日本GPは、ハミルトンが強いレース運びを見せて優勝した。
これで、ハミルトンは、今年のチャンピオンシップを手にしたのも同然だ。
唯一、ハミルトンのチャンピオンシップ獲得を阻止しうる存在であったフェッテルは、スタート前からフェラーリPUの調子がよくなかったようでスタート直後に4番グリッドのフェルスタッペンに易々と先行された。
フェッテルは、5週目にリタイヤしてノーポイントに終わった。
リチャルドはグリッドどおりの3番手で1周目を終えた。
結局、このままの順位でレースは進行し、表彰台に登ったのは、ハミルトン、フェルスタッペン、リチャルドの三人だった。
こう書くと、ハミルトンは、日本GPに楽勝したように見えるが、決してそうではなかった。
今回のハミルトンの勝利は、終盤にあった二つの幸運に助けられた。
一つ目の幸運は、レース最終盤の51周目に、10位争いをしていたマッサとアロンソを周回遅れにした時だった。
フェルスタッペンは、ハミルトンをもうちょっとで捉えるところまで迫っていたが、周回遅れが中に入ったことで、抜くチャンスを失ってしまった。
あと5周あればチャレンジできただろうが、レースは53周で終わってしまった。
二つ目は、ファイナルラップ近辺になって、ハミルトンのメルセデスのPUから異常を示す信号が出ていたことだ。
レース終了があと5周先だったら、ハミルトンはコース上にマシンを停めることになって、ノーポイントに終わっていたかもしれない。
しかし、ハミルトンがこの二つの幸運のおかげで勝利したわけではない。
ハミルトンが幸運を生かすことができたのは、鈴鹿におけるドライビングの弱点を修正し、全力で予選に取り組み、初のポールポジションを獲っていたからに他ならない。
フェッテルは、肝心要のアジア3連戦で、勝てる試合を三つともノーポイントで落としてしまった。
シンガポールでは、フェッテル自身がスタート直後の接触で失い、マレーシアと日本ではフェラーリのPUトラブルによって失った。
シンガポールは、絶対に優勝しなければあとがないという余裕のなさが原因であろうし、PUのトラブルは、フェラーリがメルセデスのパワーに追いつくために信頼性を少し犠牲にして攻めすぎたことが原因だろう。
日本GP終了時点でハミルトンとフェッテルのポイント差は59となった。
ハミルトンも、メルセデスも、優勝するために無理をする必要はなくなった。
次は、太平洋を越えて、アメリカGPだ。
オーバル中心のアメリカン・レーシングとは趣きの異なるF1レースだが、オースティンでのF1レースは今年で6年目になる。
オースティンのコースは、摩擦係数が低い目の路面を持つテクニカルなコースだ。
スタート地点から坂を駆け上がり、1コーナーは左のタイト・ターンだがラインが多く意外とパッシングが可能だ。
パワーユニット依存度が少ないコースでもある。
最近、シャシー性能の進化が著しいレッドブルがどのようなパフォマンスを見せてくれるか楽しみだ。
鈴鹿では、2台そろって入賞したハースにとってはホームグランプリだ。
アメリカGPは1位フェッテル、2位リチャルド、3位アロンソ、4位フェルスタッペン、5位ボッタス、6位ライコネン、7位バンドールン、8位ペレス、9位グロージャン、10位サインツかな。
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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
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