルトンに抜き返されたフェッテルは、その後、ハミルトンに追いつくことはできなかった。
ハミルトン自身はボッタスの2秒後方まで迫るが、ボッタスを自力で抜き去るほどの速さはなかった。
24周目になって、ピットからボッタスにハミルトンを前にやるようにとの指示が飛び、ハミルトンは譲られた首位でチェッカーを受けることになった。

ロシアGPで最も目覚ましい活躍をしたのは、フェルスタッペンだった。
PU交換ペナルティによって19番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、僅か8周で5番手まで順位を上げ、メルセデスとフェラーリの4台に次ぐ5位でゴールした。

新PUルール施行5年目にしてようやくメルセデスの独走は止まるかに見えたが、シンガポールGP以降フェラーリのパフォーマンス停滞し始めたこともあり、今年のチャンピオンシップは急速に収束しつつある。
現行のフェラーリ・チームがもう少し作戦面でも長けていたら、フェッテルがチャンピオンに返り咲けたかもしれない。
現在の状況だと、ハミルトンが残り5レースの内2レースでリタイヤでもしない限り、フェッテルの逆転チャンピオンの芽はない。

次は、日本GPだ。可夢偉がF1を去って以来、日本人F1ドライバーはいないが、ホンダPUは存在する。
ホンダPUは今年のスペック3になって、ようやくルノーPUと肩を並べるか上回ることができたようだ。
鈴鹿はPU の差が出やすいコースだから、現状のホンダPUではメルセデスPU・フェラーリPUと勝負するまでにはいかないだろうが、シャシー、セッティング、タイヤの使い方次第では、面白い戦いを見せることが可能になった。

フェラーリは直近の2戦で足踏みしているが、なぜか、ホンダのホームグラウンドである鈴鹿では強い。
フェラーリのホンダに対する敬意の表れだろうか。生前のエンツォ・フェラーリは、フェラーリと同じように自らエンジンとシャシーを全て作ってF1に挑戦する本田宗一郎をF1のライバルとして認めていたといわれる。

今年の日本GPは、またしても台風に翻弄されそうだ。
天気予報によると、決勝日は台風の影響があまりなくなるが、予選の行われる土曜日が最も影響を受けることになりそうだ。
現在の空力F1マシンは、雨が降らなくても強風にあおられると挙動が不安定になることは必至だ。
となると、極端に空力を責めていないメルセデスに有利になる可能性が強い。
それでも、フェッテルはハミルトンより鈴鹿をうまく走れるし、フェルスタッペンの速さはマシンの実力を上回る。
この二人が、チャンピオンシップはまだ終わっていないと証明してくれることを期待しよう。

日本GPは、1位フェッテル、2位フェルスタッペン、3位ライコネン、4位リチャルド、5位ガスリー、6位ルクレール、7位ペレス、8位オコン、9位ハートレー、10位マグネッセンかな。

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