アメリカGPは、ハミルトンが完勝した。
ポールポジションのハミルトンに対して2番グリッドのフェッテルはスタート直後にハミルトンの前へ出て一時はトップを走ったが、フェッテルがどうにかできるのはここまでだった。
フェッテルは、6周目にはハミルトンに抜き返され、マシンの性能差から抜き返すことはできず、ハミルトンから10秒遅れの2位でゴールした。
3位になったのは、ファイナルラップでフェルスタッペンに抜かれたはずのライコネンだった。
フェルスタッペンは、残り19周というところでピットインしてスーパーソフトに履き替え、驚異的なペースで追い上げて、ライコネンを抜き3位になったはずだった。
ところが、ライコネンを抜く際にコーナーをショート・カットしたとして5秒加算ペナルティを獲られ、4位となった。
これは、フェルスタッペンがライコネンよりも巧いというわけでもなく、ファイナルラップ時点で、フェルスタッペンは19周目のスーパーソフトであったのに対し、ライコネンは36周目のミディアムタイヤだったからコーナーでシャープなライン取りはできない状況にあったからだ。
とはいえ、レースを通じてフェルスタッペンの速さは際立っていた。フェルスタッペンは予選6番手だったが、PUパーツ交換により10グリッド降格ペナルティを受け16番グリッドからのスタートになっていた。
フェルスタッペンは1周目13番手、5周目9番手、10周目7番手、15周目にはついに5番手まで浮上したのだ。
これによってソフトタイヤで走る周回数を短くして37周目にスーパーソフトに履き替えて最後の猛追撃をすることが可能になった。
おかげで、アメリカGPは見ごたえのあるレースになった。
5位には、最近、ハミルトンとの差が際立ち始めたボッタスが入った。
ボッタスはこのままハミルトンと肩を並べる位置までパフォーマンスを戻せないと、ナンバーツー・ドライバーとして定着してしまう。
このところ、コンスタントに上位入賞を重ねるオコンが6位でゴールした。
7位にはいったのは、サインツだ。サインツはトロロッソでのパフォーマンスを買われて、シーズン途中のアメリカGPからルノーに移籍した。
そして、移籍第1戦で、見事、7位に入賞して見せた。サインツはあと少しでオコンを抜けるところだったがオコンが踏ん張った。
ハミルトンとフェッテルのポイント差は、更に広がって、66となった。
ハミルトンは、次のメキシコGPで5位内に入れば、フェッテルの結果に関わらず2017年のチャンピオンが確定する。
今シーズンも残り3レースとなった。
次は、北米から中米に移動して、メキシコGPだ。海抜2000メートルの高地にあるサーキットなので空気が薄い。
PUのセッティングは難しく、PUパワーによる差が出やすい。
ホンダは、かつて、メキシコGPを得意中の得意としていた。
ホンダF1が最初に優勝したのはメキシコGPだ。
当時、他のF1エンジンの3割増のパワーがあったとされるエンジンを高地にあわせて巧みに調整し、初優勝した。
ターボF1時代には高い過給気圧で圧倒的優位に立っていた。
残念ながら今のホンダPUはメキシコが苦手らしい。
かつて、メキシコ人F1ドライバーといえば、ペドロ&リカルドのロドリゲス兄弟だった。
今は、メキシコ人F1ドライバーといえばセルジオ・ペレスだ。ストリート・コースを得意とし、タイヤをもたせるのが巧いドライバーだが、最近はチームメイトのオコンに先行されることが多くなった。
ペレスにとって、今年のメキシコGPはホーム・レースでもあるし、F1ドライバーとしての正念場でもある。
メキシコGPは1位フェッテル、2位リチャルド、3位ボッタス、4位フェルスタッペン、5位ペレス、6位ライコネン、7位バンドールン、8位オコン、9位マッサ、10位サインツかな。
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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
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