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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2017(13)2017 / 09 / 01

ベルギーGPでは、追いすがるフェッテルを振り切ってハミルトンがトップでゴールに飛び込んだ。
スパは高速コースなので、単純なレースになると予想されたが、マシン+ドライバーの総合力が拮抗した好レースとなった。
長い坂とストレート区間の多いスパではメルセデス勢が圧倒的に有利かと思われていたが、決勝レースでは大きな差はなかった。
ベルギーGPに向けて、メルセデスは、若干信頼性を犠牲にしても、よりパワーの出るPU設定にしてきたし、フェラーリは新しい空力パッケージを投入してきた。

メルセデスとフェラーリは予選から伯仲した戦いを繰り広げた。
ポールポジション争いは、メルセデス・パワーを存分に使ったハミルトンが制した。
それでも、フェッテルはハミルトンに0.24秒離されただけだった。
予選の3番手・4番手はボッタスとライコネン、5番手・6番手はフェルスタッペンとリチャルドだった。
特に、フェルスタッペンは4番手のライコネンからわずか0.11秒遅い予選タイムだった。
コースの特性とマシンのパワー差を考えると驚異的なタイムだ。
しかも、ライコネンは、スパで5回も優勝しているドライバーだ。
フロント・ローを確保したフェッテルが優勝するために必要なことは、スタート直後にハミルトンを抜き去ってトップに立つことだった。
レッドブル時代のフェッテルは、見事にこれをやってのけて、スパでは不利なレッドブルのマシンを見事優勝に導いたことがある。

しかし、今年のベルギーGPの決勝は、ハミルトンが見事なスタートを決め、巧みなライン取りでフェッテルに抜く隙を与えなかった。
オ―ルージュの上り坂ではメルセデスにかなわないフェラーリのフェッテルに残された道は、レース・ペースで上回り、タイヤ交換の時に抜くぐらいだ。
ところが、ハミルトンとフェッテルのレース・ペースは、ほぼ同じで、しかも、ハミルトンが2周早めにピットインした。
結局、フェッテルは、1回目のピットストップでハミルトンの前に出ることができなかった。
フェッテルの次の手はレース終盤までハミルトンと同じペースで走り、終盤のタイヤ余力の差を利用して抜くことだ。
しかし、29周目にセフティカーが出動し、ハミルトンは、タイヤ交換することができた。
フェッテルが、ハミルトンの前に出るすべはもう残っていなかった。

リチャルドは、常に良いペースを保ち、エンジン・トラブルでリタイヤしたフェルスタッペンと黄旗無視で10秒のストップペナルティを受けたライコネンを尻目に見事に3位の座を手にした。
これで、フェッテルとハミルトンのチャンピオンシップポイント差は、7となった。マシンの実力差を考えると、ハミルトンのほうが若干優位という状況になってしまった。

イタリアGPは1週間後にモンツァで行われる。
スパに続いて高速コースバトルになる。
ここでは、各車、可能な限りウイングを小さくして空気抵抗を減らし、スピードを稼ごうとする。
空気抵抗を減らすためにウイングを寝かせて走るマシンも多い。
しかし、フェッテルは他車よりもウイングを立て気味にセッティングして勝ったことがある。
F1マシンのセッティングは奥が深い。
モンツァはPUと空力だけでなくブレーキの耐久力も必要だ。

今年のイタリアGPのイベントとして、50年前の1967年にモンツァで優勝したホンダRA300がデモ・ランを行う。
今のホンダは、当時と比べれば世界有数の大メーカーとなり、開発予算も設備もはるかに恵まれた環境にあるはずだ。
あまり時間は残されていない。
内燃機関の時代が終わる前に最強のPUという称号を取り戻してほしい。

フェッテルはフェラーリのエンジン音より大きなティフォッジの声援を背にモンツァを駆け抜ける。
PUでは足りないエキストラ・パワーをもらうことができる。
イタリアGPは1位フェッテル、2位ライコネン、3位ハミルトン、4位ボッタス、5位フェルスタッペン、6位ストロール、7位ヒュルケンベルグ、8位オコン、9位サインツ、10位バンドールンかな。 

2017 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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