ロシアGPでボッタスが初優勝を飾った。
今年のロシアGPは、信じられないような接戦が予選から展開された。
フェラーリが、予選ではアドバンテージのあるはずのメルセデスを抑え、フロントローを独占してしまったのだ。
しかも、ポールポジションのフェッテルから予選2番手のライコネンまでが0.059秒差、予選3番手のボッタスまでが僅か0.095秒差というものだった。
ボッタスほどソチのコースが得意ではないハミルトンは、チームメイトから0.5秒近く離された4番手だった。
予選5番手のリチャルドはトップから1.7秒以上離されており、決勝はフェラーリとメルセデスの4台で争われることは明らかだった。
特に、予選上位3台は事実上ほとんど差がない。
となると、フロントローを独占し決勝レースで分のあるフェラーリ勢のワンツーフィニッシュが現実味を帯びてくる。
ところが、決勝レースは、そんなフェラーリ・ファン達の期待通りにはいかなかった。
久々のポールポジションで守りに入ったのだろうか、フェッテルはスタート直後のコーナー侵入でボッタスに先行を許してしまった。
予選でもセクター1はメルセデスのほうがフェラーリより速いから、ここで前に出られると、予選での差からしてコース上で抜くのは極めて難しくなる。
しかも、ソチはタイヤの消耗が少ない路面なので、タイヤ交換は1回しかない。
タイヤ交換のタイミングでフェッテルはアンダーカットを試みたが成功しなかった。
終盤、フェッテルは、ボッタスの後方に迫ってプレッシャーをかけ、ミスを誘う作戦に出たが、ボッタスは冷静さを保ってトップのポジションを守りきり、初優勝を手にした。
コースとの相性が悪いらしいハミルトンは4位、珍しく予選で7番手だったフェルスタッペンは決勝ではしっかり走って5位、フォースインディアの2台であるペレスとオコンが6位・7位と健闘した。不安定ながら去年よりはマシンのパフォーマンスが格段に上がったルオーのヒュルケンベルグが8位に入った。
予選6番手ながら決勝では後退したマッサは9位、サインツは10位に滑り込み、次戦に向けて弾みをつけた。
マクラーレン・ホンダのアロンソは、フォーメーション・ラップ中にERSのトラブルが発生して、スタートすらできなかった。
バンドーンは14位で完走し、ザウバーの2台より前でゴールした。
ロシアGP中にホンダが2018年からザウバーにPU を供給することが発表された。
ホンダが長期にわたってF1にコミットしていることの証明だ。
来年以降、データポイントが2倍に増えることでPU 改良のペースが上がることが期待される。
次は、スペインGPだ。
カタルーニャのコースは、シーズン前テストが行われるのでどのF1チームもドライバーも熟知しているコースだ。
フェラーリにPU で追いつかれたメルセデスは、急遽、空力アップデートをスペインから投入してくるらしい。
一時も手を休めるわけにはいかないのがF1の世界だ。
今回はアロンソとサインツがホームGPになる。
アロンソは今のホンダPUでは苦しいが、できる限りのパフォーマンスを見せてくれるだろう。
スペインGPは1位フェッテル、2位ライコネン、3位ハミルトン、4位ボッタス、5位リチャルド、6位フェルスタッペン、7位サインツ、8位マッサ、9位グロージャン、10位アロンソかな。
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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
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