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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2017(6)2017 / 05 / 25

ハミルトンは、スペインGPで持てる力を全て出し切って優勝をもぎ取った。
やはり、チャンピオンを3度も獲得しているドライバーは違う。
ロシアGPで4位に終わったハミルトンは、今年マシンとタイヤに合わせてドライビングをファイン・チューンしただけでなく、レースに臨んではドライバー用の水を積まず、毎周、毎コーナーで限界まで攻めた結果の勝利だった。
強靭な体に鍛え上げているはずのハミルトンが、レース終盤、ピットとの無線のやり取りの際に息が上がっているのが明らかにわかるほど自分を追い込んでいた。
ハミルトンの勝利に対するコミットメントとバーチャル・セフティカー・ピリオッドが終わる寸前にタイヤ交換のピットインをしたチームの作戦によって勝利を掴んだ。
チャンピオンをとったことのあるドライバーは、シーズン序盤であっても、マシンのせいでなくライバルより結果が悪いとタイトルが離れていってしまうことをよく知っている。
ハミルトンにとってスペインGPの優勝は今シーズンのタイトル争いにとって極めて重要なものだったのだ。

ちょっとしたタイヤ交換のタイミングのせいで優勝を逃したフェッテルは、ハミルトンからわずか3.5秒遅れの2位でゴールした。
表彰台の最後の一角を占めたのは、リチャルドでトップから1分以上離されていた。
しかし、予選のタイム差から考えるとよく戦ったと言えるだろう。
4位以下は全て周回遅れだった。フォースインディアの2台はペレス4位、オコン5位という好成績だった。
ヒュルケンベルグはルノーを6位に導き、トロロッソの2台はサインツ7位、クビヤト9位と結果を出した。
8位にはザウバーのウェレーンが10位にはハースのグロージャンが入った。

アロンソは、母国の予選で驚異的なドライビングを披露した。
特にQ1とQ2を突破するためにQ3では1アタックしかできなかったにもかかわらず7番手タイムを叩き出した。
決勝では、スタートでリスクをとってさらに前へ出ようとしたが逆に接触しそうになって後退した。 
その後は、自分より遅い車に前をふさがれたり、タイヤ交換のシーケンスが悪くなったりで浮上することができなかった。
今年のF1GPは見応えがある。スペインGPの予選でもポールポジションのハミルトンから4番手のライコネンまでのタイム差は僅か0.29秒しかなかった。
決勝でこの4台のうちどれが優勝してもおかしくないタイム差だ。

次は、伝統のモナコGPだ。
アロンソはインディ500に挑戦しているのでモナコには出ないが、そのインディでなんと予選5番手のタイムを出した。
佐藤琢磨も4番手と好調だ。
モナコにはバトンがアロンソの代わりにマクラーレン・ホンダから出場する。
久々にジェンソンの走りを見ることができる。
モナコは市街地の公道路面なのでタイヤはウルトラ・ソフトが用意される。
今年からマシンは幅広くなって、ただでさえパッシングの難しいモナコが増々コース上で抜くのが難しくなった。
晴れなら抜くチャンスはタイヤ交換のタイミングしかない。
予選決勝とも雨だったら、ドライバーの力量で順位が決まる部分が多いのだが・・・。
近年はフランスGPが開催されていないので、モナコは、フランス人ドライバーにとっはホームレースのようなものだ。
グロージャンとオコンは期するものがあるだろう。

モナコGPは1位フェッテル、2位ライコネン、3位バトン、4位ボッタス、5位リチャルド、6位サインツ、7位ペレス、8位オコン、9位グロージャン、10位バンドーンかな。  

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