ロスベルグが今年のチャンピオンシップを争う上で最も重要な一戦、
日本GPを完全に制した。
決勝で、ロスベルグが見事なスタートを切ったのに対し、ハミルトンは大きく出遅れて8番手まで後退してしまった。
ロスベルグの優勝に繋がった最大のポイントは、予選Q3でハミルトンと0.013秒差でポールポジションをとったことだ。
ハミルトンはプラクティスの3セッションを通じてマシン・セッティングが決まらず苦労していた。
しかし、そこはハミルトン、予選に入るとトップタイムを出せるところまでマシン・セッティングと自身のドライビングを修正してきた。
それでも、ほんの僅かな差でロスベルグのポールを許してしまった。
ハミルトンは、日本GPで優勝しなければ、事実上、自力でチャンピオンになる望みが絶たれるから、どうしてもポールをとる必要があった。
ところが、ハミルトンはポールをとれなかったために、決勝のスタートでロスベルグの前に出なければならなくなった。
これが、決勝のスタートでハミルトンのクラッチ・ミートに微妙な影響を与えたことは想像に難くない。
ハミルトンは、その後、果敢な追い上げを見せ、スタートで2番手に浮上したフェルスタッペンをもう少しで抜くところまで迫った。
しかし、フェルスタッペンは、ハミルトンに追いつかれてからはシケインの立ち上がりを速くするなどして防戦した。
フェルスタッペンを攻略することができなかったハミルトンは、3位に終わった。
4位と5位にはフェラーリのフェッテルとライコネンが入り、6位にはスタートで行く手を阻まれたことが最後まで響いたリチャルドが入った。
7・8位はぺレスとヒュルケンベルグ、9・10位にはマッサとボッタスが入った。
日本GP終了後のロスベルグとハミルトンのポイント差は33と広がり、残り4戦でハミルトンが全勝してもロスベルグが全て2位に入ればロスベルグが上回る。
今年のロスベルグは、精神的にも強くなっているように見受けられるから、ハミルトンが4戦全勝するのは容易ではない。
ロスベルグが抱えるリスクはパワーユニットの耐久性だろう。
ハミルトンは合計8基のPUを投入しているが、ロスベルグは5基で戦っている。
これまで運よく壊れなかったロスベルグのPUが残りの4戦で火を噴かないという保証はない。
ロスベルグのPUが残りの1戦で壊れて、ハミルトンが優勝すればポイント差は一気に縮まってチャンピオンシップの行方は最終戦まで縺れることになる。
次は、太平洋を渡ってアメリカGPだ。
同じシングルシーターレースのインディカー・シリーズはオーバル・トラック、市街地コース、ローカルロードコースで争われている中、オースティンのコースはF1開催ために準備された最新のレーストラックで、テクニカルな要素も多い。
特にスタート直後に駆け上がって急に曲がる1・2コーナーの攻防は見ものだ。
オースティンのコースは、舗装のグリップが低いためプラクティスからタイヤのラバーが定着しないと充分なグリップが得られない。
アメリカ人ドライバーはいないが、メキシコは近いので、ペレスとグティエレスにとっては準ホームGPでメキシコGPの前哨戦となる。
またハース・チームにとっては初めてのホームGPとなる。
鈴鹿の予選では調子が良かったから、本番ペースを改善できれば入賞が期待できる。
アメリカGPは、1位ハミルトン、2位リチャルド、3位フェッテル、4位ロスベルグ、5位アロンソ、6位フェルスタッペン、7位ペレス、8位バトン、9位グロージャン、10位グティエレスかな。
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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
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